心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。
「世間は厳しいところだ」
「なんで私ばかり損するの?」
「優しくしてくれる人なんてどこにもいない」
そんな気持ちを繰り返し感じてきたクライアントさんのお話を聞いていると、「この世界に私の居場所なんてないじゃない」という悲しみや絶望が伝わってくることがあります。
その一方で、ある別の思いも同時に感じられるのです。
「この悲しみを喜びに変えたい」
「絶望ではなく希望を携えて生きていきたい」
「世界をもっと良い場所に感じたい」
もし、皆さんが同じような気持ちを抱えていることに気づいたら、ぜひ最後まで読んでみてください。
ひょっとしたら、これまで見ていた世界の景色を変えるヒントになるかもしれません。
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「感情は感じると消えていく」
「感情を抑圧(我慢)すると心の中にいつまでも残ってしまう」
こうした話はカウンセリングを受けたり、心理学を学んでいると必ず見聞きする言葉ですよね。
抑圧した感情は潜在意識の中へしまわれているので、ふだんは忘れているんですけど、ふとしたきっかけで飛び出してくることがあります。
そのきっかけは、ほとんどの場合、誰かとの関係性を通して現れます。
たとえば、
昔お父さんから理不尽に叱られたことへの怒りが、会社の上司から注意されたことで噴出することもあれば、
昔お父さんから理不尽に叱られたことへの怒りが、会社の上司から注意されたことで噴出することもあれば、
誰の助けも借りずに一人で生き抜いてきたのに、甘え上手な友だちを見て腹が立ったり、
初恋の人に浮気された悲しみと寂しさが、今のパートナーの態度を疑ってしまう気持ちの裏側にあったり・・・なんてこともあり得ます。
ついそんな状況では、きっかけを作った相手のせいにして責めたくたくなります。なにせ昔の感情が蘇ってきているなんて思いつかないですからね。
しかも責めたくなるその相手は、気を許せるような仲だったり、大事にしたい人だったりすることが多いようです。
どうでもイイ人ではなくて、むしろ分かってほしい受け入れて欲しいと感じる相手なんですよね。
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視点を変えて逆の立場になったことを考えると、誰かに責められた時は多くの場合、八つ当たりなのかもしれないですね。
その相手にとっては、あなたは分かってほしい受け入れて欲しい人。相手にとってあなたは大事な存在だと思われているようです。
だから責められても怒られても、あなたが悪いわけじゃない。自己嫌悪も自己否定もしなくていいんです。
とは言え、人間なので限度もありますからね。時にはNOを言うことも、関係を遠ざけるのも大事です。
そもそも、相手の溜め込んだツケをこちらが払うようなモノですからおかしな話でしょう?そんな責任はあなたにはないですよね。
責任と言う言葉が出ましたが、
「自分の感情の責任は自分でとる」
これもまたカウンセリングの世界ではよく聞く話です。
「感情の処理は自分でやりましょう。他の人に外部委託はしないでね。」手っ取り早く言うとこんな意味です。
実践するには成熟した意識が必要ですが、大切な人と良い関係を築くうえではとても大切な姿勢。なのですが・・・
やっぱり人間なので、つい忘れて相手のせいにして責めてしまうこともあります。そんな時には後からでもイイので「あの時はゴメンね」を伝えられるようになりたいですね。
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誰だってできれば相手のせいにしたくはありませんし、怒りをぶつけて喜んでいる人もいないでしょう。
だから、相手を責めてしまうより前にできたら良いなと思うのは、『まず自分の心の声を聴いて、口に出す。自分の感情として表現すること』
なぜなら、私たちは抑えてきた感情を一番に差し出したい、届けたいと思うのは、自分自身だからです。
自分の感情を、ただ丸ごと受けとめて表現できると、それだけで心にじんわりと温かさや落ち着きが拡がっていきます。
どうしてかというと、一番分かってほしい自分自身に分かってもらったからです。その瞬間、自分との“つながり”を取り戻せたからなんですね。
心の声を丁寧に聞き入れて、自分の言葉で表現する。
ただこれだけのシンプルなやり方ですが、慣れてくると、
悲しみ、寂しさ、怒り、恨みを感じさせるような出来事、状況、人間関係が、あなたの周りから大幅に減っていくのを感じられるはずです。
同時に、周りからあなたに向けられた優しさが見えるようになります。
不思議な話に聞こえますよね。そんな都合よくいくわけないだろう、って。
私自身、カウンセラーになる前は周りの99%は敵に見えていました。それが私の見ていた世界でした。
でも今はそっくり逆転した世界を見ています。
私がどんなクライアントさんと向き合っても、人はどこからでも変わっていける可能性があるし、人生を切り拓く力を持っていると信じられるのは、自分の経験が大きな根拠になっているからかもしれません。
自分の感情を素直に感じられると、どうやら世界は優しい場所に変わってしまうようです。
「私の居場所なんてない」と思っていたはずが、居心地のいい場所になるんです。
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若干理屈っぽいことも書いてしまいましたが、ちょっとこんな想像をしてみてください。
好きなモノを全力で「好き!」って言える。
嬉しいことを思いっきり「嬉しい~」って言える。
みんなが温かく受け入れてくれる。そんな世界って、あなたにとってどんな場所でしょうか?
【自分の心の声を丁寧に聞き入れる=感情を感じて表現する】
これは一人でも出来ないことはないのですが、経験上もっとも簡単で効率が良いのは、人との関わりを通して取り組むこと。
安心して自由に感情を感じられる場で、あなたがもっと良くなりたい思いを応援してくれる人たちの中で、周りとのつながりを感じることです。
じつは人とのつながりを感じることを通して、自分とのつながりを取り戻す方が楽なのでオススメなんです。
私のカウンセラー仲間の、大塚統子さんはこうした心の取り組みを長年積み重ねて、実体験で癒しを実践してきたカウンセラーです。