Vol.4~「初期段階の心理と接し方のコツ part.1」

■Vol.4~「初期段階の心理と接し方のコツ part.1」

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

心理カウンセラーの近藤あきとしです。

私が最初にうつ病の兆候らしい変調を感じたのは、今から10年近く前のまだ会社員だった時代の、ある休日のことでした。

当時は仕事依存でハードワークにどっぷり浸かり、土日も関係なしに働いている状態でした。

たまの休日にすることと言えば、部屋でゴロゴロ寝ているか、インターネットをしているかで、気が向けばドライブに行ったり、本屋さんで立ち読みをして、帰りにラーメンを食べて…。

なんだか書いていて悲しくなってきますが、それが当時の私にとっては数少ない自分の時間の過ごし方だったんです。

その“ある休日”は、昼まで寝ていようと思っていたのですが、どうにも落ち着かず、じゃあドライブをしに千葉から伊豆まで行ってみようかと、車を出してみたもののどうしてか遠くへ行こうとすると、不安感で胸が苦しくなってしまったんですね。

それならと、近場の本屋で漫画を買って帰ろうかと立ち寄ってみたところ、立ち読みどころか、本を手に取ることも出来なくて、いったいどうしたのだろうと思ったのですが、

もうここに居られない、という焦りがどんどん心に湧いてきて、とにかく家に帰るしかなかったんです。

さすがに自分の状態が変だと思いつつも、まさかうつ病になりかけているとは想像もできなかったので、焦りと不安で胸がザワザワしているのを感じながらも、とりあえずその日は寝て安静にして過ごしました。

そして、その日から1週間後には会社に行けなくなっていたんです。

(その後のことは、私の「プロフィールシリーズ」に詳しく書いてありますので、ぜひリンク先を読んでみて下さいね)

この頃は、前年に会社の人事異動があり、入社以来の部署から別の支店へ移ってちょうど1年経っていたのですが、人間関係に不器用だった私は、なかなか新しい職場の同僚と親しくなれずにいたんですね。

仕事の帰りに飲みにいく相手もいなければ、休憩時間にくだらない話をするような同僚もいつまで経っても出来なかったので、誰かが周りに居ても、自分は一人だ…という寂しさを抱えながら、毎日を送っていました。

孤立というほど、誰とも関わっていない状況では無かったとは言え、徐々にこんな自分が、本当に情けないと感じるようになってしまい、自分を責める気持ちが日増しに強くなっていったのです。

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会社員だったころの私は、自分のことが大嫌いでした。

性格も、外見も、考え方も、態度も、とにかくあらゆる部分を嫌っていたんです。

そんな私を周りに知られたら、嫌っている部分を見られてしまうかもしれない。

そう思うと、他人から自分を見つけられないように、心の中では私という存在を一生懸命、隠そう隠そうとしていたのです。

私たちの心の中では、嫌いな部分や認められない部分があると、

それが表面に出てこないよう、上から抑えつけて隠してしまおうとするか、自分から切り離して無かったことにしてしまおう、とすることがあります。

自分の一部分、または全部を否定し、存在を隠してしまおう、無くしてしまおうとするのですね。

同僚と仲良くなろうにも、私の方が自分を隠そうとしていたのですから、安心や信頼を感じる関係が築けないのも当然だったかもしれません。

そんな時心の中では、本来なら人生を前に進めていく為のエネルギーを、自分で自分を否定し、周りから隠してしまおうとする方向に使ってしまうのです。

しかも、他人に見られたくないモノに対しては、皆さんも覚えがあると思いますが、バレたくない気持ちの分だけ、ちょっと過剰なくらい必死に隠してしまうものなんですね。

だから必要以上のエネルギーで、嫌っている自分を隠そうとするので、自己嫌悪をしているだけで、私たちの心は消耗していく一方になるのです。

その結果、生き生きとした感覚が無くなっていったり、自分を喜ばせる楽しみや嬉しいと感じるものから自然と遠ざかってしまうものなのです。

私は僅かに自分を解放する休日すら、楽しめなくなっていたのです。

(ちなみに前回のブログで書いた、私の病気や事故があったのは、この時から半年~1年くらい前のことです。)

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今思い返すと、もしこの時期に自分の辛い思いを誰かに打ち明けられていたら、倒れるまで自分を追い込むことは無かったかもしない、と思うこともあります。

自分に起こっていることが自覚出来ていなくても、誰かに受け入れてもらいながら話を聴いてもらうだけで、溜まった感情は解放されるものなんです。

そういう意味では、この段階でのカウンセリングも非常に有効だろうと、私は考えています。

もし誰かに気持ちを打ち明けられていたら、もしかしたら今とはかなり違った未来になっていたかもしれないですね。

(ただそうなると、カウンセラーになっていた可能性も少なかったでしょうからどちらが良かったかと考えると、少々悩ましい感じもします。)

うつ病の兆候は人によって違いますし、本人にも自覚がない場合も多いのでなかなかこの時点で皆さんが、大切な人がうつ病かもしれないと気づくことは難しいかもしれません。

ですが、それでも身近で見てきた皆さんだからこそ感じ取れる変化もあるように思うんです。

そこで、この時期の私に何かいつもと変わったことがなかったかを、家族に聞いてみたところ、

・口数が減ってほとんど会話がなかった

・うつむいていることが多かった

・やたらため息をついていた

と感じていたそうです。変だとは思っていたらしいのですが、うつ病になるとは思ってもいなかったと言っていました。私も聞いてみて今回初めて知りました。

当時はそんなことをしていた自覚は全くなかったですね。

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何かいつもと違う、どうしたのかな?と感じることがあったら、いつもより少しだけ大切な人のことを気にかけてあげてみて下さい。

何か特別なことをしなければいけない訳ではありません。大事なことは【過剰に反応しない】ことと、【いつでも見ているよ】という気持ちを送ってあげることです。

大切な人だからこそ、どうしても助けてあげたい、という気持ちがでてきますからあれこれと、してあげたくなるのですが、本人は自己嫌悪ゆえに、愛する人からの援助の手であっても受け取れないことも多くあります。

だから、本人が本当にしんどくなって、いざという時に手を差し伸べられるようにしておいて欲しいのです。

皆さんの大切な人が、本当に助けを求めたい時に、受けとめてあげられる気持ちの余裕を持っていられるように、心がけてみて下さいね。

(続く…)

<余談です>

変化を自覚出来ていなかったと書きましたが、一つだけ自覚できたものがありました。

それは「やたら部屋の掃除をしていた」ことです。

大幅な模様替えをして、新しい家具・ソファーを買って、大量の本とCDを生理整頓して、まめに掃除をして神経質なくらい部屋を綺麗にしていました。

心の状態が、部屋の状態に反映されるという話は、よく聞くと思いますが、私の場合も、抑え込んだ感情でぐちゃぐちゃの心の中を、部屋を綺麗に掃除することで整理したかったのかもしれません。

原稿を書いているうちに思い出したので紹介してみました。

何かの参考になればと思います^^

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