同棲を先延ばしにしていたら彼にフラれました~幸せにならないという復讐は誰への文句か?という話~

心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。

●同棲を先延ばしにしていたら彼にフラれました~幸せにならないという復讐は誰への文句か?という話~

以前カウンセリングに来られた女性のクライアントさんにこんな方がいました。

彼女はパートナーができると最初はとてもうまくいくそうで、つきあって数カ月も経つと彼の方から

と言い出してくるとのこと。

社会人になってからのパートナー3人全員からそう言われたのですが、なぜか色んな事情が重なってしまい、一度も同棲が実現できていなかったのです。

1度目のときは、お母さんが急病になったことで看病で忙しくなり、

2度目のときは、お父さんの経営する会社の業績が悪化したことで家族のケアに奔走し、

3度目は彼女自身の転職で大きくキャリアを変えていく転換期にいたため、そちらの優先順位が先になり・・・

何かと悩みごとが出てきて、同棲を先延ばしにしてしまったそうです。

その結果、彼の盛り上がった気持ちが徐々に下がっていき、

気づいたときには着信拒否&SNSがブロックされて音信不通になったり、

「好きな人ができたから」と言われてしまったり、

「いつまで待ったらいいんだよ!」と怒りをぶつけられてフラれたりと、

いずれの彼とも突然のお別れになってしまったとのことでした。

(お分かりかもしれませんが、彼の立場からしたら突然ではないんですよね。それなりに長い時間をかけて別れを選んだはずなのですが、彼女からしたら突然に感じてしまうわけですね。)

ここまで読んでみて、皆さんはどんな感想をもちましたか?

「ただの偶然じゃないの?」と考えた人もいるかもしれません。

「気が短い彼ばかりだったとか?」そう思った人もいそうです。

「彼女は本当は同棲したくないんじゃないの?」そう感じた方はなかなか鋭いですね。

なんて、言われると、あなたはどんな感じがするでしょうか?20年近く前、私が心理学を学んでいるときには、「何言ってんの?そんなはずないでしょ!」と思いました。

ただ、私は30代半ばまではつらいことばかりでしたが、振り返ってみればたしかに「人生がうまくいかないことで復讐をしていたな」と今では実感しています。たとえば、

「仕事が嫌なのは仕事人間だった父のせいだ!」

「人間関係に積極的になれないのは過保護だった母のせいだ!」

「自信が無いのは子供の頃になんでも指図してきて、自主性を尊重してくれなかった両親のせいだ!」

「弟が家のことを何もしないせいで、僕がぜんぶ背負わないといけなくなった!」

などなど、心の中ではいつもそんな声があったことを思い出していったのです。

当時の私はとても自立していたので、意識的にはそんなことは考えもしてなかったのですが、心の奥では家族への文句というかたちの依存心が隠れていたのでした。

こうした誰かへの文句や不満を言うことで、今の自分がうまくいっていないことの正当化をしていたんです。

これは逆から言えば、私たちが問題を持ち続けていることで、人生がうまくいかず幸せでない間は、誰かに対する文句を言い続けることが出来る。ということです。

話を戻しましょう。

私はクライアントさんの家族の話を聞いてみました。

彼女は実家の近くに部屋を借りていて、毎週のように帰って実家で過ごすくらい家が好きでした。

父親は小さな会社の経営者。母親は専業主婦。姉と兄がいる3人兄弟で彼女は末子。

両親の仲はあまり良いとは言えず、父親が絶対的な存在で母親が従うような関係に感じていたとのこと。

兄弟の話を聞いてみると、姉は今も実家で両親と暮らしていて、兄は結婚して家を出ていました。

兄は昔からマイペースで自分の道を行くタイプ。要領がよく両親とつかず離れず上手に関わりながら、自分の好きなことをしていました。彼女とは子供の頃からよく遊んでくれて、今も仲は悪くないものの、家族とは適度に距離をとっているそう。

姉は昔から両親と考えが合わず、よく怒られていて、ケンカになることも多く、思春期以降はずっと反抗してきました。大学進学で一度家を出ていましたが、就職した会社で周りとうまくいかず退職したのをきっかけに実家へ戻りました。

今は派遣やバイトをしながら両親と暮らしていますが、仲が悪いのは変わらずで、たびたび両親とケンカになるそうです。彼女とは年が離れていたため子供時代からあまり関りがなく、仲が悪くはないのですが距離が遠い感じが続いているとのこと。

いつも実家の雰囲気がピリピリしているので、彼女が実家へ寄ると両親がとても喜んでくれるため、何かと家へ帰りたくなってしまうとのことでした。

私はこんなことを聞いてみました。

彼女はしばらく間をおいてこう言いました。

実際に、母親の病気の際には実家に姉がいるにもかかわらず、ほとんど彼女が母親の世話をしていました。

父の会社の経営が悪化した際にも、父の愚痴を聞くのは彼女の役目だったそうです。

私はカウンセリングを通して多くの家族関係を見てきましたが、家族のメンバーというのはバランスをとるために無意識に様々な役割につこうとします。

彼女の実家では、姉は両親の価値観を広げるために正反対の考え方をもって、ぶつかり合い、反発する役割でした。

兄は姉と両親をよく見ていて、反発も犠牲もせず、うまく距離を取って自分の道を行きました。

一番下の彼女は、家族全体をよく見て、両親に寄せた考え方になることもあれば、兄弟たちをフォローしたり、時には父母それぞれ個別のケアもしてきました。

私がそう聞くと、

彼女はそう答えてくれました。

私の言葉を聞いた彼女は、遠くに目線を向けて「そんな気がします」と言ったあと、何度も自覚するようにうなずいていました。

私が言い終わると、彼女は何かに気づいたような表情をしていました。

そして、誰かの期待にこたえる人生を生きてしまうために、自分の人生がつまらないものになってしまうんです。

これって家族への最大の復讐になってしまうんです。

でもこの復讐の何が苦しいかって、自分が幸せにならないことでしか成立しないところです。

今日は、あなたの恋愛の問題を「誰かに対する復讐かも?」という視点から見てみましょう。

それに気づいたら、今この瞬間に「私の幸せを先送りにするのはもう止める!」そう決めてくださいね。


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最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。

それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。

心理カウンセラー
近藤あきとし

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