今回は、恋愛になると毎回パートナーを疑ってしまい、相手の差し出してくれる愛情を素直に受けとれない女性の心理と解消方法をお届けいたします。
「怒ってばかりの私なんて嫌いだよね?」
「私そんなに可愛くないから、あなたはもっと綺麗な女性のことが好きなんでしょ?」
「ガサツで男みたいな性格の私より、大人しくて素直な人がいいんでしょう?」
こんな言葉を彼に言ってしまって、ケンカになったり別れ話になったりしてしまう。というクライアントさんにはよくお会いします。
こうした言葉や態度の裏にあるのは・・・
「私を都合よく扱おうとしてるんでしょ!」
「私なんて踏み台代わりで、もっと素敵な人を探してるんでしょ!」
そんな【疑いのこころ】があるわけです。そして、
「きっといつか捨てられるんだわ」
という不安から、やたらに下手に出て媚びるような態度をとってしまったり、逆に横柄な女王様のように振舞い怒りをぶつけて、それでも見捨てないかを試したりと、悪い態度をとることもあります。
ただ、これでは対等な関係性を築くのは難しいというのは皆さん分かっているんですよね。
なんとか関係改善したくてSNSやYouTubeなどネットの情報や、恋愛テクニック本などをたよりにアレコレ試してみたものの・・・
どれも上手くいかず関係が悪くなるばかりで、どうにも打つ手がない・・・というところでカウンセリングに来られるクライアントさんは少なくないんです。
このパターンを恋愛の度に繰り返してしまって、もうパートナーシップを諦めて仕事など別のジャンルに生きがいを見つけようとする人もいます。
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どうして【疑いのこころ】が毎回恋愛の邪魔をしてしまうのでしょう?
その理由は、パートナーシップを通して無意識のうちに、過去にもらえなかった愛情を取り戻そうと一生懸命になってしまうからです。たとえば、
「お母さんに話を聞いてもらえなかった」
「お父さんに褒めてもらえなかった」
「昔つきあった彼は私を大切にしてくれなかった」
など、本当は欲しかった愛情があったのに、こうした体験が過去にあり心が傷ついている分だけ、パートナーができる度に期待をするものの、
「きっと、私のことなんて本当に相手はくれないんだろうなあ」
「私が欲しいものは、もらえないに決まってる」
といったように、心のどこかで諦めてしまったり(その方が傷つかないので)、時には両親や過去のパートナーへの不平不満から恨みを抱えてしまうこともあります。
とは言え、こうした感覚は無意識に抑圧されるため、ふだんは気づくことはありません。
が、パートナーに出会ったとき、あるいは結婚生活が始まると、かつて諦めたこと、傷ついたこと、文句や不平不満など、過去の痛みや欲求が抑えきれずに噴出してくることがあります。
すると目の前のパートナーに、両親や過去の恋人を投影して
「あなたは私の欲しい愛をくれるよね?」
と、過去に満たされなかった愛情を、どうにかして彼から引き出そうとしてしまうんです。
つきあい始めのロマンスの時期であれば、彼はあなたの要求に応えてあげたくて一生懸命に愛情を差し出してくれるかもしれません。
しかし、過去に満たされなかった愛情の不足感・欠乏感が湧き上がってくると、彼への感謝よりも、怒りや不満をぶつけてしまうんですね。
それが冒頭の言葉のようなかたちで出てくると言うわけです。
それでもあなたを愛している彼は、「そんなことないよ」と何とかあなたを安心させようと何度も向き合おうとしてくれるかもしれません。
ただ彼も人間なので限界があります。徐々に「これだけ頑張っているのに彼女は満足してくれないのか・・・」「僕の愛では十分じゃないのかな・・・」など、自信を無くしてしまいます。
そして自信を失うのが嫌になった段階で「もうこれ以上こんな気持ちになりたくない!」と距離をとったり、「これだけ愛したのに、何が足りないっていうんだ!」と怒りを感じてあなたを責めるようになってしまうのです。
この時、彼の心は【無価値感】でいっぱいになってしまっています。
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なぜこんなことになってしまうのでしょう?
それは、あなたが過去に感じてきた「私には愛される価値なんてないんだ・・・」という無価値感を抱えている分だけ、
それをパートナーに分かってほしくて、無意識のうちに彼に【無価値感】を感じさせるような言動をとってしまうからなんです。
私たちが過去に欲しかったけど貰えなかった愛情を、まるで「愛情の借金」のように持っていると、自分は常に愛情がマイナス(借金)に感じてしまうため、目の前のパートナーから取り戻して借金を埋め合わせたい感覚になるからです。
するとパートナーにとっては、まるで身に覚えのない借金の返済を迫られているように感じるんです。
先ほど書いたようにロマンスの時期であれば、多少は頑張れるのですが段々と理不尽さが上回っていき、怒りが溜まっていきます。
今度は怒りを抑えながらあなたに向き合おうとするので、外側ではあなたに愛情を差し出そうとしますが、内側では溢れそうになる怒りを抑えるために心のエネルギーを使うため、感情がチグハグになり徐々に心が疲弊してしまうんです。
パートナーをまるで父親や母親のように扱い、昔もらえなかった愛情を取り戻したくなるのは、多かれ少なかれ誰もが経験することではあるので、これがすべてダメということではありません。
ただ、やりすぎたり、怒りや恨みをぶつけたり、疑いからパートナーの愛情を試すようなことを続けてしまうと、
パートナーとの関係がかつての両親との関係と同じように、怒りや不平不満、無価値感、罪悪感でいっぱいになってしまうんです。
そして、これが慢性的な不仲や、セックスレス、倦怠期の原因なんです。
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「私は愛されなかった」
「欲しいものがあっても誰も私には与えてくれないんだ」
こうした愛情の借金体質とでもいうべき感覚をもったままでパートナーシップを持つと、どれだけ素晴らしいパートナーを得ても、愛情をどれだけ差し出されても、受けとれなくなってしまうんです。
そこには「本当は私が貰えるはずだったに、奪われた」という感覚があるからです。
過去に感じた怒りや悲しみ、屈辱感、絶望感などの心の痛みが疼いてくるので、そうした感情にしがみついて執着している分だけ、目の前の愛情を十分に感じられないんです。
過去に期待して傷ついた分だけ、あなたを満たしてくれる愛を差し出してもらっても、【疑いのこころ】を手放せなければ受けとることができないのです。
おそらく、受けとりたいのに受けとれなくて、悩んで苦しんできた人もたくさんいると思います。
なぜ受けとれないのか?それは彼に悪い態度をとっているときに感じる、
「私は彼の愛を叩き落してしまう。彼の思いに背中を向けてしまっている」
↓
「だから彼を愛していない私を、彼が愛そうとするはずがない」
↓
「彼は私を愛してないに決まっている!」
この最後の言葉が、心の声になって何度も囁いてくるからなんです。
これがすごく説得力がある声に聞こえるので、なんとかこの心の声を聞かないようにするために、たくさんの【愛さないための言い訳】を探してしまうんです。たとえばこんな感じ。
「でも彼もハッキリしないところあるじゃない」
「だって彼が優しくないから」
「どうせ彼は浮気するし」
これも何度も頭の中で繰り返されるのですが、結局これでも収まりがつかないんですよね。だから苦しいんです。そしてさらに愛情の借金体質になっていくという悪循環にハマってしまいます。
*
ここから抜け出すために必要なこと。それは、あなたが今までに誰かから貰ってきた愛情に気づくこと。そしてもう一度受けとり直すことです。
今日はあなたが最近パートナーと上手くいっていないなあ、と感じているジャンル、ケンカしたきっかけ、文句をぶつけたこと、勝ち負けの競争をしかけてしまったことなど、そこに感じる違和感に意識を向けてみましょう。
そして、こんな問いかけを自分にしてみてください。
「もし、その原因が昔の両親や過去の恋人への怒りや、恨み、文句から生じているとするなら、私は誰の何を未だに許していないんだろう?」
思い当たる相手、出来事、そして当時の悲しみや怒り、寂しさが出てきたら誤魔化さずに心の真ん中で受けとめてみましょう。今までちゃんと気づいていなかった感情を抱きしめてあげる気持ちで受け入れていくと、どこかでフッと軽くなる感覚になるはずです。
そしてもう1つ、こんな質問をしてみましょう。
「両親や過去の恋人たちは、私にどんな愛情を与えてくれていただろう?」
もしかしたら、あなたが欲しい形ではなかったかもしれませんが、あの人たちなりに与えてくれたモノがあるとしたら、どんな愛情だったか?振り返って思い出してみましょう。
両親たちだけでなく、あなたに優しくしてくれた人、助けてくれた人、応援してくれた人。そんな人たちのことも思い出してみてください。
そしてもう一度、差し出された思いを受けとり直してください。
これができたら、いよいよ本番です。
今のパートナーの差し出す愛を受けとってみましょう。
あなたが自分をどう思おうが、パートナーは今のあなたが大好きなんです。
「えっ!いいの?私で?」
「本当?本当に?」
と思ってもいいんです。半信半疑でいいんです。
半分は疑ってもいいので、半分彼を信じてみてください。
疑って怒りや文句をぶつけるのは昨日で終わりにして、
その代わりに彼を半分だけ信じて、彼の前で半分だけ素直になって、彼の愛情に半分だけ喜んでみましょう。
「でも怖いんだけど」
「やっぱり不安になっちゃう」
それも素直に伝えられるといいですね。それくらい素直な気持ちを打ち明けられたら、二人の心の距離はずいぶん近くにあるのかもしれません。
そんな素直になる勇気を彼に差し出せたら、それはもう「彼を愛している(愛を与えている)」ことですからね。
それでは皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。
心理カウンセラー
近藤あきとし
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