■Vol.7~「お客さまのメッセージから」
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
心理カウンセラーの近藤あきとしです。
前回の記事についてのコメントをいただきました。
こんにちは。いつも近藤さんの記事、楽しみにしています。
心にジーンと響いてくるような気がして、良いなあと思います。
私の高校時代からの友人が、今うつ病で数年仕事をせず、ずっと家にいます。
本人は休みながらも色々小さなボランティアやバイトなどをしているようで、ずっと家にいるわけではないですが、かなりつらそうです。
体の方にも痛みとか、死にたくなる衝動が常にあるとか、SNSで様子を見れるのですが、つらそうです。
近藤さんの記事にあります、『本人の気持ちに少しでも近づき、理解しようと思ってみてください。動かそうとするのではなく、理解してみようと思ってみてください。』が今の私には出来ません。
彼女もむしゃくしゃするのか、今までの友人関係も喧嘩を起こすことが多いようですが、私へは信頼をしてくれてるらしく。ただ、その私だけに頼ろうとする姿勢、が私にとってはとてもいやな気分になるのです。
いやぁ。私もしんどいのに、あなたまで助けられないし!ってむかついてくるんです。 友人の日々が穏やかになってほしい、むしろ生きていてくれたらそれでいい、と思ってます。
ですが、「早く死にたい、私が死んでも誰も困らない」なんていう友人を見ると、悲しくなったり甘えんなよ、いちいちうるさい奴、と思ってしまいます。
素晴らしいメッセージをありがとうございます。
送っていただいた内容は、とても多くの人が抱えている悩みではないでしょうか。
今回はこちらのメッセージに応えるかたちでお送りしたいと思います。
お名前がなかったので、仮に長月さん(9月だから)とお呼びしますね。
コメントを読んでいると、長月さんがお友だちをどれだけ大切な存在だと感じているか、そしてあたたかい思いで関わっているのかが伝わってきますね。
でも、つい厳しい目でみてしまう時もあるみたいですね。
今よりも少しでも良くなって欲しいという気持ちが強い分だけ、何とかしてあげられるコトはないだろうか、と思って悩んでこられたのではないでしょうか?。
うつ病に限らず、その他の様々な病気でも言えることなのですが、病気の本人を支える周りの人たちが、思いがけず感じやすい気持ちがあります。
それは、「何もしてあげられなくてゴメンなさい」「助けてあげられない自分が情けない」、そして時には「自分たちが健康で申し訳ない」とまで思ってしまうコトもあります。
心のどこかで自分自身を責めてしまうのです。
~~-~~-~~-~~-~~
自分を責める感情を感じるコトは、誰でも気持ちの良いモノではないですから、自分からなるべく遠ざけたくなるものです。
そんな時に私たちが良くしていることが、「怒り」を使って、自分を攻撃している嫌な感情にフタをして感じないようにするんですね。
※「怒り」という感情については、私のもう一つの連載シリーズ「もしもあなたに世界が救えるなら」の中で『怒りのパターン』という記事を掲載してありますので、読んでいただけると参考になるかと思います。
怒りを相手に向けている時には、自己攻撃を感じなくてすむので、自分が申し訳なさを感じそうになる相手には、怒りが自動的に湧いてきてくることって、とても多いんです。
そして、実はその「怒り」を長月さんのお友だちもたくさん抱えているんじゃないかと思いますよ。
うつ病の方は、非常に強力に怒りを抑え込んでいるケースがとても多いんです。
もしかすると、お友だちもだいぶ長い間我慢をしてきて、それが限界になってうつになったのかもしれませんよね。
限界を超えた怒りを抱えていると、何らかの方法でそれを解放することが必要になってきます。そのやり方は色々あって、会社や学校でキレる、身近な誰かに当り散らす、病気になる…
などその人によって表現の仕方は違うのですが、それくらい自分が乱れていて酷い状態であることを(適切な方法とは言えませんが)そうすることで感じようとするんですね。
また同時に周りの人たちにも、これくらい自分は辛い状態なんだと言いたいのですが、どう考えても、理解してもらったり、助けてもらえたりしやすい態度ではないですよね。
無自覚にわざわざ愛されにくい態度をとってしまうのも、うつ特有のネガティブに偏った感じ方が、そうさせていることだったりするんですね。
~~-~~-~~-~~-~~
共通しているのは、自分にとって安心を感じる場所でそれをやってしまうことなんです。
それを踏まえて考えると、お友だちはどうやら長月さんを誰より安心できる人だと感じているようですね。
だからと言って、黙ってお友だちの言うことを受け止め続けないといけない訳ではないですよ。とは言え、どうして目の前の人が愛されにくい態度をとってしまうのか?
それは長月さんなりに、お友だちの感じている心の世界を思い巡らせてみることは大事だと思います。
これから長月さんがどうしていったら、自分もラクになって、お友だちへの関わり方も本来長月さんがしてあげたい形で接していけるようになるかというと。
それは自分を大切にしていくことだと思います。
それっていろんな人が言っているし、本にも書いてあることだよね、と思われたかもしれませんが、うつの人と関わっていくにはとても大事なことなんですよ。
それはどうしてかというと…
まだまだ伝えたいことがあるので、ちょっと長くなりそうです。
また明日続きを掲載しますね。
(「お客さまのメッセージから その2」に続く…)
-
Vol.0~新連載シリーズのお知らせ「あなたの大切な人の『うつ』をラクにする方法」
-
Vol.1~「支えている皆さんへ」
-
Vol.2~「幸せのリーダーシップ」
-
Vol.3~「周りにいるからこそ気づけるサイン」
-
Vol.4~「初期段階の心理と接し方のコツ part.1」
-
Vol.5~「初期段階の心理と接し方のコツ part.2」
-
Vol.6~「初期段階の心理と接し方のコツ part.3」
-
Vol.7~「お客さまのメッセージから」
-
Vol.8~「お客さまのメッセージから その2」
-
Vol.9~「必要な時間」
-
Vol.10~「どうして“頑張って”と言ってはいけないのか?」
-
Vol.11~「いっぱいいっぱいなのはどちらか?」
-
Vol.12~「なんとなく調子が良くないとき」
-
Vol.13~「なんとなく調子が良くないとき(その2)」
-
Vol.14~「普通に接することの大切さ」