「あの人っていつも輝いているな~」
「魅力が溢れていて羨ましいな~」
皆さんの周りにそう感じる人っていないでしょうか?なぜか注目してしまうような、惹きつけられるようなカリスマ性を持った人です。
そういう人たちに共通している部分があるとしたら、自分のセクシャリティを閉ざさずに解放しているとこかもしれません。
もしかしたら「あんな風に魅力的になりたいな」と羨ましく思う反面、「でも、私にはなれそうもない・・・」そう感じたとしたら、その落胆の分だけ、あなたは自分のセクシャリティを止めていることになるんです。
私たちが外側の世界に見えているものは、すべて自分自身の心の中の投影だと心理学では考えられています。ということは、あなたの眼から「魅力的な人」と見えている人は、あなたの心の中の「魅力的な私」を投影しているので、実はあなたの心の一部なんですね。
と、言われても「え?そうなの???」という感じの読者もいるかもしれません。私もカウンセリングを学び始めた時はそうでした。同じように感じた方は「もしかしたら、そうなのかもしれないなー」くらいに思いながら読み進めていってくださいね。
でもですね、もしあなたが「私はあんな魅力的なんかじゃないよ!」と思ったとしたら。「私はあの人とは違う」と切り離したとしたら。
その瞬間に、私たちがあの人たちのように魅力的になれる可能性を自ら切り捨ててしまっているのかもしれないのです。
たとえば、
「あの子、可愛くていいよね。でも私は可愛くない」
「あいつは成功していいよな。でもオレにはそんなチャンスはない」
という種類の感覚だと言うと、伝わりやすいかもしれませんね。
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魅力的な人、輝いている人、成功した人を見ると、嫉妬心が出てきたり、批判的になることもありますが、このすべては上に書いたように「切り離した」ことから始まっているんです。
たとえば、今、あなたにパートナーがいないか、あるいはいても関係が最悪になっているとしたら、電車の中で腕を組んでピッタリくっついているカップルを見たら
「こんな場所でイチャイチャするなよな!」
と思った時、自分自身も誰かとラブラブになることを禁止してしまうんです。
こう思っていると、仮にパートナーとラブラブになれたとしても、そんな自分を見た誰かから、さっき心の中に浮かんだ批判的な言葉のように、今度は自分が攻撃されるに決まっている。と感じてしまうからなんです。
「私が思うことは、きっとみんなも思うに決まってる!」
これも投影なんですよね。だからこそ、自分の魅力を受けとれるようになるのはとても大事なことなんですね。
私には幸せがいっぱいやってくる
私には愛がいっぱいやってくる
私にはチャンスがいっぱいやってくる
私には豊かさがいっぱいやってくる
そんな風に自分に許可ができている人は、実際に良いものがやってきたら受けとれますし、また自分以外の誰かに良いものがやってきた時も一緒に喜ぶことができるんです。
良いものを周りの誰かと分かち合うことで、より大きな愛や幸せを感じることもできるんですね。
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ちょっと話が横へ逸れましたが、セクシャリティに戻しましょう。誤解が生じやすいところなので解説しておきたいのですが、セクシャリティが解放されている人に対する「間違った概念」として、
・セクシー
・お色気たっぷり
・妖艶
こういったものがイメージされやすいのですが、セクシャリティというのは性的な要素とばかり結びつくものではありません。
分かりやすく言うなら、「輝いている人」のことです。
ただ、人は魅力的になると、周りから嫉妬されたり、批判されたり、攻撃されたりする経験をしがちなため、傷ついた経験以降、私たちは自分の魅力を隠そうとするんです。
たとえば、こんな男性のカウンセリングをしたことがあります。
彼は誰が見ても男前だと思うようなイケメンだったんです。だから子供時代からずっとモテてきましたし、たくさんの女性が彼に言い寄ってきました。
ただ、彼は女性に対して疑いや抵抗感をずっと抱えてきたのです。その理由は、
「僕に近づいてくる女性はみんな、僕の外見だけを見て寄ってくる」
「僕の中身を好きになってくれる人なんていないじゃないか」
「だったら、もう誰ともつきあいたくない」
こんな風に思っていたからでした。
なので当然、彼は近づいてくる女性に冷たい態度をとります。親しみやすさをまったく出さないようにしてきたんです。彼は100人が見たら99人はイケメンだと認めるくらいの男前でしたが、その魅力は全開にして表現しようとは思っていなかったんですね。
彼の心には「どうせ僕は顔面の作りがちょっと良いだけの男なんだろう?」という傷があったからです。
こんな女性クライアントもいました。
彼女は同級生の女子と比べて成長が早かったそうで、中学生になる前から身体が大人の女性に変化し始めていたとのこと。
すると、ちょっとませた男子から、からかわれることが何度もあったそうなんですね。それは思春期にすらなっていない女の子にとっては本当につらい体験でした。
そんな体験をした彼女が思ったことは、
「私が男子からいじめられるのは、こんな大人みたいな身体だからだ」
「なんで私だけ他の子よりも、胸が大きくなっていくんだろう?」
それ以来、彼女は自分が女性らしく振舞うことを嫌いながら成長していきました。そして出来るだけ身体的にも精神的にも「オンナ」の部分が表に出ないように、隠そう、隠そうとしてきたんです。
その結果、30代に入ったころには性格はサバサバしていて、どちらかというと男性的な振舞いが目立っていて、自立的で、周りに頼らないようになっていたそうです。
恋愛でも彼にはお願いすることも甘えることもできず、体の関係も苦手だったそうで、女性としての自分を表現することができなかったため、いつも彼からフラれてしまうパターン。
いつしか「だったら、男なんてもう要らないわ!」と思うようになっていました。
彼女はカウンセリングを受けるまで、過去の体験と、そこで感じた心の痛みのことは、まったく忘れていたと言っていました。なので当然、痛みを避けるための態度(心の防衛)についてもまったく自覚は無かったのです。
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もう大人になっているので、本来は防衛する必要はないのですが、心理パターンというのはどれだけ過去の体験であっても、一度つくられると、それを自分で気づいて解除するまでずっと自動的に発動してしまうものなのです。
(素晴らしい人との出会いがきっかけになって、自動的に解除されるケースも稀にありますが)
これらはすべて、傷つく体験をして、その結果できた観念(思い込み)のために、自らのセクシャリティを抑圧したところからやってきます。
性的な部分だけでなく、パートナーシップ、人間関係、仕事、自分らしさという観点からも、本来の自分から遠ざかってしまい、常に自分を隠しながら生きる人生を送る原因になっているんです。
今日は、自分がセクシャリティをに対してどんな観念を持っていて、何を禁止しているか?
心の中を少し探ってみてください。そして今はもう不要になったもの、あなたの幸せを遠ざけているような観念が出てきたら手放そうと決めてください。
最後にあと少しだけ。
自分のセクシャリティを開こうと思うと、私たちは恐さを感じることが少なからずあります。
魅力を解放して影響力をもつことが怖かったり、本来の自分で生きるなんて大それたことに不安を感じて足がすくんでしまうからなんです。
自分に根差した才能、生まれながらにもっている輝きを発揮することや、もし天命なんてものがあるとしても、
「そんなの私にできっこない!」
という疑いがいっぱい出てきて、無力感と無価値感に押しつぶされそうになることも珍しくありません。
でもそんな不安や恐れを、自分らしさを抑え込むパワーに目一杯に使ってきたのだとしたら、
「今日は、ほんの少しだけ緩められたら良いな」
そう心に願うだけで十分です。
心を癒す体験を積み重ねていくうちに、あなたらしさが自由に発揮できるようになります。そして、そんなあなたを喜んでくれる人たちが、きっと待っていてくれますからね。
それでは皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。
心理カウンセラー
近藤あきとし
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