Vol.11~「いっぱいいっぱいなのはどちらか?」

■Vol.11~「いっぱいいっぱいなのはどちらか?」

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

心理カウンセラーの近藤あきとしです。

今現在、うつ病の方が家族やパートナーにいる人たちにとって最も辛いことというのは、以前のように元気になってくれるのか?

このままだと将来どうなるのか?などの不安を常に感じながら支えていくことの苦しさだけでなく、「自分にはしてあげられることがない」ような気がしてしまうことかもしれません。

うつの本人はずっと布団の中で寝ているだけで、ひきこもってしまい依然とは人が違ったような様子になって、行動、言動、態度が変わってしまう。

周りとしてはそこに戸惑うということもありますが、外見は普通と変わらずなんとも無く見えるのに、病人として扱ってあげないといけないという不条理にも似た感覚を覚えながらの看病には、なかなか納得がいかないことも多いはずです。

「がんばり過ぎて、限界を超えてしまうくらい自分を追い込んで倒れてしまいそして今も、辛い気持ち自分を責める気持ちが24時間365日続いていて死んでしまったほうが楽になれるかもしれないと感じてしまうくらいいっぱいいっぱいなんだ」

そういう目で本人を見ようとしても、みなさんの気持ちはなかなか腑に落ちないかもしれませんよね。

そして、どうしてもうつの本人を中心として、家族やパートナーは接していくことになりますから(そうでなければ本人が安心できないので、避けられない部分ではありますが)、その中で自分たちのネガティブな感情を二の次にして本人の状態・気持ちを優先していくことを続けていくのは非常に辛いものです。

お医者さんのアドバイスを聞き、うつ関連の本やネットで情報を得て見守ることが大事だと知って、目先の状態や結果を焦らず、

またあれこれと気を回したり手を出したりするのも控えて、近すぎず遠すぎずの距離感で関わっていくことも、この記事を読んでいるみなさんなら既に知っていることでしょう。

それでも、“何もしてあげられない”というのはその人を大切に思っている度合いだけ辛いことかもしれません。

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ですが、そんな時はこんなことを考えてみてください。

実は周りで支えるみなさんのほうも、「いっぱいいっぱい」になっているかもしれない、ということです。

目の前で寝ているだけの人も「いっぱいいっぱい」で、支えているみなさんも「いっぱいいっぱい」で余裕が無く、ギリギリで踏ん張っているとしたら、立場は違っていてもお互いが同じような心の状態で苦しんでいるのかもしれないんですね。

余裕がなくて「いっぱいいっぱい」の人を支え、助けようとすると周りの人も「いっぱいいっぱい」になってしまうんです。

その状態で何かをしてあげようとしても、上手くいくことはほとんどありませんし、してあげる方も辛いので支え続けていくことが本当にしんどくなってしまいます。

どうしようもなく手立ての無いように思える人を、それでも支えようと何か出来ることはないか?と考えられるひとは、間違いなく優しい人です。

誰よりも深い愛情を持っているひとです。

でも、人を際限なく支えていくことができない時もあります。

うつの本人の感情を優先するあまり、自分の感情を横に置いて犠牲的に支えていくことを続けていれば、自分自身を追い込んでしまうでしょう。

そして、いずれ辛さが限界を超えてしまってお互いに共倒れということも少なくないのです。

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「自分には限界がある」

そのことを認めることはとても大切です。

それが認められないと、「本人が良くならないのは自分のせいだ、自分の頑張りが忍耐が足りないからだ」と思って、自責の念から辛くなってしまう。結果うつの本人の不安が増してしまうことなることもあるでしょう。

また、なかなか良くならない本人を見ていて「良くなる気がないの?」とか「どうして変わろうとしないの?」などと責めてしまいたくなることもあるでしょう。

自分を責めるのが辛くなると、今度は本人のことを「私を苦しめるひどい人、悪い人」にしてしまうんですね。

そのどちらの場合も、そうすることで相手を切り離して、助けなくてすむ理由にしてしまうんですね。

心の表面で意識的にそう感じている人というのは、あまりいないと思いますが「何もしてあげられない」ことで苦しんでいる人は、心のどこか深い部分でそういったことを感じているのではないかと、私は思っています。

「自分には限界がある」

そう認めることには、抵抗もあるかもしれません。

「いっぱいいっぱい」の人を支えようとすると、自分も「いっぱいいっぱい」になってしまう。そして自分にも限界はある。

そこが認められたら、実は意外とラクになれるものです。

自分も責めなくてすむようになりますし、相手のことも責めなくてすむようになります。

するとラクになれるし、楽しめるようになるんです。

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自分の限界を認めることは、もしかすると「相手を自分の思い通りにする」という執着を手放すことかもしれません。

自分以外のものを思い通りにしようとすると、思い通りにならないことで苦しんでしまいます。しかしその執着を手放すことが出来たら、その苦しみは軽くなっていくでしょう。

うつの本人は、楽しむことが出来ません。どうしたらラクになれるのか想像も出来ません。逃げ道も出口も見えません。

だから、周りで支えるみなさんが本人の代わりに、まず先に逃げ道や出口を見つけておくことが大事なんですね。

ショッピングに行ってみる、カフェで友だちとおしゃべり、スポーツクラブで体を動かす、温泉でぐでんぐでんになるくらいのんびりする、マッサージでこわばった体をほぐす、カウンセリングで縮こまった心をゆるめて癒していく…

本人ができないことを、みなさんが先にしていくことで、自分に楽しむこと、自由になることを許し、いつの間にか不自由になっていた心を解放することで「いっぱいいっぱい」のみなさん自身を労わり、きちんとケアをする。


そうしてラクになった時に、ようやくその先や次に出来ることが見えてくるのだと思います。

(続く…)

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