いつもありがとうございます。
心理カウンセラーの近藤あきとしです。
2014年2月11日に開催されました、東京カウンセラーズ・フェスタで講演させていただいた『最高の恋愛は最高の癒し(ヒーリング)』の内容を5回(4月17日~21日)にわたってお送りしたいと思います。
今回が第5回になります。
-------
(以下がAさんからのメッセージです)
『ずっと「誰かのため」に生きてきた私は、自分のために生きていいと言われても、正直どうしたらいいのかわかりませんでした。
今も、まだまだ痛みから完全に抜け出したわけではないけれど、誰かの言う「正解」に自分の人生をあてはめるのではなく、自分の中の真実や願いに素直になって、いつかすべてを抱きしめられるようになれたらなと思います。
そして、何かを与えられる人になれたらな、と。
今まさに癒着に苦しんでいる人、まだ癒着には気づかず何か窮屈さを抱えている人。
あなたは何も悪くありません。
誰も悪くありません。
そのことに気づいていくのに、時間がかかったり、苦しいこともあるかもしれませんが、きっと助けてくれる人がいます。
私は残念ながら、幼い頃に欲しかった愛を、私が望む形で得ることはできませんでしたが、それでも、この道を歩いてきたことを後悔していません。
できることをやり尽くしたからこそ今があるし、大好きな人と本当に欲しかった温かい居場所が少しずつ、確かにできていっていますから。
これは私の両親が見ることのできなかった世界なのでしょう。
本当の私をきちんと見て、無償の愛を注ぎ、心から応援してくれる存在がいるこの世界は。
それを味わえている私は、幸せなのだろうと思います。
そして、これからもこの世界で、居場所をさらに広げていければいいなと思います。
あなたは確かに誰かを助けているし、あなたの幸せを心から願っている人もいます。
だから、もうそれ以上傷つかず、自分を守ってください。そして、疲れた自分をいたわってあげてください。
誰かに向けてきた優しさを自分に向けて、堂々と自分の幸せのために生きてください。
私も今度はそこに、挑戦してみようと思います。
意識しなくても、それが選べるようになるまで。』
(ここまで)
どうして私たちは恋愛をし、パートナーを選び、その人と一緒にいたいと思うのでしょうか?
そこにこそ、最高の恋愛・結婚を受け取る為のヒントが隠されていると、わたしは考えました。
おそらく多くの方が、相手が好きだから、愛しているから、この人だと思ったから、そんな気持ちで恋愛がスタートしていると思います。
しかし、私たちは心の表面でそう思っているに過ぎないかもしれないのです。
では、意識の奥底では本当はどんなコトを感じていると思いますか?
それは、パートナーとの関係が私たちの心の奥にある「秘密の押入れ」にしまい込んである、心の痛みを癒してくれるからなんですね。
Aさんが子供の頃に絶対に外に出すまいとしまい込んだ「本当の自分の思い」を、彼と出会ったことで行動に移して、思いを実現できたように。
私たちは自らの過去の痛みに気づき、向き合い、癒していくことで人生に対する恐れや不安に縛られることなく「本来の自分自身」に近づくことができるのです。
大好きな人と一緒の時間を過ごしている時、誰だって最高の幸せを感じますよね。
そんな気分でいられる時には、誰もが優しくなれますし、穏やかな気持ちで愛情を受け入れられます。
そして、相手にももっと幸せを感じて欲しいと思うでしょう。
たとえ自己否定をしていても、犠牲ばかりしていても、癒着に気づけずに自分以外の誰かのため人生を送ってきた人であっても、最高の恋愛をしている時には、今生きていること自体が喜びに感じられたり、自然に相手に感謝することができるものですよね。
その瞬間、私たちの心の「秘密の押入れ」にしまい込んだ、冷たく硬く閉ざされた過去の痛みが、愛情の温もりで溶かされ、悲しさ、寂しさなどの古い感情が流れ出てくるのです。
すると痛みが癒されて緩んでいった分だけ、自分のすべてを認めることができるし、相手のすべてを許して、受け入れたいと感じるようになっていくんですね。
お互いに相手に与えあえるパートナーシップは、それ自体が1つの癒し(ヒーリング)になっていることを、私はカウンセリングを通して、そしてAさんのような友人に教えてもらいました。
パートナーシップを通して、もっと相手と近づきたいと思う時にこそ、癒されていなかった心の痛みが人生の罠のように、相手を通して人生の問題となって私たちの目の前に現れてくるのです。
つまり、私たちは最高の恋愛を望み叶えていくことで、その関係の中で自分の痛みを癒し、相手も癒し、「本来の自分自身」に近づいていけるということなんですね。
パートナーとの親密感を高めていくこと、繋がりを深めていくことが、私たちが「本来の自分自身」を取り戻すためのプロセスになっていくのです。
恋愛や結婚生活の中で問題が起きても、どうかそこから目を背けないようにしていただきたいと思います。
パートナーの心に近づいていきたい気持ちと親密感に、背を向けないようにしていただきたいと思います。
そこから見えてくる人生の罠に気づき、乗り越えていくたびに「本来の自分自身」に近づいていくことが出来ます。
ただ一人で全部なんとかしようとは思わなくて大丈夫です。
みなさんの周りにはきっと頼れる人、愛してくれる人がいるはずですから。
みなさんも痛んだ過去の自分を癒して、愛を与えていける自分で生きてみたいと思ってみてください。
そしてそんな自分を表現できるように、その一歩を踏み出してせるようにチャレンジしてみてください。
いつか、それが自然な自分だということにみなさんが気づける日が来ることを願っています。
(終わり)
-------
講演の内容は以上になります。
最後が若干唐突な感じがしますが、総合テーマの「恋愛・結婚」に結びつけることが上手でなかったというコトは内緒です^^;
「癒着」を語ろうとすると、それだけで1冊の本を書くことが出来てしまうくらい根深く、単純ではない問題であると言えるでしょう。
カウンセリングをしていると、「癒着」を切り離せず、恋愛・結婚が思うように進んでいかないという女性に出会うことは本当に多いんですね。
そんな方たちに少しでも、「本来の自分自身」の人生を生きるきっかけを与えることが出来たら、そう思ってこのテーマを選んだのです。
-------
講演原稿はここまでですが、次回にあと少しだけ「癒着」についてのまとめをお送りしたいと思います。