心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。
それでは、4月20日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。
●知りあった頃は優しかった彼が、つきあい出すと彼女に厳しい態度をとるようになる理由を解明してみる
久しぶりに超自立男性との恋愛シリーズをお届けします。
恋愛のカウンセリングでよく聞くご相談に、こういったお悩みがあります。
「彼とつきあう前の印象は、頼りがいがあって、優しくて、仕事ができる人。大人の男性だなと思っていました。」
「なのに、つきあい出したら急に私に厳しいことを言ってきたり、甘えさせてくれなくなったり、人を寄せ付けない雰囲気を出すようになって人が変わったみたいなんです。」
「私が彼に嫌われるようなことをしたり、余計なことを言ってしまったんでしょうか?彼の機嫌を直す方法を教えてください。」
というもの。
読者の中にも、元彼がそんな人だったとか、今まさにそういう男性とつきあい始めたばかり、という人もいるかもしれませんね。
まず結論から言ってしまうと「彼があんな態度になったのは、あなたが何かマズいことをしたからではありませんよ」ということです。
じゃあどうしてなの?という声が聞こえてきましたので、詳しくお答えしていきますね。
彼のあの態度の奥にある、彼の心の声を言葉にするならこうです。
「こんな力の無い自分はダメだ、何の価値もない存在なんだ。人より弱い劣っている自分は生きている価値なんてない。」
えっ!そんなはずないですよ!と思いませんか?
彼から受け取るイメージとは真逆の言葉に思えますよね。
実際、今回のテーマのようなお悩みを抱えるクライアントさんががつきあっている彼は、優秀なビジネスマンだったり、起業家として成功していたり、仕事でも仲間うちでも面倒見のいい頼られる存在であることが多いのです。
ではどうして、彼の心の奥に「自分に価値なんてない」なんて思いがあるのでしょうか?
ここには彼がずっと昔から恐れてきた感情が隠れているからです。今日はこの感情の生まれた原点と彼が恐れる理由を詳しく解説していきますね。
*
このような男性によく見られる特徴をあげると
「人を当てにしない。頼らない。」
「甘えを見せない。弱音を吐かない」
「周りに対して批判的なことをよく言う」
こんな感じです。どうでしょうか?画面の向こうで頷いている人がたくさんいる気がしますが。
本当に超自立男性の典型的な態度かもしれませんね。では、どうして彼らはこんな態度になるのでしょうか?
じつは超自立な彼らの過去、特に子供時代の話を詳しく聞いてみると、多くの男性が幼い心に痛みを抱えてきたことが分かってくるんです。
たとえば、依存的で弱かった時代に味わったみじめな気持ち、子供には厳しすぎる環境をなんとか生き抜いてきた経験など、そうした心の痛みが大人になった彼に影響を与えていることがとても多いんです。
私がこれまでによく聞いたお話としては、
・小さい頃は弱くて、いじめられたり、バカにされていた
・父親が頼りないダメ親父で、そんな父親をすごく嫌っている(ああはなりたくないと思ってきた)
・逆立ちしてもかなわないくらい偉大な父親で(地元の名士など)、いつも負けてきたと感じている
・出来の良い兄弟姉妹たちと比較されて、劣等感を感じ続けてきた
・家族が借金・貧困などの問題を抱え、困っていたために、早く自分が大人になって家族を救いたいと思ってきた
などがあります。
これらの体験にすべての原因を求められるかと言うと、決してそうとは言えません。
ですが、過去の心の痛みが彼らの生き方に影響を落としていることは、カウンセラーとしての経験から少なくないと実感しています。
*
・幼少期に感じた自分の力の無さ、弱さ、みじめさ、劣等感、負い目、敗北感、
・頼りにならない家族への不満、怒り、
・甘えたくても甘えられなかった悲しみ
そうした子供らしくいることが許されなかった経験は、幼い心には「弱い自分では、そのままの自分では愛されない」と受けとってしまっても仕方が無かったかもしれません。
厳しすぎた時代に自立せざるを得なかったからこそ、そして苦しい経験を強くなることで乗り越えてきたからこそ、超自立男性になったわけですが、
その裏には「そのままの自分はダメだ。弱い自分は生きる価値が無い」という強烈な自己否定感が隠れているのです。
彼の厳しさと強さは、ある程度の距離のある人間関係では「優秀な人」「頼れる人」という評価になります。
ただ、恋愛になりパートナーという心の距離がとても近くなる関係ともなると、「身内」という感覚になりやすいのです。
その分だけ、彼女と友人くらいまでの距離感なら寛容でいられた部分(弱みを克服しない、自分を甘やかす態度など)が、恋人になった途端に許せない気持ちになってしまうんです。
彼が自分に向けていた厳しさが、彼女にも向けられてしまうので、冒頭のようなお悩みになるわけです。
恵まれない家庭環境、必要なものが与えられなかった時代、劣等感の中で生きてきた苦しさ。彼は「怒りをパワー」にして、逆境を自分の才覚と能力で乗り越えてきました。
その結果、彼が手に入れた逆転の人生が良いものであればあるほど、かつての苦しみから「這い上がるため」のエネルギーも強烈だったことは想像できますよね。
彼が自らに課してきた厳しさと、身につけてきた強さが、
「オレはこれだけ死に物狂いで頑張ってきたんだ!なんでお前も必死になって乗り越えようとしないんだ!」
という、パートナーである彼女に対しての厳しい態度になってしまうのです。
*
「こんな力の無い自分はダメだ、何の価値もない存在なんだ。人より弱い劣っている自分は生きている価値なんてない。」
彼はこの無価値感と言われる感情からずっと逃げたくて自立の道を走り続けてきたようなものです。
「もしあの時、自分に◎◎があれば、あんな苦労や不幸を経験しなくてすんだのに!」
という心の痛み(ハートブレイク)から逃れたくて、自分の弱さを見ないようにしてきたんですね。
無価値感の根底にあるモノは「こんな自分には愛される価値なんてない」という感情です。だからこそ、
「頑張って、頑張って、誰にも負けないくらい成功したら、僕のこと認めてもらえるよね?」
「みんながすごいね!って言ってくれるくらい結果を出したら、愛してもらえますか?」
と考えて、そのレベルに到達するまで自分に厳しくすることが止められないのです。
自立度が高い人ほど、実は心の奥底に依存心を隠し持っています。
だからこそ依存心を出したり、誰かに見られることをとても恐れてもいます。
ですが逆から見ると、こういった超自立男性が心の底で本当に求めているものが分かります。
じつは、切り捨てて無かったことにしてきた弱さも惨めさも、すべてを受け入れて、そのままの自分を認めて愛してくれるような母性的な人を求めているんです。
*
「私のパートナーも同じタイプだわ」と思ったら、まさに今、あなたの女性性の才能の一つ「母性」を受けとるための人生のレッスンがやってきたと思ってみてください。
もし「母性」という言葉にどこか抵抗を感じるとしたら、あなたのお母さんとの関係を見直すタイミングかもしれません。
女性の場合、母親や姉などあなたにとって母性を感じる人や、母性を連想させる存在との間に葛藤があると、自然に持っている「あなたの中の母性」を拒絶して、使えないままになっていることがあります。
「わたしにも、お母さんとのテーマが当てはまるかもしれない」と思うなら、母親との葛藤を癒すためにこんなチャレンジをしてみてください
・お母さんとの間に感じてきた溝(心の距離感)を、あなたの方から越えて近づいてみる。今までとは違う関わり方を試しながら和解を目指す。
・お母さんの生き方や価値観を嫌っていたり「ああはなりたくない」と思ってきたのなら、今の大人のあなたの立場から理解するための取り組みをする。母親の生き方を尊重する。
あなたが遠ざけてきた「母性的な愛」というギフトが簡単に手に入るチャンスです。
それは、彼が「本当に欲しいと願ってきた愛」そのもののはずですからね。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。
それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。