日々カウンセリングをしている中で、クライアントの魅力を発見することは私にとってとても楽しいことの一つです。ほとんど習慣になっているので仕事以外でも、黙っていても目の前の人の素敵なトコロってどこかな?
と考えてしまっていることに気づく時も良くあるんです。
そこから間違いなく言えるのは、みなさんにはそれぞれに魅力があり、魅力の無い人なんていない、ということです。
しかし、自分の魅力を受け入れそれを十分に発揮して、幸せを感じながら生きている人と、自分の魅力が何かを知りながら、それを活かしきれずに苦しい生き方をしている人がいます。
今回は魅力を認識している点では同じなのに、どんな違いがあって幸せを感じられる生き方と、苦しみの人生に分かれてしまうのかを考えてみたいと思います。
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例えば、みなさんが素晴らしい美貌をもった女性だとしましょう。
周りの人たちから「とても綺麗ですね」「あなたみたいな美しい人は見たことがないわ」などと褒めてもらった時に、
「ありがとう、とても嬉しいわ」と認めてもらったことを、感謝と共に受け取れていれば、自分も嬉しいですし、伝えた相手も嬉しくなるでしょう。
美貌という魅力を受け入れ楽しめていると、自分も周りも幸せな気持ちになれるんですね。
しかし、魅力である「美貌だけ」が私自身だと思っていると、褒められたとしても「どうせ私なんて見た目だけが取り柄よ」「綺麗って言ってくれるけどホントの私を見てないから言えるのよね」なんて言葉が出てきてしまうかもしれません。
また例えば、みなさんが人を笑わせる才能、「面白い」という魅力があり、いつも周りの人を楽しませて盛り上げていたとします。
「一緒にいると本当に楽しいよ」「お笑い芸人より面白いね」と褒めてもらった時、「僕もみんなの笑ってる顔が見られるのが楽しいんだ」と魅力を喜びに出来ていると周りの楽しさが自分の楽しさになり、その価値を分かちあっていけるでしょう。
しかし、「面白さだけ」が自分だと感じていると、「僕が面白くなかったら相手にしてくれないのかな」「ただ笑わせて欲しいから近づいてくるんだろう?」という皮肉も言ってみたくなるかもしれません。
(他にも、高学歴、運動神経、優しさ、明るさ、元気の良さなど、自分に当てはまるもので考えてみるといいでしょう)
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「魅力を受け入れ、楽しめている」と自分も周りも幸せになれるけれど、「魅力が自分自身」だと思うと、苦しい生き方をしてしまう。と言えるのではないでしょうか。
それは「美貌=私」「面白さ=僕」のように「魅力=自分自身」だと感じてしまうからなんですね。まるで魅力に自分を乗っ取られたかのように感じてしまうのです。
そうなると、みなさんの魅力を感じて近づいてきた人たちを、私の「体が目当て」のような、僕の「面白さしか見てない」ような感覚で見てしまうのです。
他の例えで言うなら、もしみなさんが大金持ちの男性だったとしたら、きっと近づいてくる女性が「自分のお金が目的」かのように思ってしまうでしょう。
それは「お金=自分」であると感じてしまうから、相手も自分を見ているのではなくお金を見ているんだと誤解してしまうからなんですね。
でもそれらは本来は逆なんですね。本当は、美貌や、面白さや、お金持ちという魅力があり、その他に更に色々な長所や才能を持っているはずなのですが、魅力の部分しか見られていないと思ってしまうと、そこに価値を感じることが難しくなってしまうのです。
すると、私たちは様々な落とし穴を自分に仕掛けてしまうんですね。
みなさんが女性は自分のお金を目当てに近づいてくると思い込んでいると、出来るだけ女性から遠ざかるように気をつけるでしょう。
そうすれば騙されたりお金が無くなることは避けられるでしょうが、その分だけ幸せな恋愛をすることも出来なくなってしまいます。
また、近づいてくる男性は、私の体が目当てだと思い込んでいる女性の場合も同様な状況になると想像するコトは難しくはないですよね。
そんな時には、こんな考えも浮かんできたりします。
「きっと周りの人は、私の体(お金)が目的なんだ」
「でも言われてみれば、確かに私には体(お金)しかないかも…」
だから、
「今日はセックスしたくないけど、彼がしたいって言うから…(そうしないと別れるって言われるかも)」
「欲しいモノがあったら僕が買ってあげるね(でないときっと好きになってもらえない)」
というように、自分の魅力の部分を安売りしたり不自然に強調して、その結果みなさんが「体(お金)だけの人」になってしまうことも起りえるのです。
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自分は「○○だけしかない」そんなことを、いつの間にか決めつけてしまうことが私たちにはあるのです。
それは、人生のどこかの時点で受けた心の傷がそう感じさせている場合もありますし、心の中で潜在的に「何かをしなければ、愛してもらえない」という不安も持っているからなのです。
すると、自分の魅力を標的をおびき寄せる為のエサのように使ってしまったり、相手からの愛情や優しさという、欲しいモノを手に入れる為の取引材料のように扱ってしまうんですね。
それをしなければ相手から欲しいモノが貰えないと思ったら、手に入れる為に何度でも繰り返すことになり、どこかで辛いとは分かっていても、止めたら貰えないという不安から次第に悪循環に陥ってしまうこともあるでしょう。
それは続けていくには、あまりにも苦しい生き方です。
お金持ちの例で言えば、もしみなさんが「自分にはお金しかないんだ」と思い込んでいたとしたら。
周りに受け入れてもらう為に、ついみんなの前では気前よくしてしまったり、好きな女性が欲しがっているモノを次々に買って貢いでしまうこともあるかもしれません。
お金持ちであることを、安売りをしたり変に強調してしまうと、その分だけ次第に周りにはみなさんのお金だけに興味があって、それを目当てにした人が集まってきてしまうでしょう。
みなさん自身を好きになって、近づいてきてくれる人が少なくなってしまうのです。
そして、それは結果的に「自分がお金だけの人」であることを証明することになりかねません。
「私の取り柄はお金だけ」という間違った思い込みと、潜在的な不安が、そういった現実を引き寄せてしまうんですね。
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私たちは自分の魅力を受け入れて、楽しむことが出来ないと
・魅力を感じて近づいて来る人たちを遠ざけるか、
・魅力を安売り・強調してしまい、自分の価値を下げることになり、
結局は苦しむことになってしまいます。
心理学では、私たちの潜在意識の中で感じていることが、現実として目の前に映し出されていると言われています。
だとすれば、今みなさんが頑張っているのに報われていないと感じていたり、自分自身を差し出してまで尽くしているのに、貰えている報酬がほとんど無いと感じているとしたら・・・
自分は「魅力」を楽しんで幸せを感じる為に使っているのか、不安や恐れを感じながら使っているのかを見直してみることが必要かもしれません。
魅力を発揮する時は、自分も周りも楽しめて幸せになれるコトに使ってみましょう。
そうすれば、みなさんが今まで感じてきた、嬉しさ楽しさ以上のご褒美がやってくるはずです。
その時には、魅力を取引やエサに使わなくても、みなさんには十分愛されるだけの価値があることを、今よりもずっと楽に受け取れるようになっていますよ。