カウンセリングをしていると、
「彼女(彼)が依存的で、だんだんうんざりしてきたんです」
というご相談を受けることがよくあります。
つきあい始めの頃はパートナーが甘えてきたり、あれこれお願いされるのは嬉しかったはずなのに、だんだん面倒に感じたりうんざりしてきた経験、みなさんもあるかもしれませんね。
ほとんどのクライアントさんは、パートナーが依存的で、自己中で、思い通りにならないと怒りだす。まるで子どもを相手にしているようだと言うので、
「もう別れようかな、と思ったことはないんですか?」
と私が聞いてみると
「そうですね、無くはないのですが。何だか気になるんです・・・」
と答える方が少なくないのです。
どうして、相談に来られた人たちはうんざりしても、嫌気が指してきても、今のパートナーとの恋愛を続けているのでしょう?
それはなぜかというと、パートナーの依存心というのは、実は私たちの恐れのシンボルであり、また本当は満たして欲しい欲求を映し出している(投影している)からです。
自分自身が依存側だった恋愛を経験したことのあるは分かるかと思いますが、相手に対して依存的になると、常にパートナーに振り回される恋愛関係になってしまいます。
そうなると、苦しさ・さみしさ・惨めさなどをたくさん感じますよね。
・パートナーからの連絡をずっと待っている
・パートナーが別の異性と話しているのを見るだけで嫉妬の感情に苦しむ
・いつか別れを告げられると思ってしまうので、二人の時間を楽しめない
・嫌われないように気を使うので本音がコミュニケーションできない
・都合の良い存在になって利用されてしまう
など、いろんなネガティブな感情を感じてしまいます。
依存の恋愛というのは、感情的にとってもしんどいわけです。
そして、今までの自分に嫌気がさすと
「もう二度とパートナーや感情に振り回されるのは嫌だ!」
という決意をする時が来て、
「今度は絶対にあんな事にはならないように、私は誰からも振り回されないようになる!」
と、一気に方向転換するんですね。
ところで、恋愛で相手に振り回されないようにするにはどんな方法があると思いますか?ちょっと考えてみてくださいね。
◇振り回されない恋愛をするには?
その1【自分が自立側に立って、パートナーが依存側になる恋愛】
自分が自立すると、感情の力学によって依存的で甘えてくるタイプのパートナーと出会うことがほとんどです。
そうなると、今度は振り回されるのはパートナーになりますから、自分はしんどくはないですよね。
ただしパートナーが依存的になるので、パートナーの欲求を満たすことに頑張らないといけなくなりますから、結局はしんどい思いをすることになってしまいます。
その2【恋愛自体をしない・興味を持たない】
こう決めている人は少なくないんじゃないでしょうか?
そういう人のお話を聞いていると、
「出会いがない」「魅力的な人が身近にいない」「イイなと思う人はみんな結婚している」
と言われることが多いですね。
また、すでにパートナーのいる相手とばかり付きあったり、目に留まってしまう人は、心の奥に
「未来のない恋愛だから、彼(彼女)が自分の気持ちを受け止めてくれないのは仕方がないから・・」
という、諦めを始めから持っていたりするのです。
上の二つの方法はどちらも、
「振り回されたくないので、パートナーへの欲求や期待が出ないように恋愛を遠ざけている」
ということを潜在的に感じていることが多いのです。
私たちがパートナーや恋愛に振り回されてしまう理由は、私たちの心の中に隠れた欲求や期待があるからなんですね。
そして、同時に「でも、それは叶うはずがない」と感じています。
※このあたりも
前回の記事を読んでいただくと、期待しないように我慢や感情の抑圧をしたことから起こっていることが分かると思います。
自分はあきらめている(ことにしている)のに、目の前で平気で甘えたり、人に任せっきりの態度を見せつけられると、
「どれだけ私が我慢してると思っているんだ!いい加減にしてくれ!」
という気持ちになってしまうのです。
◇あなたのパートナーのもたらしてくれるチャンス
依存的なパートナーに嫌気が指してきたときというのは、心理的には私たちの心の中に、満たされていない欲求や期待が隠れていることを教えてくれているときなんですね。
あなたが依存を嫌っている分だけ、同じくらいの度合で依存的なパートナーを嫌ってしまうのです。
逆に言うと、あなたが自分の隠れた欲求や期待を満たせると、パートナーの依存に我慢も無理せずに向き合えるようになれるわけです。
今日はあなたの中の隠れた欲求に気づいてみましょう。よかったら次の質問に順番に答えていってみてくださいね。
・パートナーがあなたに期待しているジャンルを、本当は「あなたが過去に、誰かに期待として持っていた」としたら、それはどのくらい前のことで、誰に対してだったでしょうか?
↓
・今までのパートナーや異性の親から貰いたかったモノ・コトで、あなたが貰えなかったモノ・コトは何でしょうか?
↓
・欲しかったモノを貰えなかったときに、あなたは二度と傷つかないために何をしようと(あるいは、しない)と決めましたか?
どんな答えが出てきたでしょうか?人によっては、重くて、イヤ~な気持ちが出てくるかもしれません。
それは欲求や期待を切り離して、抑圧しようとしてきた度合が強いほど感じるモノなんです。
本当は、その隠してきた欲求を満たしたくて、自立をして、誰にも頼らずに生きてきたのかもしれませんね。
そのパターンから抜け出すには、あなたの方がパートナーを頼りにすることです。
「そんなこと言っても、この人にどうやって頼ったらいいの?」
と思うかもしれませんが、それこそが「あなたが自分の弱い部分と向き合わなくて済む」という言い訳にしていることに気づいてくださいね。
私は最初のほうに、パートナーの依存心は私たちの恐れのシンボル、と書きました。
「隠してきた自分と向き合うことの怖さ」を、あなたはパートナーに見てしまうからです。
しかし、同時にこうも言えるのではないでしょうか?
「パートナーは、あなたの満たされなかった痛みを癒し、パターンを変えるチャンスを持って現れた」
勇気がいることですが、これからの私が生きたいのはいったいどちらの自分なのか?選択をしてみてくださいね。