心理カウンセラーの近藤あきとしです。
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それでは、6月28日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。
●優しかったパートナーが突然怒ってしまった理由が知りたい~関係修復へのポイントは◎◎にある~
※今回のブログは女性視点からの話になっていますが、男女を入れ替えても成立しますので男性にも参考になりますよ
「つきあい始めた頃の彼はとても優しくて、何でも『良いよ良いよ』と言ってくれて、どんな私でも受け入れてくれてたのに・・・」
「最近はなんだかイライラしていることが多いし、仕事を理由にデートをドタキャンしたことが何度かあった。」
「話しかけても『ふ~ん』と気のない反応を返されるし、ケンカも前より増えた気がする。」
大好きな彼の心が、どうも自分の方を向いていないと感じた時の不安といったら、居ても立っても居られないものかもしれませんよね。
10年ほど前にカウンセリングに来ていた女性クライアントも、同じようなお悩みを抱えていました。
結婚相談所で出会った夫とは、お互いに40代での初婚でした。
それぞれ一人暮らしが長く、生活スタイルが確立していたため、一緒に生活していくにあたって上手く二人で協力してやっていけるだろうか?という不安があったとのこと。
しかし生活が始まってみれば、思った以上にお互いの相性が良かったようで衝突らしい衝突もなく、穏やかに結婚生活がスタートしました。
ところが結婚して5年を過ぎた頃のこと。ちょっとしたことでケンカになった時に、夫が今まで見せたことがないほど激しく怒りだしたのです。
夫はおとなしい性格で、何事も慎重に進めたいタイプで、感情的になることはほとんどなかっただけに、彼女はとても驚いたそうです。
「二度同じことは言わないからよく聞いてくれ!君の奔放なところも、金遣いの荒いところも最初から気に入らなかった!」
「もうやっていけない!これからは別々に生活することにする!」
夫が吐き捨てるように言った後、彼の部屋にこもってしまいました。
それまでは二人で同じベッドに寝ていたのですが、その日以来、夫は自分の部屋に布団を持ち込んで一人で寝るようになってしまったそうです。
ただ、夫もさすがに激怒してしまったことへのバツの悪さからか、彼女にご飯を作ってくれたり、彼女の好きなスイーツを買ってきてくれるのですが、どことなく二人の間にぎこちない感じが流れてしまい、なんとなくお互いが相手を正面から見れない関係になってしまったのでした。
「一緒に生きていくならこの人だ、と思って結婚したんですけど。違ったのかな?と思っています」
「価値観が合わないのなら、もう終わりにするのが良いのかなと思うんですが、カウンセリングで客観的な意見を聞いてから決めても遅くないかなと思って」
彼女は言葉ではそう言うものの、表情や雰囲気からは夫との関係を諦めているようには見えませんでした。
*
彼女は活発で行動的な性格で、自分を満たすためには労力もお金も惜しまないタイプ。服やアクセサリー、化粧品や食事など、自分自身に投資するモノについては妥協なく良いモノを選びたい人でした。
レジャー・旅行・バカンスも、独身時代は思いついたら出かけていっていたそうで、結婚してからは夫と一緒の外出を楽しんでいました。
と言っても後先考えず散財してしまうわけではなく、目の前の喜びをを目いっぱい味わいたい、「今この瞬間を楽しむ」のが得意な女性なようでした。
対して夫は堅実な性格で、趣味は仕事と貯金だと言うくらい真面目なタイプ。キチンと先を見て計画的に物事を進めていくのが得意な男性だったのです。
それだけに夫から見ると、彼女の自由さやお金の使い方は「ありえない」と感じてもおかしくはなさそうです。
そんな真逆と言っていいくらい二人の価値観は違っているのですが、そんな違っている者同士が惹かれ合うのがパートナーシップの不思議なところです。
この夫婦だけの話ではなく、ほとんどのカップルに言えることですが、人は自分に無い要素を持っている相手にこそ魅力を感じるようなのです(【相補性の法則】と言います)。
夫にしてみたら、彼女の持つ「自由さ」や「楽しむ」という要素には憧れを抱く部分があったでしょうし。
彼女から夫を見ると、「堅実さ」や「計画性」は尊敬できる部分だったはずです(彼女も「キッチリしている所に惹かれました」と教えてくれました。)
では、そんな夫が彼女と5年以上穏やかに暮らし、彼女の自由さを受け入れてきたにも関わらず、急に激怒したのはなぜか?ということですが。
まず、夫は彼女のことを本当に愛していたんです。だからこそ、大きく違う価値観を持つ彼女を理解して受け入れてくることができたのだと思います。
パートナーシップの成長プロセスで言う、いわゆる【ロマンス期】は何をしていても楽しいですし、相手のどんな所も許せてしまえる時代です。
この【ロマンス期】おおよそ半年から、長くても3年で終わると言われていますが、夫が5年も彼女を受け入れてこれたのは、彼の愛の大きさと彼女への想いの深さがあったからなのでしょう。
*
さて本題の夫の激怒の理由ですが、彼女に夫とのやり取りを詳しく聞いていくと、徐々にその事情が分かってきました。
夫は将来のために貯金も投資も堅実に続けてきて、近いうちに今の賃貸から、二人で住むための戸建ての家を買おうと考えていました。
彼女も夫との会話の中で、何度もマイホームの話題を持ちかけられていたのは覚えているとのことでしたが、彼女の興味は今度の旅行であったり、次に買いたいファッションだったので、
「ねえねえ、そんなことより今度はどこへ行こうか?」とか、「週末に◎◎にショッピング行きたいんだよね」などの、自分の話題に変えてしまうことがよくあったらしいのです。
夫も最初のうちは、彼女の話題になっても合わせたり、受け入れてこれたのでしょうが、彼女の言動に少しずつ「自分を蔑ろにされている」感覚を覚えたようです。
もちろん彼女も意図的にそうしたわけではないですよ。しかし夫からすると、二人の将来の生活のために先を見て計画してきた話を「そんなこと」と言われてしまったことは、少しずつ心にやり切れない気持ちを残してしまったのかもしれません。
夫にとっては、自分の大事にしてきた想いや愛情が軽く扱われてしまったようにも感じたのかもしれません。
一回一回はほんの少しの心に刺さった棘のようなものだったので我慢できるでしょう。ただ、我慢が積み重なり、時間が経つほど【怒り】に変わっていくのが人の心の性質の一つなのです。
そして溜まりに溜まった怒りが、ささいな原因でのケンカという火種によって大爆発してしまった。というのが今回の夫婦の危機につながったようでした。
*
【ロマンス期】が終わると、次に来るのは【パワーストラグル】と呼ばれるケンカの時代です。
ここではお互いのやり方がぶつかりあい、どちらのやり方で行くのか?という勝ち負けをハッキリさせようとしたくなるのでケンカが増えるわけです。
今回の夫婦もある意味、教科書通りのプロセスを通っていると言えます。
ここで大事なのは、愛するパートナーの愛が薄まったように感じたり、パートナーが離れていくように感じた時には、もっと愛することが必要だということです。
こういう状況では、つい相手の過去の言動を引っ張り出して、もっと嫌いになる理由を何度も反芻しては「やっぱり私は悪くない。悪いのはあいつだわ!」と思いたくなりますが、これこそがパワーストラグル時代の心の罠です。
そしてこんな嫌な気持ちを手放したくて、ついパートナーとの関係も手放したくなるのですが、ここはなんとしても踏みとどまりたいところです。
カウンセリングの世界にはこんな言葉があります。
「あなたが欲しいものは、あなたが与えにきたもの」
私は彼女に「あなたが『夫にこうして欲しい。こんな夫になってほしい。』そう思うことを、あなたが彼に与えてあげてください。」と伝えました。
彼女は「夫にもう一度愛してほしい。また前みたいにどんな私も受け入れてほしい」と打ち明けてくれましたので、
彼女の与えるべきものは「今の夫に愛を送ること。彼女の方から夫を受け入れること」でした。
今の夫は彼女に背中を向けて離れようとしている状態です。イメージ的には、チラッと振り返るたびに彼女が遠ざかっていく感じがするんです(夫の方が離れようとしているんですけどね)。
にも関わらず、振り返った時に彼女が前と同じ距離にいてくれたら、どれほど夫が安心を感じられるか?想像してみてください。
そしてもし、自分の差し出した愛や想いを彼女が受け取ってくれて、喜んでくれたとしたら。夫はどれだけの愛を感じられると思いますか?
ここでの心の罠は、夫が期待通りに愛してくれないことに対してつい怒ってしまったり、要求をつきつけて夫をコントロールしてしまうことです。すると夫は「やっぱり愛されてない」と感じて本当に離れていこうとするでしょう。
【傷つかない勇気】を持つことが彼女には必要でした。なので、こうも伝えました。
「もし夫の態度や言葉に『ちょっと痛かったな』と感じたら、そっと心に手を当てて今の痛みに自分自身が寄り添ってみようと思って見てください。」
「そこからもう一度、『この人をどう愛そうか?』と、あなたの中の深い慈愛をもった自分に聞いてみてくださいね。」
もし同じような状況にいる読者の方がいらしたら、「今の私は何をパートナーに与えて、どう愛する?」と、あなたの心に聞いてみましょう。
あなたの精いっぱいの優しさと最高の慈愛を見つけられるのは『今』、なのかもしれませんよ。
※参考記事です↓こちらもどうぞ
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。
それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。
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