心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。
最初にお知らせです。
おかげさまで私はカウンセリングサービス2024年度の面談カウンセリング件数で第4位をいただきました(※東京地区では第1位の実績でした)。
ゴールデンウイークの特別イベントでオンライン講座を開催することになりました。皆さま5/3は近藤の講師ぶりを覗きにきていただけると嬉しいです。
※見逃し配信がありますので当日参加できない方もお楽しみいただけます
講座テーマ「努力を結果につなげる!コツコツ型カウンセラーが売れ続ける『成功の極意』とは?」

では本日のブログです。
去年の秋あたりから婚活のご相談が増えてきたように感じます。
出会った男性と順調に関係が深まり交際から結婚へ進んでいく人もいましたが、思い通りに進展できずに悩んでいる人も少なくありませんでした。たとえば、
・それなりに条件に合う男性と出会っているのに「ここが惜しい!」という部分が気になって決めきれない人、
・「なかなか良い人と出会えなくて・・・」と言いながら、お見合いのスケジュールで週末が埋まっている人
・「けっこう頑張ったのに、疲れただけでした。少し婚活をお休みしてみようかな?」と、やや諦めムードになっている人もいました。
ただ、諦めることがダメなわけではないんですけどね。欲しくてたまらなかったものへのこだわりを手放すことで、ポンと手元に入ってくる場合もありますから。
たとえば2年ほど結婚相談所で婚活したものの、誰と出会っても将来の結婚生活を想像できなかったというクライアントさんが面談カウンセリングに来られたことがありました。
彼女は10年前に離婚をしていたのですが、若干モラハラ気質だった元夫に対して
「私がもっと愛していたら、あの人はもっと優しくなれたんじゃないか?」
「私があの人の手を放してしまったんじゃないか?もっと頑張っていたら助けられたんじゃないか?」
そんな自己否定を抱えていました。
自分を責める気持ちが心のどこかに常にあった分だけ「こんな自分が幸せになっていいはずがない」という思いが、彼女の次のパートナーシップを無意識のうちに邪魔をしてしまっていたんです。
こうした過去の罪悪感や自己嫌悪というのはすべて間違い(思い込み)なんですけれど、無意識的であるだけに自分で気づくことはなかなか難しいんですね。
カウンセリングでは彼女の罪悪感と自己嫌悪などの自分を責めてしまう感情を、一つひとつ丁寧に癒していきました。
何回かのセラピーを経て、彼女が本来の自分を取り戻したころに気づいたのが、
「私は結婚することが目的じゃなくて、ちゃんと好きになった人と一緒に生きていきたかったんだ」
という思いでした。そこで彼女はとりあえず相談所は休会して、しばらく婚活で忙しくしていた自分を休めることを選んだのでした。
ところがそんな矢先に、気楽にデートすることからやり直そうと思って始めたアプリで、最初に出会った男性との相性がとても良いと感じたんですね。そこからトントン拍子に関係が深まり半年足らずで結婚が決まりました。
結婚へのこだわりを手放したら、思いもかけないところから欲しいものが運ばれてきたことに彼女自身が驚いてしまいましたが、じつはカウンセリングをしているとこういう出来事は珍しくはないんです。
*
冒頭から話が脱線してしまいました。今日のテーマはもっと別のことでした。
話を戻しましょう。
婚活がうまくいっていない人には、共通点があるように感じたのです。
ほとんどの人が結婚相手を選ぶにあたって色々と条件を持っていますが、どうやら婚活がうまくいっていない人たちの共通するポイントをまとめるとこの2つに集約されるようです。
・本当は必要でない結婚相手への条件をたくさん持っている
・本当は必要でない未来への安心を確保しようとしている(相手の職業や収入にこだわりすぎてしまうなど)
私たちは本当はそれほど必要でないもののために、時間やエネルギーを注いでしまうことはよくあります。
なぜかと言うと、ほとんどの人は一度手に入れるとその瞬間に喪失感を感じてしまい失う恐れに囚われてしまうというのが1つ目。
2つ目の理由が、周りの人が持っていて、自分が持っていないと不十分さ不足感でしんどくなるからです。
喪失感と不足感は、私たちが最も感じたくない感情の一つだと言えるでしょう。
*
たとえば、私たちは子供時代に両親がいつも傍にいられない代わりに「おもちゃ」という代替物を与えられます。
(おもちゃを与えられるすべての理由が代替物ではありませんが、話を分かりやすくするためにこのまま例え話をすすめます。)
最初は、おもちゃがあることで親が傍にいない喪失感、寂しさを埋めることができます。
次第に、親が傍にいてもおもちゃに熱中して、だんだん「おもちゃを失うこと」が怖くなってくる場合があります。
または、自分が持っていないおもちゃを友達が持っていると、急に不安になったり、今のおもちゃに不満感を感じて、友達のおもちゃ(またはもっと良いおもちゃ)が欲しくなってきます。
この時、本当に欲しいかどうかは分かっていないんですよね。でも、分からないんだけど、周りと比べて不足感、欠乏感を感じるんです。
そして、そんな自分に欲求不満と劣等感を感じるようになっていきます。
そんな時、おもちゃを買ってもらうためにおねだりしたり、いい子になってみたり、勉強やお手伝いを頑張ってきた経験がある人はけっこういるんじゃないでしょうか?(・・・私は何度もあります)
そう考えると、私たちは本当に欲しいかどうか分からない物を手に入れるために、必要でない努力をたくさん重ねてきたのかもしれませんね。
もちろん、そのおかげで身についた良い習慣や知識、努力を結果につなげる経験ができたとは思いますが、
もし、今も同じような行動パターンを続けていたとしたら、本当に欲しいものが分からないまま努力だけを続けていることになるかもしれません。
*
誰しも、「自分が今までやってきたことが正しかった」と思いたい気持ちがあります。
それだけに自分の生き方を振り返って、見直すというのは不安もありますし、抵抗感が出てくることもよくあります。
でも、何かがうまくいっていない時には「本当に欲しい幸せが手に入るやり方が他にあるのでは?」「もっと自分らしい生き方があるんじゃないか?」そう考えて人生を見直してみるのは、とても大事な視点です。
今までのやり方を手放すとき、今まで手に入っているもの(メリット)も手放すことになります。が、同時に新しいものが入ってくるスペースを心に作ることができる、ということでもあります。
幸せに進んでいく人たちは、人生のある地点で「自分にとって必要なもの」と「本当は必要でないもの」に気づいていきます。
すると、今まで「必要だ。失いたくない。」と思い込んでいたものへの喪失感や不足感から自由になれるんです。
数年前にカウンセリングをしたクライアントは、「特に人生に不満はありません。仕事は順調。収入も十分。家族仲も良いし、交友関係も広いです。」という女性でした。
じゃあ何でカウンセリングに来たの?と思いますよね。詳しく話を聞いていくと、彼女はお酒が好きで毎晩お気に入りのバーへ繰り出すとのこと。何軒かをローテーションしながら365日毎晩バーで飲むという生活を何年も続けていました。
そんな生き方に「これって何か変だ」と感じて、カウンセリングを受けようと思ったそうです。
ふと周りを見渡すと友達はほとんどが結婚していて、気づいたら独身生活が長くなり、昔のような何でも話せる仲間はいなくなっていました。
彼女は本当は寂しくて、それを紛らわすために飲み歩いていたのでした。
そのことに彼女もうっすら気づいていたようでしたが、でも、どこかで自分のやってきたことを正しいと思いたい分だけ、自分を振り返って本当の気持ちを見つめることに不安を感じてもいました。
彼女には、ずっと抱えてきた「寂しさ」を受け入れるためのサポートしていきました。
見ないようにしてきた寂しい気持ちを受け入れ、そして本当に必要なものが何か気づいた彼女は、本気でパートナーを探すために婚活を始めました。
彼女にとっては、お酒とバーが「おもちゃ」になっていたんです。
「私には代替物は必要ない」と気づいて、本当に欲しい幸せのための生き方を選んだのでした。
この春に新しい自分で、新しいスタートを切りたいと願っている人は、こんな問いかけをしてみてください
「今、私は何を手放したらいいんだろう?」
「そして、これを手放して、私が本当に受けとりたいものは何だろう?」
喪失感と不足感から自由になったあなたが、本当の笑顔でいられるのは何を受けとった時なんでしょうね?
それでは皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。
心理カウンセラー
近藤あきとし
参考記事です↓こちらもどうぞ
