いつもありがとうございます。
「助けたい」という思いを持つこと自体には何の問題もないのですが、ここに「私が」がくっついていると、パートナーとの感情の境界線があいまいになることがあります。相手が「助けて欲しい」と思っているのか、自分が「助けたい」と思っているのか、が区別がつきにくくなってしまうのです。
この部分に、「私も同じでした」と共感を感じたというクライアントさんが多くいました。
かたや、「どういうことなのかちょっと良く分からないです」と言われる人もいました。
どっちにしても読者の関心が集まっていた部分でしたので、今回は「感情の境界線があいまいになる時」についてお話していきたいと思います。
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私たちはあまり意識できていませんが、日常的に周りにいる人たちから、さまざまな感情的な影響を受けいているんです。
相手の感情がまるで波のように伝わってきて、気づかないうちに自分の感情が感化されてしまうことは珍しいことではありません。
例えば、目の前に大きな荷物をいくつも背負ってしんどそうにしている人がいたら、「ちょっと持ちましょうか?」と手伝ってあげたり、その人を楽にしてあげたいと思うことってありますよね。
ましてや、それがあなたの家族、恋人、友人など大事な人だったら、なおさら「助けたい」気持ちは強くなるでしょう。
じつは、この「助けたい」という気持ちが周りと自分との境界線を越えて、相手の感情を自分ものとして引き受けてしまうルーツだったりします。
もし、この気持ちを子どもの頃から持ち続けていたとしたら、そして何か自分に出来ることがないかと感じ続けてきたとしたら。
無意識的に他人の感情を受け取って、自分のものだと思い込んでしまうことは何の不思議もないのです。
カウンセリングをしていても、「助けたい恋愛」を繰り返している人の家庭環境や生育環境をくわしくお聞きすると、
・両親の仲が悪くいつもケンカをしていた
・あるいは逆に仲が冷え切っていてお互いの距離が遠かった
・家族の中の誰かがDV、アルコール、病気などの問題を抱えていた
などなど…
というお話が出てくることは少なくないですね。
お父さんお母さんがしんどそうにしている。
家族の誰かのことでみんなが暗い顔をしている。
子供の豊かな感受性は家の中の重たい空気を敏感に察知します。
そして、くわしい事情は分からなくとも
「何とかして、自分が両親を家族を助けたい」
という気持ちを抱えて、子供なりに必死に家族の助けになろうと頑張るわけです。
もし子供時代からずっと長いことそんなことばかりしていたとすれば、成長してからも周りの感情を引き受けて振り回されたり、自分のものだと思い込むようになっても無理はないんですね。
しかも私たちの心には、同じ感情どうしが共鳴しあうという性質があるんです。
小中学校のころ音楽室で音叉を見たことあるんじゃないでしょうか?
同じ周波数の音叉を二つ並べて片方を鳴らすと、もう片方に音(空気の振動)が伝わって共鳴するんでしたよね。(物理的に正しい説明かどうかは自信がないですが)
私たちの心も、周りの感じている感情と自分の中にある同じ感情が共鳴する作用があります。
結婚式のような祝福の気持ちで溢れている場所では自然と幸せな気持ちになりますし、ものすごく怒っているけどムリヤリ抑えて我慢している人のすぐ傍にいると段々こっちがイライラしてきますよね。
家族は一番近い人間関係ですから、お互いに強い感情が常に行ったり来たりしています。
パートナーも家族同様すごく近いですよね。だからやっぱり強い感情が出やすいだけに共鳴しやすいのです。
無意識的に相手の荷物(しんどい感情)を背負っている場合も多いので、
「なぜか知らないけど恋愛をするといつもしんどい」ということも起こります。
また感情を我慢して抑圧しているほど、近くにいる人がその感情を引き受けやすいのです。
だから超自立的な男性とつきあうと、彼が強く抑圧した感情ほど彼女側に伝わりやすくなります。
怒りや悲しみや焦りや不安など、彼が切り捨てたものほどあなたが抱えることになりますし、どれが自分ので彼のものなのか分からなくなって、どんどん苦しくなってしまうのです。
一緒にいるだけであなたが二人分の重荷を背負っているとしたら、しんどいばかりでパートナーシップを楽しむどころではないですよね。
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まるで相手の感情が境界線を越えてきて、自分の心の領域とごちゃごちゃに混ざっていると捉えるとイメージ的には分かりやすいかもしれません。
こんな時に大切にしたいのは「気づく」ことと、「少し間合いをとる」こと。
「これって私の感情?それとも彼の感情?」
「私の心の境界線はここかな?」
という気づきを持てるように、いつも心の片隅にそんな意識を置いておこうと思ってみてください。
なんだか腑に落ちない気持ちが出てきたなあと感じたら、思い返してみるようにしてくださいね。
「あ、私ってまた『助けたい』って思ってる」
と気づけたら、自分の想いがそれだけ強いことも受け入れてみようと思ってください。
心に想いの受け入れる場所があると分かると、ちょっと余裕が出てきますので、そうしたら一歩二歩下がって間合いを取ることができます。
その場所から相手との距離を感じながら、あなたが本当に大切にしたかったこと、分かってほしかった気持ちは何だったか?をもう一度見つけてみましょう。
大切な人を扱うように自分の気持ちを大切にできると、相手の気持ちも大切にできるようになれます。
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パートナーも、両親も家族も、どこまで行ってもあなたとは違う人です。
価値感も、好き嫌いも、生き方も違う、別々の存在です。
相手との「違い」が意識できたとき、私たちの心には境界線が引かれます。
相手との「違い」を知り認めることができたとき、その人への信頼を感じられるようになります。
相手との「違い」を尊重できる間合いから近づいていったとき、その距離は親密感に変わります。
あなたとパートナーの気持ちのどちらかに価値の優劣があるわけではないですよね。
どちらの気持ちも大切にしたいし、できるはずです。
そのときには「私はこう思うのだけど、あなたはそう感じるのね」という、お互いの違いを受け入れながら一緒に進む道を選ぶことができるでしょう。
次回に続きをお届けしますね。
>>>この気持ちは私?パートナー?(その2)~自分自身で生きるということ~
※こちらの記事も参考になると思いますのでご覧ください。
2015/12/20【つきあった彼が超自立だったんですけど、どうしたらいい?(6)~「癒着と親子関係」~】https://kondouakitoshi.jp/archives/65892311.html
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最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。
それでは、今日があなたにとって素晴らしい日でありますように!
心理カウンセラー
近藤あきとし
★【好評です】超自立タイプの男性との恋愛シリーズ
★近藤の執筆したアメブロ【恋愛テクニック】のバックナンバーです。
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