自分に厳しく、自分を責めることが多い人は仕事、恋愛、家族関係、様々な場面であらゆることにおいて、上手くいかないことがあると感じることがよくあります。
自分を責めてしまうのは、自分が許せないからなんですね。
そんな、自分を許せない罰したくなる気持ちを「罪悪感」といいます。
しかし、罪悪感は出来れば感じたくはないものですし、ふだんは心の奥底に潜んでいるので、意識的には感じることが難しく、なかなか自分に罪悪感があるとは気づきにくいものなんです。
そもそも、どうして私たちは自分を許せないと思い始めたのでしょうか?
それはもしかすると、過去に誰かを愛そうとして上手くいかなかった体験が原点になっているのかもしれないのです。
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例えば子供時代に父親が非常に厳しい人だったとしましょう。そして母親に対していつも支配的な態度で当たっていて、たびたび一人で泣いている母親を見ていたとしたら。
多くの場合、子供は家の中が暗く沈んでいると感じて、子供なりの愛情で無邪気に家族の平和を願い、幸せな気持ちになれるように天真爛漫に振舞い、なんとかみんなを明るくしようとすると思いますよね。
しかし、虚しく失敗してその願いも砕かれてしまうような経験をしていたら、愛情はひび割れたように感じて、心はとても大きな痛手を負うでしょう。
そんな過去のつまづいた愛情の断片が、いくつも心の中にあって、いつの間にか心の底に澱のように積もっていたとしたら、それが罪悪感を感じるルーツになっているのかもしれません。
つまり、
・身近な誰かの幸せや平和のために頑張った時代があった。
・でも努力が実らずに失敗してしまった経験がある。
・そのつまづいた愛情の断片が、心にいつまでも積もっている。
・それが罪悪感となって今でも自分を責める原点となっていて、
私たちが幸せを受け取ることを阻んでいる。
ということです。
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そう考えると、罪悪感を強く感じている人はもともと愛情深く、いつも人の幸せを願い、他人を助ける気持ちが強い人が多いようです。
だからこそ、自分の行為でそれが実現できなかったときに激しく自分を責めてしまうのでしょう。
でも、今日は自分を責める前に少しだけ考えてみてほしいのです。
人を幸せにできなかったことで自分を責める人は、みんな知っているんです。
自分がどれだけ人を幸せにすることができる才能があるのかということを。
みなさんはメジャーリーグのイチローのように、今日ヒットが打てなかったことを夜中に悩むでしょうか?
テニスの錦織くんのように、全仏オープンでベスト8に勝ちあがれなかったことを心から悔やむでしょうか?
たぶんそうはしませんよね。
人は自分にとって大切なものだからこそ、誰よりも悩み、悔やみ、自分の持つ才能を知っているからこそ、出来ない自分を責めるのです。
では、もしあなたが人に優しくできないことで自分を責めていたとしたら、自分がどんな才能を持っているか、もう分かりますよね?
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本来才能とは、頑張らなくても当たり前に出来ることをいうんです。
優しい人は他人にあたりまえに優しくできますし、気配りの出来る人は普段通りでも周りに細やかな配慮をしているものです。
きっと、自分が何を与えられるか本当は知っているから、つい出来なかった分をマイナスで評価してしまうのではないでしょうか?
でも出来てもできなくても、あなたの価値には変わりはないのです。
今日はあなたがどれだけ人に優しく愛情深さを持った人かということに気づいてみませんか?
もうすでに素晴らしいあなたが、今ここにいることを受け入れる第一歩を自分に許してあげましょう。
そして、いつか私とあなたが出会う日が来るのならば、その日まで「素晴らしいあなた」で居続けてくれることを願っています。