いつもありがとうございます。
心理カウンセラーの近藤あきとしです。
12月5日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。
- 超自立タイプの彼とおつき合いしていると、簡単には助けさせてもらえないことで「無価値感」を強く感じることがとても多いんですね。
- そんな時、ほとんどの人は自分に自信が持てなくなってしまいます。人に嫌われないように自分を隠したり、人に合わせてしまうことが当たり前になっていきます。
- でも「こんな私で申し訳ない」という気持ちを感じたくないので、今度はその埋め合わせとして「自分には何のメリットもない、時には自分を傷つける行動」をとってしまうのです。
- 自分を立て直すために大切なのは、その時その時の「今私がしたいこと、本当に欲しいモノ、大切にしたいことって何?」という、自分との対話を心がけることです。
2015/12/5掲載
●超自立の彼が「距離をとろう」と言いだしたり、音信不通になるのはどうしてか?(その5)
前回は「癒着」という関係についてお伝えしました。
今日はどうしてパートナーとの間にそのような関係が生じるのかについてお話していきたいと思います。
前回の冒頭でこんなことを書きました。
「彼のように超自立的に生きるというのは、もう傷つかないように誰も当てにないで生きるということです。
その彼を好きになる、放っておけないというのは「傷ついた人を助けたい」という想いが強いのかもしれないんですね。」
もし目の前に「傷ついている人」がいたら、助けたい気持ちになるのは人として自然な思いです。
ただ、自分の意志で助けたいと思っている場合もあれば、自分では気がついていない無意識的な部分で助けたいと思っている場合もあります。
ご存知の方も多いかもしれませんが、私たちの心は自覚できる意識が3~4%で、無意識が96~97%だと言われています(諸説あって数字にはバラつきがあります)。
つまり、自覚はないけれど無意識的に「傷ついたパートナー」を選んでいるのかもしれないのです。
彼と出会った当初から、あからさまに傷ついていることが分かっていたのならともかく、たいていは「そんな部分があるとは知らずにつき合っていた」という人がほとんどでしょう。
それくらい私たちは、潜在的に「放っておけない、助けてあげたい」という思いを抱えていると、的確にそういった相手を見抜いてパートナーに選んでいるようなのです。
◇ ◇ ◇
そんな「助けたい思いが強い女性」が「傷ついた超自立タイプの男性」と出逢うと、彼のために何でもしてあげたくなってしまうんです。
あれこれ世話を焼いたり、一生懸命話を聞いてあげたり、本当に献身的に尽くしますし、
友だちや仕事や趣味などを犠牲にしてでも、彼のために時間とエネルギーを注いでサポートするのですが・・・
彼の趣味や都合に合わせているうちに、いつの間にか自分を押し殺していたり、彼の機嫌に合わせてひたすら受け身になってしまうことも少なくないようです。
そんな女性とカウンセリングでお会いした時には、心も体力もすり減らして本当に疲れ切っている状態で来られるたくさんいます。
なにせ彼は超自立なので、そう簡単には手を差し伸べさせてくれません。
彼女側も普段は自立的に生きているかたも多いのですが。彼の傷ついている度合が強い分、自立度合も彼のほうが強くなり、どうしても振り回される依存側になってしまいます。
彼からメールの返信が来なくても、会ってもずっと無口でも、キレられても、跳ね除けられても、拒絶されても「彼を好きだから何とかしてあげたい」という思いは強くなるんですよね。
その時、彼女の心の中は「助けたかったのに、私には助けられなかった」という、無力感で埋め尽くされてしまいます。
この感情は酷い自己攻撃を生むので、彼女は自分で自分を痛めつけていることにもなってしまいます。
「私はなんて役立たずなんだろう」
「だから私には愛される価値なんてないんだわ」
こういった無価値感と呼ばれる感情もたくさん感じてしまうことになるんです。
◇ ◇ ◇
彼と上手くいかなくなってお別れをした後、少し落ち着いて新しい恋をしようとしたら、次に出会った彼もまた同じタイプだった・・・なんてことも経験してきたかもしれませんね。
それはどうしてかというと、この無価値感を強く感じていると自分に自信が持てなくなってしまうんです。
人に嫌われないように自分を隠したり、人に合わせてしまうことが当たり前になってしまいます。
要は「こんな私で申し訳ない」という気持ちである、無価値感を感じたくないので、
その埋め合わせとして「自分には何のメリットもない、時には自分を傷つける行動」をとってしまうのです(補償行為といいます)。
彼以外の人間関係でも、つい補償行為をしがちな人もいるかもしれませんね。
ただパートナーに対してとなると、余計にこの行動は強く出てしまうことが多いんです。
すると彼の気持ちを確認することはとても怖くなってしまうので、つい自分で勝手に彼の感情を読んでしまうんです。
「きっと彼はいつか私を嫌いになって、どこかへ行ってしまうんだわ」
と思いこんだり、逆に、
「彼は私がいないとダメなの」
と決めつけてしまうことも良くあります。傷つくことが怖すぎて、自分の中で結論を出してしまうんですね。
◇ ◇ ◇
また、自分の気持ちに対しても、隠してしまったり、決めつけをしてしまうこともあります。
不安なことがあっても、彼に怒られたくなくてストレートに伝えられずにイライラしたり、
彼の嫌なトコロが見えても、無理やり目をつぶって無かったことにしてしまったり。
いつの間にか感情を素直に表に出せなくなってしまうことが少なくないんですね。
すると、彼女の気持ちが彼にほとんど伝わらなくなります。
彼から見ると彼女がどんな気持ちで何を考えているのか、ほとんど分からなくなってしまいます。
そうなると、今度は彼が彼女の気持ちを都合よく勝手に解釈するしかなくなるんですね。
本当は寂しくてつらいのに、嫌われたくなくて平気な振りをしてしまうと、彼から「君は一人でも大丈夫」と言われたり、彼を大好きな気持ちがバレたら恥ずかしいから、強がって何とも思ってないような態度をとってしまうと、「割り切ったつきあいで良いよな」とセフレ扱いされてしまうこともありえます。
そこまでいかなくても、ついつい体やお金を差し出してしまうことがあるのは、
「私にできるのはこれくらいしかないから」
という無価値感のなせるワザと言えるでしょう。
もし、いわゆる「都合のいいオンナ」のような存在になってるかも?と思ったら、ちょっと立ち止まってあなたの心を見つめ直してみたほうがいいかもしれません。
◇ ◇ ◇
さて、こういった状態から、抜け出すためにはなにより自分の本当の気持ち、心の声を聴くことが大切です。
といっても今あなたが思っていることが真実とは言い切れません。なぜなら、私たちの感情はひと時も止まることなく変化しているからです。
その時その時の「今私がしたいこと、本当に欲しいモノ、大切にしたいことって何?」という、自分との対話を心がけることから始めてみましょう。
「私の大切な部分・譲れないモノ」が具体的に表現できるようになった分だけ、少しずつ「私らしさ」に馴染んでいけるはずです。
「自分を大切にする」感覚が当たり前になれば、しなやかで、強くて、本当の思いやりを持てる「私自身」へ成長できたということ。
その状態であらためて彼を思いやる時、犠牲も補償行為でもない、心からの信頼と対等さで、彼との関係性を築くことができますよ。
今日は本来なら「癒着と親子関係」の話をしたかったのですが、そこまで辿りつけませんでした^^;
前段の心理状態は分かっていただけたかと思いますので、今日の内容を踏まえて次回を楽しみにお待ちください。
次回は本当にこの話をしますね。
2015/12/20「超自立の彼が「距離をとろう」と言いだしたり、音信不通になるのはどうしてか?(6)」
それでは、今日がみなさんにとって素晴らしい日でありますように!
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
心理カウンセラー
近藤あきと