自分のやり方を崩さない男(4)~マイペースなのは私の方だった?~

心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。

9月23日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。

●自分のやり方を崩さない男(4)~マイペースなのは私の方だった?~

※このシリーズは男女逆にしても当てはまる内容になっていますので、みなさんの状況に合わせて読んでみてください。

ここ3回にわたって、自分のやり方を譲らない、なにかと相手をコントロールしようとする「マイペースくん」について解説してきました↓

今回は「マイペースくん」の心理ではなく、パートナーである彼女側の言動やふるまいが、彼のコントロールやマウント的言動や、頑なな態度を引き出してしまうケースについてお話ししたいと思います。

カウンセリングの現場では、彼氏や夫がマイペースくんで困っている、という女性クライアントのお悩みを伺うことがよくあります。

よくよくお話を聞いてみると、じつは男性側でなく「クライアントさんの方がすごくマイペースな人だった」ことが分かってくるケースもあるんです。

そう言った場合、彼女が自分がかなりのマイペースであることに無自覚な分だけ、男性側が自分のペースが尊重されてないと感じたり、いつも彼女のペースで物事を進められてしまうように感じてしまいやすいんですね。

一緒に進んでいきたいのに二人の歩くペースが違い過ぎて「彼女に引きずられている」または、「自分の思うように動けない」ように感じてしまうんです。

彼からすると、「自分の思いが大事にされてない」とか「彼女の言いなりになっている」ような気がしてしまうんですよね。

最初は彼女のやり方に譲ることが出来ていても、彼の中にも当然「オレのやり方も受け入れてよ!」という気持ちがありますから、そこに抑えが利かなくなったり、あまりに自分が尊重されないことに耐えられなくなった時に、

彼女のマイペースに対抗する形で、彼が自分のペースややり方を強硬に主張したり、彼女をコントロール(時にはマウントしたり)して支配しようとしてしまう場合もあるのです。

彼女からすると彼の意図が分かりませんし、自分のマイペースにも自覚が無いので、余計にどうしてこうなってしまったのかを理解するのが難しくなります。

それでさらにお互いのペースがズレてしまい、関係の修復ができずに不仲になってしまいやすいんです。

こうしたケースでは無理やり相手に合わせる必要なありませんが、お互いの違いを理解し受け入れあえるようコミュニケーションをとることは必要になりますね。

以前こんなご相談を伺ったことがありました(掲載の了承を得ています)。

女性クライアントのAさんはとても頑張り屋さんの努力家。社内の同期中で最も出世が早く、最初に管理職に昇格するほど優秀な人でした。

そんなAさんが恋愛になると毎回、半年から1年くらいで彼氏からフラれてしまうというのです。

彼氏たちはいずれも物静かで温厚なタイプの男性だったのにも関わらず、いつからか彼女を否定してきたり、コントロールするような言動が増えてケンカが耐えなくなったり、

そして最後には怒りながら「もう一緒にいられない」と別れを告げてくることがパターンになっていました。

今おつきあいしている彼氏とも、最近雲行きが怪しくなってきたのでカウンセリングで解決したいとのことでした。

Aさんの背景をくわしく聞いてみると、彼女は4人兄弟の末っ子で、両親からも上の兄弟たちからもとても可愛がられていたそう。

おかげで可愛がられることには慣れていたのですが、「みんなの出来ていることが私には出来ない」ということが彼女のコンプレックスになっていたのです。

なにしろ家族の中で一番最後に生まれているので、一番出来ることが少ないのは当たり前といえば当たり前。むしろ出来ないことが可愛らしかったり、そんな彼女をお世話できることが家族の喜びになっていたはず。

ですが彼女にとっては、自分は周りよりも劣っているとしか受け取れなかったようなのです。「私は何もできないダメな子。役立たず。」そんな言葉で自分を責めてきたのでした。

Aさんにとって周りよりもできない劣等感は、一番感じたくない感情になりました。そして劣等感を感じない為に、誰よりも努力し、人一倍がんばることで、常に周りの誰よりも出来る優秀な人になっていったのです。

その結果、どうやら恋人との関係でも、常に彼氏よりも出来る人でいようとしてしまっていたようです。

彼の意見やアイデアを聞いても「でもこうした方が良いわよ」「こっちの方がうまくいくから」と、ついつい彼よりも上に立とうとしていたことが伺えました。

もちろんAさんからすれば何の悪意もなくて、むしろ二人にとってよりベターな方法を言っていただけです。

ただ、彼女が劣等感を感じたくない分だけ、無意識的に「彼よりもうまくやりたい」「彼よりも出来る私でいたい」、そして「人より劣っているなんて二度と感じたくない」という気持ちが刺激されてしまい、彼よりも優位な立場を取ろうとしてしまっていたのです。

そしてAさんが常に彼よりも優位に立つということは、彼は常に劣っているとか負けたと感じるようになります。

彼もつきあい始めは気にしないでいられたはずですが徐々にしんどい気持ちが積み重なっていって、もう耐えられないというタイミングで怒りとともに別れを突きつけていた。ということのようでした。

※ちなみにこのプロセスで彼が感じていた感情こそ、Aさんが子供時代に感じてきた劣等感とまったく同じものです。Aさんが自分から切り離そうとした劣等感を、一番近くにいた彼が代わりに感じていたわけです。

私の見立てをAさんに話してみると、「やっぱり私がダメだからってことですか?」と言ってうなだれてしまいました。

続けてこう聞いてみました「Aさんにとって、弱さとか出来ないってどんな感じですか?」

すると彼女は「みじめで情けない、って感じです」と答えてくれました。

Aさんは、みじめで情けない私には価値が無い。ましてや愛されるはずがない。と思い込んできたようでした。

そこで私は彼女に【お願いキャンペーン】をしてみるよう提案しました。

彼女はこれまでの人生の困難はすべて自分の力で乗り越えてきましたが、今はあえて周りに頼る。お願いする。そして助けてもらうことで、自分の弱さを愛してもらう体験が必要だと感じたからです。

(まずは職場の男性の部下に簡単なことからお願いをしてみることから始めて、慣れてから彼に頼ってみるという順番にしました。)

さすがに最初はかなり嫌そうな表情をしていたAさんでしたが、もうこの状況は自力ではどうにできそうにないことを自覚してカウンセリングへ来ていましたので、最後には「やってみます」と言って、その日は帰っていきました。

そして次のカウンセリングの時にこんな報告をしてくれたのです。

「不思議ですよね。みんなお願いすると喜んで助けてくれるんです」

「それに誰も断らないんですよ」

「最近は部下たちの方から『今手伝えることありますか?』って聞いてくるようになりました」

彼女にしたら何が起きたの?という感じかもしれませんが、何も不思議ではないんですよね。

Aさんは同期の出世頭になるほどの優秀なのですから、そのAさんから頼られるというのは部下からしたらすごく嬉しいわけです。「宛にしてもらってる」と思いますからね。

Aさんが喜んでくれて感謝してくれたらさらに嬉しくなりますから、部下たちはもっと役に立ちたくなるし、もっと喜んでほしくなって「手伝えることありますか?」と聞きに行っているということですから。

そうして受けとることに慣れていったAさんは、彼に対してもお願いや頼ることができるようになり、しばらくの後に二人は結婚をしました。

私たちは苦手ジャンルや弱さをつい隠そうとしてしまいます。それは「こんな情けない自分を愛してくれる人なんていない」と感じているからです。

でもあなたのパートナーは、あなたですら受け入れられないコンプレックスや弱点を一番愛したいと思っている人のようですよ。

もし今回の記事と同じようなお悩みを抱えている人がいたら、今はパートナーにあなたの弱さを差し出して愛してもらうことが最も大事なポイントかもしれませんね。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。

それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。

近藤あきとしのカウンセリングを受ける

【東京対面】設定日

*こちらは東京カウンセリングルームでの【対面面談】の日程です
*すべての予約枠で【オンライン面談】もご利用いただけます


1/12(日)   16時、19時、
1/13(月祝)      19時、
1/19(日)      19時、
1/22(水)   16時、19時、
1/25(土)13時、16時、19時、
1/29(水)13時、16時、19時、

2/2(日)13時、16時、19時、
2/4(火)13時、16時、
2/5(水)13時、16時、19時、
2/9(日)13時、16時、19時、
2/16(日)13時、16時、19時、
2/19(水)13時、16時、19時、

2/22(土)13時、16時、19時、
2/23(日)13時、16時、19時、
2/26(水)13時、16時、19時、

【ZOOM】オンライン専用日

*こちらは【オンライン面談】のみご予約いただけます

1/11(土)   16時、19時、
1/18(土)13時、16時、19時、
1/26(日)13時、16時、19時、

2/1(土)13時、16時、19時、
2/8(土)13時、16時、19時、

2/15(土)13時、16時、19時、
2/24(月祝)13時、16時、19時、

  • URLをコピーしました!
目次