Vol.5~「初期段階の心理と接し方のコツ part.2」

■Vol.5~「初期段階の心理と接し方のコツ part.2」

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

心理カウンセラーの近藤あきとしです。

前回のブログでは、私がうつ病が発症する前からずっと酷く自分を嫌っていて自分の気持ちを切り離してしまったり、自分の存在を隠してしまいたくなって、常に自分を抑え込もうとする力を使っていたので、エネルギーを無駄使いし続けていたというお話をしました。

その結果、自己嫌悪をしているだけで心は消耗してしまったのでした。

今回は心が消耗する別の理由についてのお話です。

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私は、子供のころからいわゆる良い子でしたので、親の言うことに逆らったコトは無かったですし、勉強も習い事も何の疑いもなく与えられたものをそのまま受け入れていました。

するといつの間にか、自分が好きだからとか気に入っているからコレを選ぶという感覚を持てなくなっていったのです。

家族や友達と居る時も周りの空気を読んで、自分の考えよりもその場を上手に乗り切る受け答えだけをするようになり、本来の自分自身はどこかへ行ってしまったようでした。

進学する時には、私自身は大学でやりたいことを思いつくはずもなかったのですが、親は進学するものだと決めていて、また当時の私は言われたことをやる以外の選択は発想には無かったので、求められたからとりあえず進学しただけ、という感覚でした。

他の選択肢があるとは到底思えませんでしたし、思いついたとしても選ぶこともそれが許されることも、想像も出来ませんでした。

その時にはとっくに、自分自身が将来や希望する道を選ぶことが出来るとは、全く信じられなくなっていたのでした。別の言い方をすれば、自分自身に期待することを諦めきっていたようなものだったんですね。

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私にとっては親の期待を背負って、それに応えることがイコール生きることになっていました。

自分がやりたいこと、好きなことはどこかへ捨ててしまって、何も感じるコトも出来なくなっていたんです。

就職してからは、さらに上司・先輩からの期待を背負い、後輩からの視線を感じ、会社からの期待まで背負いながら働いていました。

心のどこかで“これくらいは出来きないとね”“これくらい出来て当たり前だよね”という声が聞こえていた気がします。

しかし本来であれば、やりたくないことをしている訳ですから、精神的には大変な負担になっていました。

まるで無理やりさせられているように感じてもいました。

それでも周りに認められるには、苦しくても頑張らなくてはいけないと思って辛いと感じる暇もないように、もっと自分を追い込んでいくようになりました。

そして他人の仕事まで抱え込んでしまうコトも、いつの間にか当たり前になっていったのです。

ある時期からは、自分はこの仕事が天職だと思い込むことで、苦しい気持ちを誤魔化しながら毎日を乗り切っていくことに何の違和感も感じなくなってしまいました。

まるで自分が決して逃れられない牢獄に、捕えられているような感覚に気づいてしまうことから、そうすることで逃げていたのかもしれません。

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もしかしたら、みなさんの大切な人も同じような気持ちでいるかもしれませんね。

自分以外の誰かの期待を背負って、自分の役割ではない役を引き受けて自分の心を誤魔化しながら、毎日を牢獄の中で送っているように感じているのかもしれないんです。

誰かの期待がある時、それを背負い続けるには期待の重さと同じだけの心のエネルギーが必要です。

10の期待を背負うには10のエネルギーが20の期待を背負うには20のエネルギーが要るんですね。

仮に、100のエネルギーを持っている人が40の期待を背負う為に、40のエネルギーを使ってしまうと、やるべきことに使えるのは、残りの60のエネルギーしかなくなってしまうのです。

背負う為のエネルギーを使いつつ、残りで目の前の仕事をこなしていかなくてはなりません。

これは相当な精神力が必要になります。ハッキリ言ってしんどいです 。

そして時間が経つごとに、徐々に神経をすり減らし体力を奪っていくことになります。

日ごとに心は消耗していき、ある日限界を迎えて燃え尽きてしまうのです。

それでも本人は「もうしんどい」「止めたい」とは口に出せないことが多いと思います。

なぜなら、期待を投げ捨ててしまったら、“このくらいは出来て当たり前”と思っていることが、出来ないと周りに知られてしまったら、そんな自分は絶対に許されないだろうと思ってしまうからです。

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もしあなたの大切な人が“うつ”かもしれないと感じたら、あるいは既に療養中だったとしたら、そして今なお、かつてのように出来ない自分を許せずに責めているようだったら… 

あなただけは、「何も出来ないあの人」でも愛してあげて欲しいのです。

学校や会社や世間が許してくれなくても、あなただけは許して受け入れてあげて欲しいと思うのです。

大切な人が背負ってきた重たい荷物を、あなたが下ろしてあげるつもりであなたが大切な人を必要としていることを伝えてあげてもらえますか?

あなたが、大切な人の居場所になれるように、理解をする為の時間、受け入れていく為の時間を、これから一緒に作ってみてくださいね。

(続く…)

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