心理カウンセラーの近藤あきとしです。
ここ最近は、ずっと長い間自立的に生きてきたという人をカウンセリングすることが多かったように感じました。
自立的なタイプのかたとお話しているときには、
「家族やパートナーなどの周りの人にもっと頼ってみましょう」
という提案をすることが良くあります。
すると、たいていみなさん同じことを口にするんですね。
「頼るって言っても、どこまで頼っていいのか分かりません」
「どうすることが、頼るということになるんでしょうか?」
私も以前はまったく同じことを疑問に感じていたので、クライアントさんの気持ちは良く分かります。
男性でも女性でも、自立的なタイプの人はほとんどの場合、依存的なパートナーとつきあうことになります。
あるいは、自立どうしが出会ってつきあっても、心理的なバランスからより自立度の高い方が自立の立場になり、もう一方は依存的な部分が引き出されて依存的な立場に無意識的に入ってしまうことも多いですね。
すると、よく出てくる男女関係の問題として、
「自立側は頑張りすぎて燃え尽きてしまう」
「依存側は役に立てない無力感・無価値感に苦しむ」
というパターンに遭遇します。
自立的な人は、ひたすら頑張って生きてきた人なので、誰かに甘えたり、弱みを見せたり、お願いをすることにほとんどなれていないんですね。
だから、自分の力で何とかするというのが当たり前なので、どれだけハードワークにはまっていても、すっかり疲れ切っていても、そのこと自体に気づいていないことも良くあります。(私もかつてはその一人でした^^;)
「頼るって、どういうこと?」
「迷惑じゃないの?」
という気持ちになっても無理はないんですよね。
◇◇◇
そんな人の(心に隠れた)人生のスローガンは「私は誰にも迷惑をかけたくない」だったりします。
「誰かに迷惑をかけるくらいなら、自分でやったほうが気が楽だわ。」カウンセリングをしていると、そう思いながら生きてきた人とたくさん出会います。
そして多くの場合、そんな人たちには
かつて一生懸命頑張って助けようとしたけど助けられなかった誰かがいるか、逆にすごく迷惑をかけられて苦しんできた体験があったりします。
その痛みが心の中で傷としてうずいている分だけ、周りに頼ることを自分に許せなくなってしまうんですね。
頼ることは、その痛みを掘り起こしてもう一度向き合うことになってしまうので、最初の一歩がなかなか踏み出せないのです。
ところが、そんな人ほど頼ることが出来るようになると、人生がいっぺんに変わりだすものなんです。
自立的な人はたいてい感情を抑えて生きているので、誰かの援助を受けとれると、それまでにも周りから支えられていたこと、愛情を送ってもらってきたことに気づいて、感情が溢れ出すことも少なくないのです。
誰かを頼り、助けを「受け取る」ことが、抑え込んできた感情を取り戻すことにつながっているのです。
私自身も長い間、自分の力だけで何とかしようとしてきた過去があり、倒れて動けなくなってようやく人に頼れた(頼らざるを得なかった)ことで、閉じ込めてきた感情を取り戻すことができました。
※私の実体験をまとめた記事がありますので、よかったら参考として読んでみてください。
【近藤あきとしのストーリー】(1)~(6)まであります。
◇◇◇
頑張って「与える」ばかりの人生から、誰かに助けてもらう「受け取る」人生へシフトすることは、「自分には誰かに支えてもらうだけの価値があるということを自分に許すということ」だと言ってもイイのかもしれないですね。
そうして、手を差し伸べてくれた人、助けてくれた周りの人に「ありがとう」を伝えられると、みんなが嬉しくなって喜びを循環することができます。
もしあなたがパートナーとの関係で自立し過ぎていたとしたら、パートナーは無価値感を感じて
「私は彼(彼女)のために何も出来てない」と思い、強く自分を責めてしまいます。
それは自立的なあなたにとって
「こんな自分じゃダメだ。もっと頑張って○○が出来るようにならないと!」と自分を追い込んで苦しくなってしまうのと同じなんですね。
二人でいることで、それぞれに悩みを抱えてしんどくなってしまうとしたら、とてももったいないですよね。
そんな時に、自立側が「受け取る」ことを始めると、自分だけの力で生きなくて済むのでとても楽になれますし、パートナーからの優しさや愛情を前以上に感じられるので、自分では埋めきれなかった満たされた心を感じることが出来るようになります。
同時に依存側は、相手に与えることが出来た、役に立てたことが喜びになり、自信になり、自らの足で立つ強さを手に入れることが出来るんですね。
◇◇◇
私はカウンセリングを学び始めた頃、先生から
「あなたの弱さがパートナーの強さになるんですよ」
という言葉を何度も聞きました。
それは、あなたが自分の心を開いて「ありがとう」という気持ちを相手に送ることで、パートナーの本来の価値を受けとることなんですね。
男女関係に限らず、さまざまな人間関係でこのことを心に意識しながら関わるだけで、私たちの人生は「自分一人で頑張る」ステージから、「誰かとともに生きる」ステージへ変化していきます。
二人が支え合い、助け合いながら協力することで、より深く強い新たなパートナーシップに進むことが出来るんですね。。
次回はこういった取り組みをするときに出てくるネガティブな感情についてお送りしたいと思います。↓
2017/7/31「パートナーに頼るってどうしたらいいの?」という人へ(2)
>>https://kondouakitoshi.jp/archives/65905658.html
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最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!
それでは、今日があなたにとって素晴らしい日でありますように!
心理カウンセラー
近藤あきとし