こんにちは。心理カウンセラーの近藤あきとしです。
カウンセリングの現場で、こんなご相談をいただくことがよくあります。
「毎日、仕事や雑務に追われて忙しすぎて、パートナーや家族と過ごす時間が全然とれません」
「いつも時間に追われていて、大切な人とじっくり向き合う余裕がないんです」
こうしたお話を伺っていると、クライアントさんの心の中には、常に「何かをし続けていなければいけない」「やらなきゃいけないことが山ほどある」という焦りや緊張感が満ちているのを感じます。
今日は、忙しさに追われるあまり大切な人とのつながりを見失ってしまう心理と、そこから抜け出して新しい幸せを手に入れるためのプロセスについてお話ししたいと思います。
忙しさが奪っていく「今、ここにある愛」
もし私たちが、いつも何かに追われ、「何かをしなきゃ」と頭をフル回転させたままパートナーや家族と接していたらどうなるでしょうか。
相手はきっと、「この人は今、私(僕)と一緒には居てくれていないな」「心ここに在らずだな」と感じ取ってしまうものです。
そんな状態のとき、私たちがどれだけ相手のために時間を作り、お金を使い、一生懸命に愛情を注ごうとしても、残念ながらその想いはまっすぐには届きにくくなってしまいます。
そして同時に、相手があなたに向けてくれている温かい愛情や優しさにも、あなた自身が気づけなくなってしまうのです。
もし今、あなたが「大切な人からの愛を感じられない」「なんだか孤独だ」と感じているとしたら、それは愛情がなくなったわけではなく、忙しすぎることで、心がいつも「大切な人以外の何か」に奪われてしまっているからなのかもしれません。
根底にある「何もしていない自分は愛されない」という思い込み
では、なぜ私たちはそこまで自分を忙しくさせてしまうのでしょうか。
その根底には、多くの場合、こんな思い込み(心理学でいう「観念」)が隠れています。
「何も役に立っていない自分には価値がない」
「何か成果を出したり、与えたりしていない自分は愛されない」
私たちは大人になっていく過程(自立のプロセス)の中で、「何かができる自分=認められる自分・愛される自分」という方程式を無意識に作り上げていきます。
だからこそ、何もしていない時間があるとソワソワしてしまったり、自分を責めてしまったりするのですね。
でも、ここで少し立ち止まって考えてみてほしいのです。
あなたのパートナーやご家族、大切な友人たちは、本当にあなたに「成果」や「完璧な役割」だけを求めているのでしょうか。
実は、周りの人たちは「あなたがただそこにいて、笑顔で一緒に過ごしてくれるだけでいい」と思っていることも、たくさんあるのです。
「受け取ること」への戸惑い
長年、「自分が頑張る(与える)ことで愛されるんだ」と信じて生きてきた人にとって、「何もせず、ただ一緒にいるだけ」という時間に愛情を感じることは、最初はとても怖く、戸惑う体験になります。
「本当に何もしなくていいの?」「こんなに楽をしていていいの?」と疑いたくなってしまうかもしれません。なぜなら、”何もしていない自分が愛される”という世界を、今まで信じたことがなかったからです。
けれど、その戸惑いを超えたときに初めて、私たちは長年忘れていた「自然体で自分らしくいられる感覚」を取り戻すことができます。そして、目の前の人がずっと送ってくれていた温かい気持ちに、ようやく気づくことができるのです。
「心を亡くす」悪循環から抜け出すには
漢字で「忙しい」とは「心を亡くす」と書きます。まさに心を亡くしてしまうことで、私たちはパートナーや家族、大切な人たちとの「つながり」を感じる感覚を失ってしまいます。
そうすると、心の中では次のような悪循環が起こり始めます。
- 心を亡くしているため、愛やつながりが感じられず不安になる
- 不安を打ち消すために、もっと頑張ろうとする(=さらに感じる余裕がなくなる)
- さらに不安が増し、「もっと何かしなきゃ」と自分を追い込む
- そしてまた1に戻り、繰り返してしまう
もし今、あなたがこの悪循環にはまり込んでしまっているとしたら。
今あなたに必要な答えは、「もっと頑張ること」ではなく、「一旦、立ち止まること」かもしれません。
「走り続ける」以外の選択肢を自分に与える
これまであなたを助けてくれた「頑張る」「成果を出す」という過去の成功法則を手放すのは、とても勇気が要ることです。怖くて足がすくむこともあるでしょう。
でも、思い切って足を止めてみることは、「走っていても、止まっていても、自分を愛し続けてくれる人がいる」という事実に気づくための大きなチャンスになります。
立ち止まることで、あなたの人生に新しい選択肢が生まれるのです。
「ずっと走り続ける」しかなかったところに ➔ 「走ることもできるし、立ち止まることもできる」
「いつも与える側でいる」しかなかったところに ➔ 「与えることもできるし、素直に受け取ることもできる」
カウンセリングの現場で、「忙しくて時間がない」とおっしゃるクライアントさんに手放しの心理セラピーを行っていくと、皆さん驚かれます。
「私、本当はしなくてもいいことまで、不安からたくさん抱え込んでいました」と気づかれるからです。
無駄な力みが抜けると、今まで恐れや不安の穴埋めに使っていた大きな力が手元に残ります。そしてその力を、本当にやりたかったことや、自分とパートナーの幸せのために使えるようになっていくのです。
遠い昔に置いてきた「本当の心」を取り戻すために
あなたにとって、本当に大切にしたいことや、手に入れたかった幸せは何だったでしょうか。
日々の忙しさにかまけて、つい先延ばしにしてしまっている「心からやりたいこと」はありませんか。
もし、今の生き方の延長線上に「幸せな未来」が描けないのだとしたら、それは過去の成功パターンを手放し、新しい段階へ進むタイミングが来ているサインです。
これまで慣れ親しんだやり方を手放すのは怖いものですが、それは同時に、ずっと置き去りにしてきた「自分の本当の心」を取り戻すための絶好の機会でもあります。
それは、あなたがこれからの人生で、まったく新しい幸せの秘訣を手に入れるために訪れた、大切なプロセスなのです。
あなたが大切な人と共に、より深く温かいパートナーシップを築いていかれることを、心から応援しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回もお楽しみに。
それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。
心理カウンセラー
近藤あきとし
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