近藤あきとしのストーリー ~その4~

こんにちは
近藤です。

すみません。いきなり更新が途切れてしまってご心配をおかけしました。

これまでは毎週水曜日にプロフィールシリーズの更新をしていたのですが、実は先週腰を痛めてしまって、椅子に座ることが出来ず記事を書くことがかなり難しい状態だったのです。

数日前から、どうにか椅子に座れるようになり原稿を書けるようになったところです。今は整体に通いつつ、姿勢を整えることを意識しながら生活しています^^;

というわけで、少し遅れましたがプロフィールシリーズ ~その4~ をお届けいたします。

※これまでのシリーズ
>>近藤あきとしのストーリー ~その1~
>>近藤あきとしのストーリー ~その2~
>>近藤あきとしのストーリー ~その3~

4,~初めて自分の弱さに気づいた日~

電話カウンセリングで話した女性カウンセラー(仮にAさんとします)からは、「ちゃんと休んでいて大丈夫ですよ」と言われたものの、いつになったら以前の調子に戻れるのかということばかり考えてしまいました。

そこで電話では面倒だと思って、Aさんに直接会ってみようと予約センターまで問い合わせたところ、翌日の面談枠が空いていたので即予約しました。

私の住む千葉から品川(当時は東京カウンセリングルームは品川にありました)までは、電車で1時間ほどですから普通であれば問題なく行ける距離です。

ただ当時の私は電車もバスも、乗るとすぐに動悸がしたり正体のない焦りに襲われてしまい、5分も乗っていられない状態です。ちょっと躊躇したくなる距離でした。

でもその時は、カウンセリングに行こう!と決めたら道中の不安のことはなぜか思い出しもしなくなり、すんなりと品川に到着してしまいました。

きっとAさんに会ってみたいという気持ちが、私の心の世界の枠を超えてカウンセリングルームへ飛んでいたのでしょうね。

本気で動こうと思った時の意志というのは、不安を飛び超えて行動を起こしてしまうものなのだと知りました。

***

面談カウンセリングでは、いつ仕事に復帰できるかと焦ってばかりいる私に対してAさんは、

「君は、ずっと大変だったんだね。頑張ってきたね」

と言ったのです。

「んっ・・・?」と言ったかどうかは覚えていませんが、気持ちはまさにそんな思考が止まったような状態だったと思います。不思議だったのは知らないうちに目から涙が溢れて止まらなくなっていたことでした。

頭では

「いやいや、自分なんてやるべきことをやれてないですし」
「ホントに頑張ってたらこんな状態になってませんて」
「人生の落伍者になりかかってるんですが」

と考えていても、言葉にならない感情が先に出てきてしまい、どうにも自分で自分のコントロールができないのです。

その時初めて人前で泣きました。

涙を止めようと思っても止められないことも初めてのことでした。

それまで長い間我慢して抑えて溜め込んできた感情は、もう言葉に出来ない熱い塊のようで、次々に心の底から噴き出してくるように感じられて、結局2時間のうちの半分は泣いていたんじゃないかというくらい、堰を切ったように溢れてきたのでした。

***

今思えば、家の期待に応え続け、常に自分の100%を基準に頑張り続け、他人からの評価を気にして顔色を伺いながらの人生を送ってきたのですから確かにそれはもう、心の中は大変な状態だったはずなんですよね。

ただ、大変だなんてまともに感じたらきっと私はやってられないだろうと、心のどこかでは気づいていたのかもしれません。だから私の心は感情を切って、気持ちを抑え込んで、大変だとは感じないようにしてしまったのでしょう。

男なんだから、長男なんだから、社会人なんだから、家を継ぐのだからとたくさんの役割を背負って、そのすべてに完璧に応えなくてはとずっと思っていたのです。

だから誰にも頼れませんでしたし、一人で出来るからこそ意味がある、強くあらねばならないとずっと思い込んでいました。

だから自分に常に完璧さを求めていました。

出来ない部分には厳しいダメ出しをしていつも自分を責めていたのです。

その分だけいつのまにか周りにも同じ完璧さを求めていたようで、出来ない人に対しては表面的には穏やかに接していたものの、心の中では激しく攻撃をしていました。

たまにそれが外に漏れ出てしまい、ピリピリした態度や余裕の無さを感じさせていたようで、私を付き合いやすいという印象で見ていた人はいなかったですし、むしろ何を考えているか分からない人と思われていたことが多かった気がします。

そんな風に他人を見ていたものですから、私自身も誰かに心を許したり、本心から信頼しあえる関係を作ることは全くできませんでした。

いつも1人で全てをこなしている気でいたので、周りに誰かが居ても感じていたのはつねに孤独だということでした。

誰もわかってくれない、誰も助けてはくれない
誰も好きになってない、誰も側にいてくれない

ずっとそう感じていました。

だからこそ、辛い気持ちは切り捨てて1人で全部乗り越えて行くしかなかった。

でもそんな生き方が、あの朝布団から起き上がれなかった日にもう限界だと教えてくれていたのです。

「もう無理だ、頑張れない」

そう心の声が漏らしたことをカウンセリングの中で、Aさんの言葉でようやく私は気づくことができたのです。

***

Aさんとのカウンセリングを通して、私は自分の弱さと向き合えたように思います。

それまでの私は、強くあらねばならないという気持ちに駆り立てられていて、懸命に自分を強く見せようとしていたように思います。

ただそれは本当の強さでは無く、自分の弱さを見ないようにしていただけだったのです。

だから周りに対しても表面的には人当たり良くしていても、心から優しく接していないので人間関係に安心を感じることなんてありませんでした。自分の弱みを見透かされないようにびくびくと怯えながら、うわべで強い自分を演じていた訳ですからね。

しかし、そのうわべの強さを自分の強さだと勘違いしていた時、誰にも頼らず、自分を誰にも助けさせない生き方をしていた時には、周りの何気ない優しさや、誰かからのささやかな愛情にも、私はまるで気づけていませんでした。

それが自分が病気になり、弱くならざるを得なくなった時、自分ではどうすることも出来なくなった時に、ようやく私も誰かに支えてもらっていたということに気づくことができたのです。

返信すらまともに返せないのにメールをくれていた同僚や、休みを与えてくれた上司、変わらない態度で信頼を送り続けてくれた母親、形にはなっていない愛情を送ってくれていた人たちもたくさんいたと思います。

そして私の最後の強がりを突き崩してくれたAさんの言葉で、やっと私はそれらを受け取って良いのかなと思えるようになりました。

***

人は誰にも愛されていないと感じてしまった時や、欲しいのに誰もくれないと諦めた時に、もう二度と傷つきたくは無いと思って、自分から愛を拒否してしまったり、最初から無かったことにしてしまうことがあります。

でももし、自分が誰かの優しさや愛に支えられていると気付けたなら、今までとは違う本当の安心を感じられるのです。

頑張るだけじゃなくても良いって思えたり、助けられても良いって思えたりします。

一人じゃない、誰かに見守られている繋がっている。

この人がいてくれるから自分がいる。そう感じられるようになります。

自分のことも大切に出来るし、相手のことも大切に考えられるようになります。

心が安定して、周りとの調和を大切にしたいと思うようになります。

すると一人で頑張っているときよりも、色んなことがずっと上手くいくようになります。

左右を見渡した時、後ろを振り返った時に一緒にいてくれる誰かを感じると、この繋がりをもっと大事にしていきたいと自然に思えるようになります。

その繋がりが巡り巡って、一人ではできなかったもっと大きなことができるようになったりもします。

今このブログを読んでいるあなたも、きっと愛してくれている人に気がつくことができるでしょう。

そうしたら、変われます。

あなたは本当に幸せになって良いのですから。

…(その5)に続きます。

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