頑張り屋さんが別れの危機のなかで気づいたとても大切なこと(1)

心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。

カウンセリングサービスのYouTubeチャンネルで、私の講演が音声動画としてUPされました。
「人生の意味と本当の幸せを見つける考え方」についてのお話です。よかったらご視聴くださいね。


では、9月24日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。

●頑張り屋さんが別れの危機のなかで気づいたとても大切なこと(1)

「離婚して欲しい」

1ヶ月前に夫から突然そう言い渡されて、今は別居をしているというクライアントさんがご相談に来られた時のお話です。

結婚して10数年、これまで夫婦仲は良いと思っていただけに、彼女は別れを迫られる理由がまったく分からないとのことでした。

夫に理由を聞いても「もう一緒に居られない」と言うばかりで、具体的な話ができずに困ってしまいカウンセリングを受けようと思われたのです。

詳しく話を聞くと、彼女はサラリーマン時代に同僚だった夫と結婚して会社は退職したのですが、もともとハードワーカーで仕事をバリバリこなす営業マンだったとのこと。

家庭を持つのが夢だったので仕事に未練はないつもりだったそうですが、子供が小学校へ行くようになって少し余裕ができた頃に、個人でネットショップを始めてみたことで仕事への情熱が再燃。

年々売り上げを伸ばしていって、ついには夫の年収に並ぶくらい順調にビジネスを成功させていたのです。

彼女は自分の成功を夫も喜んでくれていると思っていたそうで、収益についてもつつみ隠さずに話していました。

実際、夫も彼女が生き生きと楽しそうにしていることに不満はなかったようです。

ただ、仕事に一生懸命になり過ぎて疲れてしまい、家事まで手が回らないことが度々あったようです。

そうした際には夫が気を利かせて、何も言わずに代わりに済ませておいてくれました。(夫は独身時代は一人暮らし歴が長く、家事はすべてこなせる人でした。)

さて、どうして彼女がこんなに頑張り屋さんになったかというと・・・

彼女はお父さんをとても尊敬していました。

お父さんは名の知れた一流企業で働く、いわゆるエリートで頭も良くスポーツもできる、娘の目から見てもカッコイイお父さんだったそうです。

彼女は一人娘だったのでお父さんに溺愛と言っていいほど可愛がられてきました。

彼女もお父さんを尊敬と憧れの存在に感じていましたし、仕事をバリバリこなすキャリアウーマンになったのも、ちょっとでもお父さんに近づきたい気持ちが強かったからのようでした。

お母さんはというと、人当たりの良い性格で誰にでも優しい、彼女に言わせると「本当に女性らしい女性」。

専業主婦だったのですが、家事はもちろん、ご近所づきあいもそつなくこなし、学校のPTAや保護者会の役員も任されながらも、趣味の旅行も楽しんでしまえる。「完璧なお母さん」だったそうです。

そしてお母さんも彼女を心から愛してくれていました。

本来であれば、両親からの愛をいっぱいに受けてきたのですから、自分が愛される存在だと自然に思える分だけ、幸せなパートナーシップも手に入りやすいはず。なのですが、

カウンセリングを続けるうちに、じつは子供時代の彼女にはこんな思いがあったことが分かってきました。

カッコイイお父さんが彼女は大好きでした。そして、

「お母さんみたいな完璧な女性にならないと、こんなに素敵なお父さんみたいな男性と結婚できないってこと?」

と思い込んでいたのです。

また同時に、

「でも、私はお母さんみたいになんてなれっこないわ・・・」

というお母さんへの劣等感も抱えていたんですね。

まだ小さかった彼女が、大人のお母さんのように家事ができなくて当たり前なのですが、子供心に「お母さんにはかなわない・・・」そんな劣等感を強く抱えたまま成長していったのです。

頑張り屋で負けず嫌いだった彼女は、男の子と遊ぶことが多く、競争になったら意地でも負けたくない気持ちが出てきたそうで、勉強も部活もいつもトップクラスになるまで一生懸命に打ち込みました。

社会人になっても営業成績は常に上位。「男になんか負けるものか」の気持ちで勝ち抜き続けてきたのですが、

その頑張りの裏には、お母さんには負けていると感じてきた「私はあんな女らしくはなれないから・・・」という感情が隠れていたんですね。

なので、どれだけ彼女が優秀さを発揮しても心のどこかに自信の無さが顔をのぞかせていたようです。

また、優しくてよく出来た旦那さんと結婚できたものの、今度は、

「私が完璧に家事をこなさないと、いつか夫から捨てられてしまう」

という不安がでてきてしまい、「私が全部やらなくては!」という思いに駆り立てられていたのです。

頑張ること自体はなにも悪いことではないのですが、動機が劣等感から生じた場合は、どれだけ成果を出しても周りから評価されても「もう十分だ」とは思えないので頑張ることをやめられなくなってしまいます。

それが結果的には夫の考えをあまり聞くことができずに、家のことも子供のことも彼女が先に決めてしまうという状況が続いてきたのでした。

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そこで私は、「実家のお母さんに会いに行って、『昔からお母さんに感じていた気持ち』と『夫との離婚問題』を打ち明けてみましょう。」と提案しました。

ところが、彼女はお父さんに憧れる分だけ、お母さんのような生き方をしたくないと感じていたんですね。

また、お母さんに対しては劣等感を感じてるとは気づきたくなかった分、ちょっとだけ見下してしまう気持ちも持ち合わせていたようでした。

お父さんにはいつも勉強や仕事の相談ができたけれど、お母さんには今まで相談ごとをしたことがなかったそうです。

それだけに、彼女には「それだけはできればやりたくない」という抵抗感が目いっぱいあるのが見てとれました。

ただ、ここは昔からの思い込みを手放すチャンスだということを伝えて、どうにか彼女も覚悟を決めて実家へ行ってみることになりました。

久しぶりに会ったお母さんは、何も口を挟まずに最後まで彼女の話を聴いてくれました。そして

「そうだったのね。私はあなたにずっと嫌われてると思っていたのよ。」

とお母さんの気持ちも話してくれたそうです。娘の勝気で突っ走ってしまうところを昔から心配していたそうですが、

自分よりも前向きで、素直で、思いやりのあるところは羨ましく感じていたそうです。

彼女にとっては、お母さんが自分の良いところを見てくれていたことは、すごく意外で、初めて認めてもらえたような気がしたそうです

離婚問題についても、ずっと不安だった気持ちを吐き出した後は、お母さんなりの気持ちも聞くことができて、

「夫婦って一緒に居てもよく分からないときもあるのよね」

そんな母としてよりも、妻の立場からの言葉をお母さんが言ってくれた時に、彼女はようやくお母さんと「大人の女どうしの会話」ができたと感じたようでした。

実家での会話で具体的な解決が見えてきたわけではありませんが、彼女がお母さんに対して抱いてきた劣等感、見下していた罪悪感、そんな自分を卑下する自己嫌悪、そうした感情からは解放されてきました。

その後で、離婚問題がどうなっていったのかは次回にお届しますね。2週間後を楽しみにお待ちください。

続きはこちらです↓

※参考記事です↓こちらもどうぞ

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。
それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。

心理カウンセラー
近藤あきとし

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