前回は婚活がうまくいっていない人に共通する問題と心理パターンについて解説しました↓

今回も続けて婚活についての記事をお届けしますね。
カウンセリングの場ではあらゆるジャンルのご相談を伺いますが、やはり伺うことの多いジャンルは【パートナーシップ】です。
夫婦関係のお悩み・浮気問題・不倫・別居・離婚についてのご相談はキャリアを通して途切れたことはないですね。
恋愛のお悩みについても【超自立男性との恋愛】をはじめとして、いつも浮気される・自分が浮気してしまう・だめんずばかり好きになる・遠距離恋愛が多い・問題のある人を助けてしまう…などなど、さまざまな問題をカウンセリングしてきました。
※超自立男性の心理はこちらにまとめてあります↓

特に最近は婚活についてのご相談が急に増えてきた印象です。
婚活で最も多く伺うクライアントさんの声が、
「結婚したいけど、いい出会いがないんです」
なのですが、
「では、どんなパートナーと出会いたいと思っていますか?」
と質問すると、そのパートナーの条件がハッキリしていないことがとても多いんです。
それでも条件の第1位にあがるのが「優しい人がいい」なのですが、でも、優しい人ってたくさんいますよね。私の周りにも男女問わず優しい人たちがたくさんいます。
「優しいけど経済力がない人や、優しいけど受け身で主体性がない人もいますけど、それでもいいですか?」
と聞いてみると、
「・・・いや~・・・それは~・・・」
と皆さん言葉に詰まってしまうんですよね。
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本当は優しさ以外にも欲しい要素があったり、優しさの中でも「■■な時に、◎◎してくれる優しさ」という具体的な言動を望んでいるのに、自分の中でハッキリしていないので言葉にできなくなってしまうんですね。
食べ物で例えるなら、「何が食べたいの?」と聞かれて「甘いもの!」と答えているような感じですね。
別に悪くはないんですけど、聞いている側はケーキが良いのか、和菓子が良いのか、シュークリームが良いのか、わらび餅が良いのか、分からなくて困ってしまうわけです。
それでも「洋菓子ならどれ?ケーキ?タルト?それともプリン?」「和菓子なら大福?お団子?きな粉かあんこならどっち?」など、選択肢を出してくれるかもしれませんが、
パートナーのことになるとそこまで詳しく聞いてくれる人は、そうはいませんよね(カウンセラーは別として)。
欲しいものがどんなものか?漠然とし過ぎていると、目の前にチャンスが来ても手を伸ばすことができなくなってしまいます。
じつは、このように【出会いたいパートナーの条件】から婚活を見直してみると、「出会いがない」と言っている人には2つのパターンがあることが分かってきました。
1.パートナーの条件が漠然としていて出会えない人
2.パートナーの条件がハッキリと明確なのに出会えない人
え?ハッキリしているのに出会えないなら、具体的にする意味あるの?と思われた方もいるかもしれませんね。その理由はこうです。
「本当に欲しいモノを誤解している」
「『●●が手に入れば幸せになれる』と思い込んでいる」
たとえば「いい大学に入って大きな企業に就職すれば、将来は安泰で幸せになれるはず・・・」と思い込んで、受験も就活も必死に頑張って結果を手に入れたのに、あまり幸せを感じられないのとよく似ています。
(※ただし、同じ道を通っても自分の欲しいものをよく分かっていて選択した人は、望んでいた幸せを実感できているはずです)
いい大学・大企業を結婚の条件に置き換えると、他には家柄・勤務先・肩書き・収入・容姿なども含まれそうです。
条件がハッキリしているのに出会いがないと感じる人は、頭ではその条件が必要で大切だと考えていても、心では「大切」「幸せ」とは実感していないところに問題の核心があるようです。
私たちは頭と心、「思考」と「感情」が分離していると、本当に欲しいものが手に入らないんですね。
当然、周りにも欲しいものが何かが伝わりませんから「この人とつきあいたい!」と思ってもらいにくくなってしまうのです。
そして仮に手に入ったとしても、幸せには感じられないことも多々あります。
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私たちの内側の不一致が、現実での「出会いたいのに、出会えない」という不一致をもたらしているのです(「好きでもない人から好かれる」というのも同様です)。
「これさえ手に入れば幸せになれるはずだったのに・・・」
そんな経験をした人は誰にでもあるのではないでしょうか?
私たちが頭で「これが幸せなんだ」と考えていることと、心で「本当に満たされる幸せ」を実感することは必ずしも一致しないようです。
多くの人が頭と心がつながっていないがために、欲しくもないモノ(パートナーシップでも、仕事でも、人間関係でも)のために時間とエネルギー、お金を使ってしまっているのだとしたら、すごくもったいないことです。
一方で、理想のパートナーや欲しいモノを手に入れることができた人は、心で感じる「これが私の望むもの!」「これで自分の人生を満たしたい!」という気持ちに素直に動ける人。
そのうえで、さらに頭を使って、具体的な現実にするために時間と手間をかけて取り組むことができた人だと言えるでしょう。
では、婚活で欲しい幸せを手に入れていく人と、そうでない人との違いはどこにあるのでしょう?
それは常に自分の心に問いかけてきたかどうか?かもしれません。
「私にとっての最高のパートナーはどんな人だろう?」
「じゃあ、どうしてその人と結婚することが、私の幸せになるんだろう?」
「その人はどんな相手だったら好きになるんだろう?」
「私はその人に、何をしてあげたいだろう?」
こうした問いかけを、自分の心に質問していくと欲しいモノが明確になっていきます。そして心(感情)からそれを望んでいることを頭(思考)でも理解できると、人は自然に理想の人生に向かって進み始めるんです。
それができている人は、ハートやセンターと言われる部分とつながって生きることが一番幸せになれる生き方だと知っているんですね。
ある意味、婚活で理想のパートナーと出会うプロセスとは、あなたが「本当に欲しい幸せ、大切にしたい願いを知る」ためのプロセスだと言えます。
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以前、面談カウンセリングに来られた女性クライアントは、いつも既婚者を好きになり浮気相手というポジションでの恋愛ばかり繰り返していました。
「いつか彼が奥さんと別れて私と一緒になってくれる」
毎回そう信じては裏切られてきたのです(彼からは「妻とは別れるから」と言われていたようですが、私がカウンセリングの場で聞いてきたその言葉は、他のクライアントの場合でも現実になったことは一度もありません)。
彼女には幸せになれない恋愛を繰り返してしまうだけの理由があったので、恋愛は一度横へ置いて、彼女の心のテーマに向き合うこと、そして抱えてきた痛みを癒すことを先ずは取り組んでいきました。
自分の心に向き合う経験を積み重ねていくうち、彼女は「今度は本当に幸せな結婚をしたい」と思うようになっていったのです。
婚活を通して出会ったのは、誠実で嘘がなく真面目を絵にかいたような男性でした。今までの彼女なら興味を持つことはなかったタイプでした(昔はいわゆる肉食系の「オレ様」な男性が好きなタイプだったとのこと)。でも、なぜか彼にピンときて交際がスタートしたのです。
出会った彼は彼女が落ち込んだ時には話を聞いてくれて、体調が悪いときには温かいご飯を作ってくれるような優しさを持っていました。ケンカをしても逃げずに向き合ってくれて、彼女が泣いていたら傍で何も言わず背中を擦ってくれるような人でした。
彼女はWEB系の仕事で個人事務所を開業しながら実力の世界で生きてきたのですが、彼と同棲を始めた頃には仕事を手放す方向へ進んでいきました。
しばらくして二人は結婚したのですが、彼女がこんなことを言っていたのをよく覚えています。
「今は近所でパートをして夕方には買い物をして帰って、晩ご飯を作りながら夫が帰ってくるのを待つのを『幸せだなー』って感じるんです」
「だから毎日夫に『私、あなたと結婚して幸せだなって思うよ』って言ってます」
幸せのカタチは人それぞれですが、彼女にとっては腕一本で生きていくよりも、パートナーと何でもない普通の日々を送ることが望んでいた幸せだったようです。
もし今、婚活をしているけどうまくいっていないのであれば、
あなたが出会いたいパートナーの条件が漠然としていて出会えていないのか?それとも、
条件がハッキリしているのに出会えていないのか?自分はどちらなのかをチェックしてみてください。
そして自分の心に先ほどの問いかけを繰り返し質問してみてください。
「心から望む幸せって何?」
「何で人生を満たしたい?」
「叶えたい夢は?」
「理想のパートナーをどんな気持ちにしてあげたい?」
こうした問いかけが、あなたの心の奥にある願いを掘り起こしてくれますからね。心と頭が一致したその時、目の前にいる人があなたの理想のパートナーかもししれません。
それでは皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。
心理カウンセラー
近藤あきとし
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