心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。
1月15日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。
以前、「彼からプロポーズされたけど、結婚したくないんです」というクライアントさんの話を記事にしたことがありました↓

この女性は、絶対に離婚したくなかったので結婚をしたくない、というお悩みを話してくれました。
昔、お母さんが「お父さんが浮気しているのでは?」と疑っていたのを覚えていて、「あの優しいお父さんですら、お母さんを裏切るんだ・・・」と思ってしまい、その「不安」が彼女の心の奥にずっと残っていました。
そして大人になってから、パートナーと良い関係になると、別れたくなってしまうパターンを繰り返していたんです。
つまり結婚するか?しないか?が問題ではなく、
本当に問題になっていたのは離婚したくないという「不安」の感情だった、というお話でした。
私たちの意識は層のようになっていると言われています。
シンプルに表すと、【行動】・【思考】・【感情】・【在り方】(右に行くにしたがって心の深い部分になっていきます)のようになります。
彼女の問題をこの層で表してみるとこうなります。
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【行動】パートナーとおつき合いするけど、結婚はしない
【思考】結婚はうまくいくわけがない。離婚しない一番の方法は結婚しないこと
【感情】結婚したいけど、怖い。不安
【在り方】未来は分からないから、できるだけリスクを避ける生き方をしよう!
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感情の中に隠れていた「不安」から、本当は「結婚したい」のだけど「離婚したくないので結婚しない」という言動になっていたわけです。
そして土台にある在り方としては、「未来はどうなるか分からない、信用できない。傷つかないためにはできるだけリスクを避ける生き方をすればいい!」のようになっていたということです。
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さて、今日は私たちの人生の土台となる【在り方】とパートナーシップの関係についてお話したいと思います。
今ご紹介したケースとはまた別の女性クライアントのお話です。
結婚することに不安を感じているのは先ほどの女性と一緒でした。違っていたのはこちらの彼女はお母さんもお祖母さんも離婚をしていたことです。
私たちは子供時代に両親やその親たちなど、身近な大人を見てパートナーシップや、人間関係・仕事・お金など、人生観、価値感を学びますよね。家族が最初の見本になるわけです。
たとえば、両親の関係性がうまくいっている姿を見ると「夫婦って仲良しなんだ」と思うでしょうし、逆にうまくいっていないと「夫婦ってケンカばかりするんだ」と自然に思うでしょう。
皆さんも友だちの家に遊びに行ったときに、自分の家で起きていることと全然違う様子なのを見てビックリしたことがあるのではないでしょうか?
幼い時期は自分の家が世界のすべてだと感じますから、他の家もみんな同じだろう、と思ってしまうからなんですよね。
子供の頃から、彼女は上手くいかない結婚生活ばかり見てきたので、結婚して幸せになれるとは全然思えなかったようです。
このイメージが恋愛・結婚にネガティブな思い込みを作っていたことで、彼女の人生を制限していたんです。
彼女がいつも感じていたのは、
「お母さんもおばあちゃんも離婚している。だから私もきっとそうなる・・・」
という不安でした。しかし、カウンセリングを進めていくうちに、さらに奥にはまったく別の感情があることが分かってきたのです。
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私たちは誰もが、子ども時代に多くのモノを両親から与えてもらいますが、その一方で、欲しかったけど貰えなかったモノもありますよね。
表面的には欲しいモノをくれなかった親に対して、不満や怒りを感じたり、「でも仕方ない・・・」と諦めたりしますが、その奥には表面意識とはまったく別の感情を持っているものなんです。
カウンセリングを通して、当時の両親の姿や表情を思い出していくと、たいていはイライラしていたり、ふさぎ込んでいたり、疲れていて余裕がない様子であることが多いです。
そんな親の様子を感じると、かつて子どもだった私たちは、こう願いました。
「笑ってほしい」
「自信を持ってほしい」
「もっと楽しんでほしい」
そうしたら「優しいお父さんとお母さんに戻ってくれるはず」そんな想いで親を見ていたのです。
子どもの頃は、親の期待に応えたいと思って色んなことを頑張りますが、それはすべて期待に応えることで、
「お父さんお母さんが喜んでくれるから」
「笑ってくれるから」
「そしたら仲良くなってくれるはず」
「きっと家族みんなで笑えるはず」
という期待を持っているからなんですよね。
子どもは大人の思う以上に家族を見ていますから、自分が頑張ることで家族の感情的なケアをしたりバランスを取ろうとする、ある意味カウンセラーのような存在になることがあるのです。
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彼女の場合は、子どもの頃、いつもお母さんが離婚したお父さんへの文句や愚痴を言うのを聞いてあげながら、じつは母の心の中にあった寂しさや無力感・罪悪感を感じていました。
あの頃、そんなお母さんを見ていてどんな気持ちがしたかを聞いてみると、
「笑ってほしかった。幸せになってほしかった」
「お母さんに『大丈夫だから』『幸せになれるよ』って言ってあげたかった」
という想いを思い出していきました。
私はもう一度こんなことを聞いてみました。
「その言葉。今は彼があなたに言ってくれてませんか?」
彼女には結婚を申し込んでくれているパートナーがいたのですが、その彼が同じことを彼女に言ってくれていたんです。
その時、彼女は自分が母親と同じ感情を抱えていることに気づきました。そして私はこう伝えました。
「今のあなたなら、お母さんが幸せになることがどれほど怖かったか、大切な誰かを信じることがどれほど不安だったかが分かるんじゃないですか?」
彼女はお母さんと同じ場所で人生を止めていたのです。
私たちは今の問題を使って、今感じている感情を使って、かつて「分かってあげたかった」「助けたかった」誰かのことを、「分かりたい」「理解したい」と思うようなんですね。
「昔、あなたがお母さんにどうしても伝えたかった想い、今は彼があなたに伝えてくれているみたいです。」
「彼は、昔のあなたなんですよ」
すると、彼女は「結婚への不安」のさらに奥にあった本当の想いに気づいて、流れる涙とともに受けとめることができたのです。
かつての彼女とお母さんの関係は、今の彼女と彼の関係にスライドしていたんです。
彼女からお母さんへ伝えたかったのは
「お母さんに幸せになって欲しい」
「家族みんなで幸せになりたい」
今の彼から彼女へ伝えてくれているのが
「彼女に幸せになって欲しい」
「二人で幸せになりたい」
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私たちが出会うパートナーは、かつての自分がどうしても成し遂げたかったこと、伝えたかった想いに、もう一度出会わせてくれる人なのかもしれません。
皆さんも、そんな『人生の約束』を思い出させてくれるパートナーときっと出会うことになっているはずです。
今日は、あなたのパートナーや、友人や仕事などの身近な人間関係と、あなたがかつて持っていた想いや夢とのつながりを見つめ直してみてくださいね。
そこに、あなたの『人生の約束』が眠っていることに気づけるかもしれませんよ。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに↓

それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。