【婚活がうまくいかない】相手を断り続けてしまう人が見落としている「結婚が怖い心理」の本当の理由

こんにちは。心理カウンセラーの近藤あきとしです。

カウンセリングの現場に身を置いて20年ほどになりますが、私たちは時に、心から望んでいるはずの幸せのすぐ手前で、どうしても足が止まってしまうことがあります。

婚活をしているのに、いざお見合いとなると億劫になってしまう。相手の欠点がひとつ見つかっただけで、シャッターを下ろすように断ってしまう。結婚という段階が近づくと、急に迷いや躊躇が出てくる。

こうしたご相談を伺うとき、そこには単なる「相性」や「条件」の問題ではなく、もっと深い、「そのままの自分自身と向き合う」というテーマが隠れていることが多いのです。

今日は、結婚というステージを前にして、私たちの心の奥で何が起きているのか。そして、どうすればその恐れを越えていけるのかについて、ある女性の事例を交えながらお話ししたいと思います。

目次

結婚が怖いのは「本当の私」がバレるのが怖いから

恋愛の真っ只中にいるとき、あるいは婚活をはじめたばかりのころ、私たちは無意識に「良い自分」という仮面(ペルソナ)を被っています。

しかし、結婚という「生活」を共にするフェーズが見えてくると、その仮面が維持できなくなる恐怖が襲ってきます。

「本当にこんな私だとバレたら、きっと嫌われる」
「隠してきたコンプレックスを知られたら、見捨てられるに違いない」

そうした自己嫌悪が、結婚というイベントを前にして一気に噴き出してくるのですね。

たとえば、家族に対して複雑な思いを抱えている方にとって、ただの交際であれば、家族の話を避けて通ることもできるでしょう。しかし、結婚となればそうはいきません。両家の顔合わせ、親戚付き合い…。隠しておきたい自分の背景が明るみに出ることを想像するだけで、絶望的な気持ちになってしまうこともあります。

実は、マリッジブルーや、結婚前に急に挙動不審になってしまう心理の裏側には、「もう自分自身を隠したくない。本当の自分。そのままの私で愛されたい」という、切実なまでの潜在的な欲求が眠っているのです。

「完璧な母親」という呪縛を越えて

数年前に、私のカウンセリングに来られたある女性のケースをお話ししましょう。

彼女は結婚を望んで婚活をしているにもかかわらず、どこかブレーキがかかっている状態でした。

「結婚はしたいけれど、家事をしなければいけないのが嫌で仕方ないんです」

そう語る彼女の表情は暗く、さらに深くお話を伺っていくと、彼女が一番恐れていたのは「料理」でした。「とても他人に振る舞えるような料理は作れません…」と、下を向いたまま、消え入るような声で打ち明けてくれたのです。

背景にあったのは、彼女が「スーパーお母さん」と呼んでいた、完璧な母親の存在でした。家事も育児も一人でこなす母を見て育った彼女にとって、結婚の条件はいつの間にか「お母さんのように完璧であること」になっていたようです。

「完璧にできない私は、いつかパートナーから見捨てられてしまう」

その強い自己嫌悪が、彼女の幸せを阻む大きな壁となっていたのです。

カウンセリングでは、お母さんとの心理的な癒着を丁寧に紐解き、過去の思い込みを手放していくプロセスを進めました。そしてそれと同時に、私は彼女にある「宿題」を出しました。お見合いの席で、こう伝えてみてほしいと。

「私、料理は苦手なんです。でも、美味しいものを食べるのは大好きなんです!」

実は彼女、食べ歩きが趣味で、好きな食べ物の話をしているときは、それまでの暗い表情が嘘のように、本当に素敵な笑顔を見せてくれていたのです。

「できないこと」を隠して自分を責めるのではなく、先に自己開示して伝えてしまう。そして、その代わりに「大好きなこと」を全力で表現する。人は、好きなものに熱中している瞬間が一番魅力的に映るものですからね。

その結果、どうなったと思いますか?プロフィールを「美味しいものが大好き」という明るいエネルギーを前面に出したものに書き換えたところ、「美味しいものを食べさせてあげたい」という料理好きな男性たちから多くのアプローチが届くようになりました。

そして数ヶ月後、彼女はありのままの自分を受け入れてくれるパートナーと結ばれたのです。

パートナーシップがもたらす最大の「恩恵」とは

私たちは皆、どこか「今のままの自分では愛されない」という痛みを抱えています。そしてその痛みがある分だけ、パートナーに対して「この人だけは信頼していいのだろうか」という疑念と、「すべてを預けたい、委ねたい」という欲求の間で揺れ動きます。

しかし、男女関係の本当の素晴らしさは、「自分が愛せない自分を、パートナーが愛してくれる」という体験にあると、私は思っています。

あなたが「絶対に愛されない」と信じ込んでいるそのコンプレックスは、相手にとっては愛おしい個性であったり、守ってあげたい隙であったりすることが多いのです。

もし今、結婚や新しいステージへ踏み出すことに怖れを感じているとしたら、どうかその気持ちを率直にパートナーに伝えてみてください。「理由がわからない拒絶」は相手を不安にさせますが、「怖がっている自分」という弱さを正直に打ち明けることは、二人の間に確かな親密感と絆を育みます。

最後は、相手を、そして相手を選んだ自分を「全面的に信頼する」という段階がやってきます。その恐れを突き抜けた先には、一人で抱えてきた世界とは全く違う、温かく安心できる「新しい世界」があなたを待っています。

あなたがあなた自身のままで、幸せな一歩を踏み出せるよう、心から応援しています。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。

それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。

心理カウンセラー
近藤あきとし

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