9月21日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。
●彼から『友達に戻りたい』と言われてしまったら~その原因と解決のための心の見つめ方~
前回のブログでは↓
無価値感を心に抱えている人が陥りやすい恋愛の罠の1つ、【頑張り過ぎて失敗してしまう】という失敗のパターンを解説しました。
今回はもう一つの失敗しやすいパターンである
【彼から『友達に戻りたい』と言われてしまう】
についてお話しします。
前回まででお話しした通り、私たちは過去に愛してほしかった人たち(両親や過去のパートナー)から、貰えなかった(と感じている)愛情を、無意識のうちに目の前のパートナーから取り戻そうとしてしまうことがあります。
「欲しかった愛情が貰えなかった」
子ども時代から、こうした思いをが繰り返し感じると「私はもう誰にも愛されないんじゃないかな?」という気持ちになって、心のどこかで諦めてしまったり、両親や過去のパートナーへの怒りや恨みを抱えたまま成長することがあります。
ただ、こうした感情はあまりにも辛すぎてまともに感じたくはありませんから。その多くは意識の奥深くに抑圧されていき自覚できなくなっていきます。
潜在意識や無意識と呼ばれる心の領域にしまい込まれてしまうため、ふだんの生活ではまず意識することはないでしょう。
ところが、誰かと恋愛関係になったり、結婚生活が始まってしばらくすると、遥か昔に諦めたり、傷ついたり、怒りや恨みのルーツになった、過去に感じた「もっと愛されたかった」という欲求が、徐々に心の表面に浮かび上がってくるんです。
すると、目の前のパートナーに無意識のうちに、両親や過去のパートナー(「この人から愛されたかった」と感じている相手)の姿を重ねてしまい、「あなたはあの人たちと違って、私が欲しい愛をちゃんとくれるよね・・・」と、求めすぎてしまうのです。
*
たとえば、恋愛が始まったばかりの、いわゆるロマンスの時代であれば、ほとんどの場合パートナーはあなたの要求に応えるために頑張ってくれるでしょう。
しかし、あなたの心の奥に「愛して貰えなかった・・・」という悲しみや寂しさが抑圧された状態でしまい込まれていると、感謝や満たされた気持ちよりも、不満感や文句をパートナーにぶつけてしまう。なんてことも起こりえるのです。
たとえば、あなたがパートナー(彼)に対して、こんな文句を言ったとしましょう。
「頑張ってくれたのは分かるけど、そうじゃないのよ!」
「どうして◎◎してくれないの!」
そうなると彼は、
「彼女のために、あれこれ手を尽くして与えたのに。これでも満足してくれないの?」
「もしかしたら自分の愛では不足なんだろうか?」
と感じるようになって、自信を無くしてしまうかもしれません。そんな自信の無さや無力感を感じたくないパートナーは
「もう君のわがままな要求にはつきあってられないよ!」
と、怒ってケンカになってしまうか、または
「僕では君を満足させてあげられないってことだね・・・」
と、すっかり諦めて距離をとろうとするかもしれません。
どちらにせよ、これ以上、無力感を感じたくないからこその行動です。
そして多くの男性がこの感情に耐えられなくなったタイミングで打ち明けてくるのが・・・
「友達に戻りたいんだ」
「君にはもっと相応しい人がいるはずだよ」
という思いなんですね。
*
この時、いったい二人の間でどんな心理が働いていたのか?ここから解説していきましょう。
「私は愛されてこなかった」という無価値感をたくさん抱えて生きてきた人は(今回のケースでは彼女側)、自分のつらかった気持ちを「大好きな人(パートナー)には分かってもらいたい」という願いを心のどこかに持っているようなんです。
すると、パートナーができたと同時に「私はこんな思いをしてきたの!」という感覚を伝えたい思いが心に浮上してくるんですね。
「私はこんなにつらかったの!だからあなたには分かって欲しいの!」
これを伝えたいがために、パートナーに対して無価値感を感じさせるような言動をとってしまうのです。
こんなイメージをしてみてください。
もしあなたが今まで周りから貰ってきた愛情の総量を計ることができたとします。そしてメーターにプラスマイナスの目盛りがついているとしましょう。
仮に「私はいっぱい愛を貰ってきた」と感じている人がいたら、その人の愛情メーターはプラス側の目盛りを指しているでしょう。
逆に「私は愛されてこなかった」と感じている人がいたら、マイナス側を指しているはずですよね。
過去に愛を貰えなかったと感じている分だけ、「マイナス分をなんとしても取り戻したい!できればプラス側に持っていきたい!」と思ったとしても無理はないというのは想像できそうですよね。
そう考えると、冒頭に書いたように両親や過去のパートナーなどのあなたが「愛を貰いたかった相手」の姿を、目の前のパートナーに重ねてしまうという心の動きは無理もないことかもしれません。
こうした心の動きを投影と言いますが、自分がパートナーに投影していることに気づくのは、そうとう難しいはずです。
「愛されなかった」痛みが大きいほど、「パートナーに愛してもらえたら、きっとこの痛みが癒されるはず」と誰もが感じるでしょうし、そうすることで心のバランスが取れると思ってしまうでしょうから。
*
とは言え、パートナー側にしてみれば、まるで身に覚えのない借金の返済を迫られているような気がしてしまうでしょう。
頑張って要求に応えて、愛を与えても、あなたに感謝されなかったり、与えたものをつっぱねられたら、彼の落胆や疲れの方が上回ってしまいます。
ただ、彼もあなたに怒りたいわけでもケンカがしたいわけでもなかったはずなんですよね。もっと良い関係になりたかったはずなんです。
友達に戻りたいのも本当の願いではなくて、これ以上関係が悪くなってあなたを傷つけたくなかったのだとしたら、「友達に戻ろう」という言葉は彼なりの最良の選択であったのかもしれません。
そして、あなたにとっても、彼を後ろ足で砂をかけて逃げていく男にしたいわけではなかったですよね。もっと仲良くなりたかったし、愛し愛される関係になりたかったはず。
なのに彼に不満をぶつけてしまう、文句を言ってしまうのが止められないのだとしたら、そこに未完了の心のテーマが隠れているはずです。
どういうことかと言うと、無価値感を抱えていると、愛されたかったポイントにストライクで与えられた愛しか受けとりたくないんです。
「私はここに愛が欲しかったから、ここを満たしてくれないと愛とは思えません」
「それ以外は全部、受けとりません」
つい、そんな態度をとってしまうものなんです。
パートナーシップという関係は、お互いの心の中の「未完了の感情」というテーマが、相手との関りを通して浮上してくる性格を持っているものです。
これは私たちの多くが経験するものですから、パートナーに過去の両親の姿を投影して、昔もらえなかった愛を取り戻したくなるのは多かれ少なかれ誰もがやっています。
ただ、やり過ぎてしまったり、過去の怒りや恨みを抱えたまま相手と関わってしまうと、パートナーとの関係が親子関係の再現になってしまい、当時の無価値感が蘇ってきて苦しくなっているんです。
そして先ほどのように、今度は自分の苦しさを分かってほしくて無価値感をパートナーに感じさせてしまい、結果相手が離れていくことになってしまうんですね。
カウンセリングをしていると、倦怠期やセックスレス、仮面夫婦などのお悩みの根底にも、こうした無価値感が原因になっているケースは少なくないんです。
もしこのテーマを癒して、恋愛の失敗パターンを解消していきたいと思われたら、過去の両親との関係を見直してみるとこから始めてみてください。おそらく今のパートナーとの間で感じているのと同じ感情があるはずです。
ある程度、自分の無価値感がどこから生じていたのかが分かってきたら、今度は彼にいったいどんな嫌悪感を感じさせていたんだろう?という部分も見直せると良いですね。
実際のところ、このあたりを本格的に癒していくには、カウンセリングでもそれなりの回数を必要とします。
ブログですべてを解決するのは難しいので、今日は最後にポイントを絞ってお伝えさせていただきますね。
1、親子関係を見直す
2、両親があなたを上手に愛せなかった事情を理解する
3、貰えなかった愛情を与えられる自分になる
3が分かりにくいかもしれませんが、カウンセリングの世界にはこんな言葉があります。
「あなたが貰えなかったものは、あなたが与えにきたもの」
あなたが「愛してほしかった相手から貰えなかった」経験は、あなたの心には本当に耐えがたい痛みだったかもしれません。
でも、その痛みの度合いだけ、あなたの欲しかったものが私たち人間にとってどれだけ大切なものであるかを、あなたは良く分かっているからこその痛みだったとも言えるでしょう。
だからこそ、そんなあなたが愛を与える側に回った時には、一番上手に与えることが出来る人になれるはずなんです。そして、あなたのすべての痛みが癒されるのはその瞬間なんです。
なかなか文章だけで理解できるものではないかもしれませんが、心のどこかに覚えておいていただけると、本当に無価値感を癒したいと思ったときに、きっとあなたの進むべき方向性を教えてくれるはずですからね。
参考記事です↓こちらもどうぞ
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。
それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。