いつもありがとうございます。
心理カウンセラーの近藤あきとしです。
●男性の前だと気持ちを隠してしまうのはどうして?(3)
前回の記事(2)の続きになります。

(1)はこちらです。

ある女性クライアントさんから、このシリーズの(1)(2)を読んでみて、「私の場合は男性の前だと恥ずかしさが先に出てしまって、素直な気持ちをうまく表現できないんです」というお話を聞きました。
そこで今回は、「お父さんとの関係」「初恋の失恋」に続いて、『男性の前だと気持ちを隠してしまうのはどうして?』第3弾として「恥ずかしさ」をテーマにお届してみたいと思います。
いきなりですが、ちょっと想像してみてください。
あなたは大好きな彼から正面から見つめられて「愛してるよ」と言われたら、どんなリアクションになりそうですか?
逆に大好きな彼、または想いを寄せている男性の目をまっすぐ見て「大好きです」と気持ちを伝えることはできそうでしょうか?
私たち日本人はただでさえ「慎み深さ」や「遠慮すること」が美徳されてきましたから、自分の気持ちをストレートに表現することに慣れがないんですよね。だからなかなか難しいという人は多いんじゃないかと思います。
そして同時にとても「恥ずかしい」という気持ちが強く出てしまうんですね。
先のクライアントさんも、デートの時に彼からプレゼントを貰っても、つい
「いま渡されても荷物になっちゃう」
と言って素直に喜べなかったり、
一緒に歩いている時に彼がバッグを持ってくれようとしても
「わたし自分で持てるから、ほっといて」
と手をはらいのけてしまったことが、これまで何度もあったそうです。
本当はそんなことはしたくないのに、好きな人から優しくされたり愛情を感じたりすると、恥ずかしくなって反射的に「嬉しい」という素直な気持ちを隠して、全然違う表現をしてしまうのです。
どうしてそんなことが起こるかというと、私たちが何かを「隠さなくていけない」と感じる裏には、「わたしはきっと嫌われるだろう」という心理が潜んでいるからです。
多くの場合、そのルーツは思春期にあります。
ここを詳しく解説していくとそれだけで記事が終わってしまいますので細かくは書けませんが、自分自身を隠さないといけないような「愛されるに値しない」存在なんだという思い込みをもつようになるのです。
そうすると好きな人に「好き」と伝えることも、優しくされて嬉しい時に「嬉しい」を表現することも、自分を良くない存在だと思いこんでいる分だけ、素直に伝えられなくなってしまいます。
すると、本当は彼のことが大好きなのに言葉や態度に表現されていませんから、心の中の「大好き」という気持ちもほとんど彼には届いていないということが起こりやすいんですね。
彼女側はどこかで彼に好きな気持ちは伝わっている(心の中は大好きでいっぱいなので)と思っているのに、彼側からすると一緒にいても全然そうは思えなかったりします。
そしてある日、突然
「僕では無理なんだよね。もう別れよう。」
と言ってきたりすることもありえます。
そうなってから、
「違うの、本当にずっと好きだったの」
と言っても、彼からすると
「え~!全然そんなこと言ってなかったよね」
と混乱してしまって、関係を修復することがとても難しくなってしまうのです。
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ここまで読んでいて、「わたしもだいぶ恥ずかしがり屋さんかも」と思われた人もいるかもしれませんよね。
そんな人のために、恥ずかしさを越えて大好きな人ともっと仲良くなるための簡単なエクササイズをご紹介します。
●家族や友だち、職場の仲間などに感謝できることを探して伝えてみる。
●同じくその人たちの良いなと思うところや、素敵だなと思う部分を褒めながら伝えてみる。
いきなり大好きな彼との間でやりとりするのは、緊張してしまうかもしれませんし、まずは身近なひとに気持ちを伝えるところから取り組んでみるとイイですね。
もしそれも難しく感じるようなら、
●コンビニやカフェの店員さんにお会計の時に「ありがとう」や「美味しかったです。また来ます。」など、もう少し遠い関係の人に伝えてみることから始めるとイイでしょう。
もし、それもハードルが高く感じるのであれば、
●一冊小さめのノートを用意して、そこに身近な人たちの様子を見ていて感じたことを、毎日書いていくことがオススメです。
例えば「会社の向かい席の鈴木さんは今日なんだか嬉しそうだった。何か良いことがあったかも」とか、「友だちの佐藤さんは今日ちょっと元気がなさそうだった。顔色も良くなかったし調子悪いのかな?」など、あなたが主観的に感じたことをその度に書きこんでみてください。
感じたことをアウトプットすることに慣れてくると、だんだんと自分の気持ちを表現する言葉のストックが増えていきます。
すると何か伝えようとした時に言葉がスムーズに出てきやすくなりますからね。
上のエクササイズのどれにも言えることですが、相手に気持ちを伝えられた体験を重ねた分だけ、受け入れてもらえた感覚があなたの心の中に育っていきます。
すると「わたしは愛されるに値しない存在」という自己概念が徐々に小さくなっていきます。「きっと嫌われる」という思い込みが、「きっと受け入れてくれる。わたしを喜んでくれる。」に変わっていくんです。
本当の気持ちを伝えた方が相手が喜んでくれることが肌で分かってきたら、大好きな彼に本音を伝えてみてください。
その時には言葉はもちろんですが、表情や態度や雰囲気でもあなたの「大好き」「嬉しい」という気持ちを表現してみようと思ってみてください。
カウンセリングで恥ずかしさのルーツを癒していくこともできますが、まずは行動から手を付けていくのもアリだと思いますので、恥ずかしがり屋さんはぜひトライしてみてくださいね。
次回の恋愛テクニックもお楽しみに↓

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最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。
それでは、今日があなたにとって素晴らしい日でありますように!
心理カウンセラー
近藤あきとし

