いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
心理カウンセラーの近藤あきとしです。
前回の記事の最後に、「手放し」のエクササイズをご紹介しました。
ただ、「手放し」や「許し」など、癒しというモノは心理的な変化ですので、ただ単にそのエクササイズや課題を
やっただけでは、「心理的に手放した」ことにはならない場合もあるんです。
恋愛関係のご相談では、過去の恋人への執着を「手放す」ことがテーマとなることも少なくありませんので、今回は恋愛の別れを例に挙げながらお話していきたいと思います。
例えば、みなさんに過去に別れた恋人がいたとします。
その恋人と一緒に撮った写真や、貰ったプレゼント、手紙やメールなどがあったら、別れたらすぐに捨ててしまうという人もいれば、捨てずにずっと手元に置いておくという人もいるでしょう。
捨てられないという人の場合、その物を捨てることよりも「捨てる」ことで「その恋人との過去を手放してしまう」「もう終わったことを受け入れてしまう」のが怖いので捨てることが辛くなってしまうのです。
単なる写真・手紙・プレゼントなどではなく、2人が愛しあった証であったり、心を通い合わせた絆の象徴であると感じているからです。
だから、それを捨てるとなると、心の中ではその愛を捨てること、愛した自分を捨てること、恋人を捨てることなどに通じていくことがあります。
そして、感覚的にそれはできないと感じるんですね。
すぐに捨ててしまうという人でも、『それを見てしまうと、彼(彼女)を思い出して悲しくなるので、捨てている』のだとすると、それは一見手放しているようでも、
実は「単に思い切り突き飛ばして相手への気持ちを遠くへ追いやっただけ」になっていることも少なくはないのです。
心の中で過去の恋人を遠くへ突き飛ばしているとしたら、新しい恋人が出来ても過去のパートナーと同じ距離感を感じると、同じトラブルが起きて同じ悩みを抱えて、そうするうちにまた同じように突き飛ばしたくなる。なんてこともあるものです。
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大切なのは捨てるか捨てないかということではなく、その行為にみなさんの想い、感情を込めて出来るかどうか、ということなんですね。
恋人のことを好きだった気持ちや、2人で過ごした時間や、積み重ねたことを思い出しながら、想いを込めて「手放す」行為をしてみると、心にチクリと痛みを感じたり、言いようのない抵抗感を感じることがあります。
それは、まだ「手の中に置いておきたい」という気持ちがあるからです。相手への期待がまだあるから、愛情がまだあるからなんです。
心のどこかで「手放したくない」と感じているんですね。
恋人を好きな気持ちでいるまま別れることは、心が引き裂かれるような痛みと悲しさを感じますよね。
辛い気持ちに心が耐えられないと感じてしまいます。
恋人をまだ好きでいる自分、まだ期待をしている自分を認めたくはないと思ってしまうのです。
だから、私たちは別れるときに相手を嫌いになろうと努力してしまうんです。その方が楽ですから。
でもそこから分かるのは、嫌いだと感じている分だけ、私たちは相手のことが好きだということです。
そして、その気持ちを認めたくない分だけ、相手へしがみ付きたくなりますし(執着ということですね)、恨みや文句を抱えてしまいます。
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では、どうして愛している人に文句を言いたくなるのでしょう?
それは、私たちの中に「あれだけ頑張って愛して、こんなに色々してあげたのに想いが伝わらなかった」という犠牲が隠れているからなんですね。
恨みつらみを抱えているとき、怒りや文句をぶつけたくなるときその下には愛情が必ず存在しています。
「頑張ったけど上手くいかなかった」
「相手に分かってもらえなかった」
という失敗感と心の痛みを感じている分だけ、そしてその感情と向き合うことが怖いと感じている分だけ、私たちは相手に対して攻撃をしかけたくなってしまうんですね。
でも大事なことは、相手を攻撃することでも、自分を責めることでもありません。
自分の失敗感と向き合い、心の痛みを受け入れ、癒してあげることです。
「出来る限りのことを私はしていた」
「あの時は、あれが私の精一杯だった」
あの時の自分を認めてあげよう、受け入れてみようと思ってみてもらえますか?
そして、悲しさや苦しさや孤独を感じている自分を優しく抱きしめてみようと思ってみてくださいね。
私たちは自分を受け止めてあげた分だけ、過去の関係を手放すことが出来ます(このことは恋愛だけでなく、親子関係、職場での人間関係などでも同じことが言えます)。
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すると、別れた恋人に対しても、未来の幸せを祈ってあげられる気持ちを持てるようになれたり、出会えたことに感謝の気持ちを持てるように感じ方が変化しやすいのです。
私たちの中の愛を通して相手を思うことが出来るようになるんですね。
「過去の相手を今の幸せを阻む障害にしない」ということが私たちが過去を手放せているかどうかの、1つの基準になると言えるでしょう。
なぜなら、手放せた分だけ、私たちは目の前にあるチャンスや新たな愛に気づけるからです。
私たちは今を生きているはずなのに、過去の痛みを感じるモノには過去を振り返りながら生きてしまいます。
当然そこには、何の変化もありません。心が躍るような新しい発見も胸を高鳴らせるような驚きも感じられません。
毎日がつまらないと感じるのは、過去に生きているからです。
でも、過去の痛みや執着を手放すことができたら、それまでのつまらない世界は、一瞬で鮮やかに色を変えてしまいます。
つまづいた人間関係も、諦めた夢や希望も、明るい光に輝いて見えてきます。
つまり「手放す」ということは、私たちが自分自身に全く新しい世界をギフトとして贈ってあげることなんですね。
今回のお話は感覚的な内容でしたので、「言葉ではなんとなく解ったけど、実際にはどうしたらいいの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
その場合には面談カウンセリングで行う、心理セラピーを受けてみると実感していただけると思います。
心の奥底にある過去の痛みや執着というモノは、なかなか一人では手放すことができない場合が多いので、カウンセラーにガイド役になってもらいながらセラピーを活用して癒し、解決してみてくださいね。
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