心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。
「なぜか欲しいモノが手に入らない」
「手にしたモノにいつも『これじゃない』、って感覚がある」
「私が好きな人には好きになってもらえない」
そんなパターンのある人をカウンセリングしている時、心の奥の「ある誤解」に気づいて癒していくことで、劇的に人生が変わっていくことがあります。
それは【エディプス/エレクトラ・コンプレックス】と言われる心の罠のことです。
今思い出すと信じられないかもしれませんが、幼少期の私たちは、男性ならばお母さん、女性ならばお父さんが大好きでした。
誰もが子供時代には、異性の親に恋心のような感情を抱きます。
それ自体は自然なことで、何の問題も無いのですが、「エディプス/エレクトラの敗者」と呼ばれるパターンを持ってしまうことで、欲しいモノが手に入らないという問題が浮上してくることがあります
たとえば、あなたが女性だとしたら、子供時代にお父さんを巡って、お母さんと自分とどちらが愛されるのかを競っていたんです。
見事お父さんの愛を一身に得られれば、勝利となり「エディプス/エレクトラの勝者」となりますが、残念ながら負けてしまうと「エディプス/エレクトラの敗者」となるのです。
すると、競争に負けたことで「私は愛されないんだ」という思い込みが生まれます。
初めて好きになった異性(お父さん)を同性の親(お母さん)に取られた、と受けとったことで、子供心に「自分は大好きな人から愛されないんだ」という痛みを感じるからなんですね。
もっと深く傷ついた場合「大好きな人を他人に横取りされた」、という経験として捉えてしまうこともあります。
この心の痛みが、心理パターンとして残ってしまうと、恋愛をはじめとする対人関係に影響を及ぼすことがあるんです。
「好きな人はどうせ私を選んでくれない」「大好きな人を横取りされた」という痛みの経験から、成長して大人になってからも、『好きな人から愛されない』『好きな人との間にいつも邪魔者が入る』という恋愛を無意識に“選択してしまう”ようになるのです。
カウンセリングでお聞きするケースとしては、
・同年代の男性に魅力を感じられず、父親くらいの年上の男性とばかりつきあったり
・本人的には望んでいないのに、不倫や三角関係になる恋愛が続いたり
・恋人ができても、なぜか遠距離恋愛になってしまったり(距離が二人の間に入って邪魔者になっているパターン)
・ハードワーカーのパートナーばかり選んでしまったり(仕事が間に入った三角関係のパターン)
・手の届かない人(タレントやミュージシャンなどの有名人や、医師や先生など恋人関係になりにくい人)ばかり好きになってしまう
…「欲しいモノが手に入らない」「愛されない」「横から取られる」という、子供心に感じた経験と同じようなストーリーが繰り返されしまうんです。
エディプス/エレクトラの敗者は、こうした「無価値感」という感情を持ちやすく、この無価値感を証明するような選択を無意識的にとっているからなのです。
一方、勝者は勝者で「罪悪感」を感じてしまうことで、「一番イイものを受けとれない」なんて現実が繰り返されることが多いのですけどね。
どちらにせよ、これらの影響で「すべては手に入らない」という思い込みが生まれ、「そこそこのモノで良いかな」という選択をしてきたことで、「欲しいモノが手に入らない」人生になっているのかもしれません。
こちらも参考になる記事です↓良かったらどうぞ
■「好きという気持ちが分からない~異性の親との関係を見直してみる~」
このパターンから抜け出すには、「そもそも両親は競争相手ではない」という誤解に気づくことが一番大切です。
なぜなら本当に欲しいのは「お父さん(お母さん)を恋人にすること」・・・ではないはずですからね。
お父さん(お母さん)の位置には恋人はいないんです。逆に言うと、あなたもお父さん(お母さん)の恋人が本来のポジションではないということです。
あなたの「本当に欲しいモノ」、人生をかけて望んでいたモノは何だったのか?もう一度思い出してみませんか?
あなた自身に「すべてを手に入れてもいい」という許しを出せたら、あなたは何を望むのでしょうね。

