ふだん穏やかなのに、些細なことでキレて怒ってしまう男たちが抱えている心理

心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。

7月30日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。

●ふだん穏やかなのに、些細なことでキレて怒ってしまう男たちが抱えている心理

「夫はいつも怒っているわけじゃないんですけど・・・些細なことでキレたり、不機嫌になるんです。先週は帰ってきたときに冷蔵庫に冷えたビールが入ってないことで怒鳴って当たり散らして・・・」

「『そのくらい自分でやっておいてよ。私はあなたの家政婦じゃないの。』って言いたい気持ちもあるんですけど、火に油を注ぐことになりそうで面倒なので、毎回『ハイハイわかりました』で済ませてしまうんです。」

「私が大人になって受け入れてたら良いんでしょうけど・・・」

こう話してくれたのは、以前面談カウンセリングでお会いした女性のクライアントさん。長年、夫の怒り方が理解できず悩んでいました。

結婚して15年目、夫はIT系企業の管理職をしていました。ふだんは穏やかな性格ですが、家で気に入らないことがあるとキレて怒鳴ることがたびたびあったとのこと。

怒りが出てくると最後に言うのは決まって「本当にお前は何もできないな!」

一事が万事そんな調子なので、子供の成績が良くなかったときにも「お前がしっかりしてないからだ!」となります。

こんなことが10年以上続いていて、クライアントさんもつらいですし、なぜ夫がこうなるかも分からず困りはてて相談に来たのでした。

じつはこの夫と同じことを私たち(特に男性)は、既にやっているんです。

多くの子供は思春期に入ったあたりから、「もう子供じゃないんだ」と感じて、親に甘えるということを禁止し始めます。

すると「なんで体操服洗ってないんだよ!」とか「また忘れてるじゃん!」といった言い方で、怒りながらや文句として甘えを表現してしまうんですね。

特に男性は、小さい頃から泣くな、強くなれ、と言われて育つので、自立した分だけ弱音を吐くこと、甘えること、感情を出すことをネガティブに捉え、禁止していきます。

ひたすら我慢に我慢を重ねて、感情を抑えることで理性的、合理的な生き方をしようとします。

依存することを禁止し、そこへ我慢と言う分厚い蓋を乗っけたので、この重い蓋を開けて甘えを出すために「怒り」という強いエネルギーが必要になってしまったのです。

そんな理由で、(超)自立した男性が甘えたい、頼りたい気持ちを口に出そうとすると、自動的に怒りを使って表現してしまうケースはとても多いのです。

そういう視点で見直すと、この夫もまさに奥さま(クライアント)に甘えたい、頼りたいのだと見てとることができるわけです。

「帰ってきたら冷えたビールを飲みたいから冷蔵庫に入れておいてほしいんだ。面倒かもしれないけどお願いできるかな。」

と言えたら、奥さまも悪い気はしないはずですよね。ところが、依存を禁止してきた歴史が長く、抑圧が強かった分だけ、上手に甘えられないんですよね。

心理学には「怒りは助けを求める声」という考え方があります。

だとすると、「怒っている夫には『なんで分かってくれないんだ?』という心の声が内包されているのだな、でも言いたいけど言えないんだな。」

という眼差しで見てみると感じ取れるものが違ってくるのではないでしょうか?

なお、今回のケースのように直接怒りで表現する人もいれば、その怒りすら「こんなことで怒ってはダメだ」とさらに抑圧しようとする男性も少なくありません。

すると、どうなるかというと、無意識的に女性が怒ってしまうように仕向けてしまうんです。

たとえば、女性のことを無視する。冷たい態度をとる。不機嫌な態度になる。あるいは、子どもじみた駄々をこねる。などですね。

そうして女性が怒るようなポイントを的確に刺激して、どこかで女性側が怒りを爆発させてしまうことになるのです。

じつは、これもまた(超)自立男性の甘えたい、頼りたい気持ちの表現なんですね。

とは言っても、怒鳴られて当たり散らされるにせよ、怒りの地雷を踏まれるにせよ、こういう時は女性側は本当にきついです。

つい距離をとったり、我慢して波風が立たないようにしてしまうことが多いと思います。

「私がいけなかったのかな?」
「マズいことしちゃったかな?」
「私のこと、もう愛してないからあんな態度なんだ」

そんな痛みにハマったり、自己嫌悪してしまいそうになりますよね。ここは気をつけておきたいポイントです。

あまりに自分を責めてしまうと「こんな私は愛されるはずがない」という思いが出てきます。

さらに「こんな私を夫は愛そうとはしないだろう」⇒「だから夫は変わらない」そんな信念に変わってしまうからです。

自分を責めすぎないことは大事です。

もう一つの典型的な理由が、子供への嫉妬です。

当たり散らす夫と、子供のどちらが可愛いかと聞かれたら、間違いなく子供ですよね。

ですが夫からすれば、仕事を頑張っているし、家族を支えている自負もある分だけ、自分は子供よりも手がかからないはずだと思うのです。

なのに奥さんが可愛がるのは子供の方(当たり前ですが)。でも、夫としたらなんだか不公平な気がするんです。こういう気持ちの時によく出てくる言葉が、

「子供を甘やかしすぎなんじゃないのか?」
「もっと厳しくしないとダメだ!」

なぜかというと、小さい頃からたくさんの我慢をしてきた分だけ、素直に甘えたい気持ちが出せなかったからです。

なのに子供は、あれして、これして、と言えば何でも面倒みてもらえますからね。ここに夫の嫉妬・やきもちが出てきてしまうからです。

夫が本当に言いたいのは、

「僕のことをもっと大事にしてくれよー」

なのですが、もちろん本人はまったく気がついていません。

男性が甘えたい気持ちをうまく表現できないとこんな思いになります。

「僕はこんなにたくさん我慢して、辛抱してきたんだから、ビールくらい冷やしておいてくれよ!」
「僕にここまで言わせないでくれよ。怒らせないでくれよ!」

我慢して我慢して必死に我慢してきた人生だっただけに、最後はキレて怒鳴ってしまうんです。「甘えたい」「頼みたい」「分かってほしい」どうしてもこれが言えなかった分だけ、怒ることでしか気持ちが出せないと思っているからです。

(超)自立男性が一番禁止しているもの、それは依存です。

もしあなたの前で甘える代わりに怒ってしまうパートナーがいるとしたら、ある意味、彼はあなたにだけは依存を見せてもイイと思っているということです。

自分では取扱いができない依存心・甘えたい気持ちを、信頼するあなたにだけは分かってもらいたい、愛してもらいたいからなんですね。

でも彼にはどうしたらいいのか、どう表現したらいいのかが分からないとしたら、

そんな彼をあなたはどう愛してあげたいでしょうか?

どんな彼だったとしても思い切り愛してあげられる私になりたいと、心から感じられた時に、「どうしても理解できない」と思っていた彼との間の深い溝を埋める手立てが見つかるはずですよ。

※参考記事です↓こちらもどうぞ

★<超自立男性との恋愛シリーズ> バックナンバーはこちらから

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。
それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。

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