Vol.3~「周りにいるからこそ気づけるサイン」

■Vol.3~「周りにいるからこそ気づけるサイン」

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

心理カウンセラーの近藤あきとしです。

もし、みなさんの家族やパートナーなどの大切な人がある日突然、変わってしまったとしたら、どう接してあげたらいいのでしょうか?

昨日まで元気で明るく笑っていたその人が、人が変わったように無口になったり、落ち込んだままになったり、死にたいと口にしだしたら…

うつ病は誰でもかかる病気だというコトは、最近よく聞くようになりましたが、

うつ病患者にどう接していって、周りで支える家族を始めとする支援者が患者本人をどう支えていったらいいのか、を教えてくれるところはまだまだ少ないように思います。

今回は皆さんの大切な人が、うつかもしれないと感じた時の前兆を示すサインに気づく為のお話です。

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一般的にうつ病の初期にあらわれる症状は

・意欲が無くなって、何に対してもやる気が起きない

・頭がボーっとして考えがまとまらなくなり、仕事や家事の能率が落ちる

・憂うつ感がつのり悲観的になる、愚痴が増える

・絶望的な思いが浮かんできて、将来に希望を感じられなくなる

・眠りが浅くなる、またはほとんど眠れなくなる

・食欲が低下する、食べ物の味が分からなくなる

・性欲が減退する、セックスに興味がなくなる

・頭痛、めまい、首や肩のこりがひどくなる

・死にたいと考える

などがあげられています。

しかし最初から本人がこれらの症状を、うつ病と結び付けることはあまりなく最近なんだか調子が悪いな、くらいに思ってしまうこともよく見うけられます。

初めの内は、身体面での不調・変化を意識することが、多いように思われます。

私も病院で診断を受けようと思うまでは、自分が抑うつ状態だとは全く気づくことは出来ませんでした。

その時には様々な身体の不調を感じていましたので、今思えばそれが、心からのメッセージだったようです。

当時どんな不調が出ていたかというと

・右耳だけが突発性の難聴になった

・肩こりを感じたことが無かったのに、首肩背中の酷いこりに悩まされる

・胃潰瘍と腸潰瘍が同時にできて入院する

・朝早く目が覚めてしまい、それ以降眠れない

※自動車で単独事故を起こしたりもしていました。

など身体面での不調ばかりが、出ていたように思います。

おそらく、ずっと感情を抑圧してきたことで、自分の変化に心が少し鈍感になっていたせいだったのでしょう。

私たちは社会生活を送りながら、様々なストレスにさらされていますが、その一つ一つを感じて処理をしていれば、あるいは子供のように素直に気持ちを表現できれば、心の健康を保って生活できるはずなんですね。

しかし、社会で多くの人たちと関わり、色々な立場からの考えを学び組織の中で自分の仕事のスタンスを見つけていくには、自分の感情を抑えて飲み込んだり、切り捨てて無かったかのように扱わなくてはならない場面も出てくるものですよね。

ただ、それが度を超してしまうと、次第に問題として現れてくるのです。

本当は感じているはずの感情が、表に出てこなくなってしまうんですね。

辛い、苦しい、寂しい、悲しい、怒っている、などといった感情が整理されないまま心の中に封印されてしまい、きちんと感じられずに放っておかれてしまうのです。

その状態が続くと、心の中は未整理の感情でぐちゃぐちゃなのに、表面的には体裁を整えて、何も無いように振る舞うことをしてしまい、いつの間にか無自覚にそうするのが当たり前になったりもするのですね。

すると心の中と表面が、分離した状態になってしまうのです。

そうして感情を感じることに対して、鈍感になってしまった分、心の中のトラブルを、自分に分かるように伝えるために、身体にトラブルを起こして、メッセージとして送ってくるのですね。

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ただ体調の変化だけでは、本人はまさか自分がうつ病になるとは思ってもいないことが多く、あまり気にしないでいるうちに私のように気がついた時には、自分ではどうすることも出来ない状態になってしまうことも少なくないように思います。

むしろ周りの皆さんが傍で見ているからこそ、気づけるサインもあるようです。

本人はまだ気づいていないけれど、無意識のうちに発しているサインに気づいてあげられたら、本人の苦しみが重くなる前に早めに対処することができるのですね。

みなさんが外から見てとれる、うつ病の前兆のサインとしての可能性が高いと思われる変化を以下にあげてみました。

このような変調を感じたら、本人に調子を尋ねたり、何か抱えている問題がないかそれとなく聞いてみてもいいかもしれません。

・すぐに疲れを口にする、常に疲れているように見える

・以前と比べて口数が少なくなる

・食欲がなくなる、味覚の好みが変わる

・一日のうち朝方の調子が特に悪く、夕方から夜は比較的良さそうに見える

・今まで好きだった趣味や娯楽に興味を示さない

・眠れない、または眠りすぎを訴える

・セックスに興味がなくなり、パートナーの求めにも応じなくなる

・アルコール、煙草、コーヒーなどの量が目に見えて多くなる

・ギャンブルなどに依存するようになる

抑うつ状態の人に接する時には、冷静でいようと思ってもなかなか難しいものです。

みなさん自身が、戸惑いや悲しさや怒りなどの湧きあがってくる感情に、どうしても振り回されてしまうことが多いからなんですね。

しかしみなさんの大切な人が変わったように見えるのは、決して性格や心の弱さではないのです。病気が特有の症状として、そうさせていることを胸に置いて接していくだけでも、ずっと落ち着いて関わっていけるんですね。

病気のせいであって、その人のせいではないのです。

私自身、回復して良くなっていくにつれて、現れていた症状も徐々に減っていきました。

前回のブログでもお話しましたが、患者本人と周りの支える人は感情的に癒着しやすいものなのです。だからこそ、みなさんが心の健康を保っていくことを意識して欲しいと思うのです。

本人の話を聞く時に、言っている内容より感情の方をくみ取ってあげることが大切になるのですが(今後詳しくお話していきます)、その際にもみなさんが

地に足のついた揺るぎない心境で接していければ、大切な人の気持ちをしっかりと受け入れて、安心を感じさせてあげられるようになるんですね。

(…続く)

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