心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。
●頑張り屋さんが別れの危機のなかで気づいたとても大切なこと(2)
今日は前回の続きをお届けしますね↓

夫から「離婚したい」と告げられ別居していた女性クライアント。
元々優秀なビジネスマンだった彼女は結婚後に始めたネットショップが軌道に乗り、いつしか夫の年収にならぶほどの成功を収めていました。
なぜこんなに頑張り屋さんになったかというと、彼女を溺愛してくれたお父さんはいわゆるエリートで、頭も良くスポーツマンで仕事もできるカッコイイ男性。今ならイケオジというやつですね。
そしてお母さんは専業主婦で彼女曰く「完璧なお母さん」だったので、「お父さんみたいな素敵な男性と結婚するには、お母さんみたいな完璧な女性にならないとダメなのね!」と思っていたのです。
お父さんへの憧れとお母さんへの複雑な思いに葛藤しながら、いつも頑張り続けてきた彼女。
子供時代から抱えてきた劣等感と離婚問題をお母さんに打ち明けたことで、ようやく母親との葛藤が解けてきたのでした。
ここまでが前回のお話。ここから続きになります。
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夫が家を出ていってから2ヶ月ほど経った頃。気が済んだのか家に戻ってきて、また普通に子供とともに3人の生活になりました。
ただ、会話は最小限。食事は時間をずらして一人で食べる。顔も見ようとせず頑なな態度は、別居する前と変わってはいませんでした。
それでも彼女が忙しくて家事に手が回らない時には、キッチンをピカピカに磨いておいてくれたり、溜まっていたゴミを捨てておいてくれたりと、何も言わずに日々の生活に欠かせない部分をカバーしてくれていたそうです。
そんな様子をカウンセリングで聞いていると、彼女は「そう言えば、わたし忙しい時でも夫に『ねえ、手伝って』って言えてなかったです」と話してくれました。
彼女はお母さんみたいに完璧に家事をしなければと信じ込んできたので、夫に手伝ってもらうようではダメだと思い、どんなに忙しくても頼ったりお願いしたりができなかったようでした。
それでも夫は手の回っていないところを黙って片付けてくれていたのですが、彼女はそれがダメ出しのように思えて「ありがとう」があまり言えなかったとのこと。
私は彼女に夫からの反応のあるなしに関わらず、自分から普通に話しかけてみることと、夫がやってくれたこと一つ一つに簡単でいいので感謝を伝えてみることを勧めました。
ほとんどの場合、こうした取り組みをすると夫は「急にどうした?」と思って警戒します。
ただそれでも何事もなかったかのようにできるだけ普通に関わることで、夫の罪悪感(自分から離婚を言いだしているので)を刺激しなくて済むので、これ以上頑なな態度をとることが少なくなります。
また、感謝を伝えるタイミングを逃した時は、「○○してくれてありがとう」と書いた小さな手紙をテーブルに置いておくようにしました。
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彼女に夫の愛情を表現するときにはどんなやり方かを聞いたところ、
・サプライズや派手な演出はしないものの、記念日は忘れずにお祝いをしてくれる
・ちょっとした会話で言った彼女の好きなモノを覚えておいて買ってきてくれる
・衝動的な彼女が思うままに散らかしたものを、いつの間にか整理してくれる
大切な人が居心地よく過ごせるようなベースを守り続けることを得意にしている男性のようでした。
そして彼女の役に立ちたい気持ちがとても強いことが感じられました。
ただ彼女は自分がやらねばと思っていた分だけ、そこにある愛になかなか気づけなかったようでしたので、私が何回も「ここに愛があったんですよ」と伝えていました。
彼女が夫とのやり取りを思い出しているとき、「私の収入が増えてきた頃に、『私が稼ぐから、あなたはそんなに頑張らなくて大丈夫だから』と言ってしまったことがあります。それってマズかったですよね?」と打ち明けてくれたことがありました。
彼女にしてみれば、少しでも夫に楽をしてもらいたい気持ちから出た言葉だったのですが、夫からすると、何だか自分があてにされてないように感じたのかもしれません。
お互いにパートナーへの愛は間違いなくあるのに、ちょっとしたボタンの掛け違いが、思いの行き違いを生んでいたことも離婚問題の原因の一つのようでした。
こうした取り組みを始めると、少しずつ夫から離婚という言葉が出てくる機会が減っていきました。
さらに1、2ヶ月経つ頃にはほとんど話題に上がることは無くなり、食事も3人でするようになり、夫の笑顔をみることも増えてきました。
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私はさらに彼女にこんなことを夫に伝えてみて欲しいと提案しました。
「あなたは私たちの役に立ちたい想いがすごく強いんだよね。それなのに、ずっと気づけなくてゴメンナサイ。」
「わたしは自分が頑張らないとダメだと思い過ぎて、あなたを頼れなかったみたい。」
「これからは、今まで以上にあたなの力をあてにしてもいいですか?」
こんな言葉は彼女の人生にはあり得なかった発想だったようです。
しかし、ここまで持ち直した2人の関係を今まで以上に良いものにしたいという思いを、彼女はすでに強く持っていたので、すぐに夫に伝えたそうです。
そして、私から最後に【夫への頼り方】をお伝えしました。
どうやら夫は綿密に物事を考えてから手を付ける傾向があり、やるべきことの全体像を最初に捉えておきたいタイプのようでした。
こういうタイプの人は、まず全ての要素を把握して、細やかに計画を立てて、段取り通りにミッションを進めていくことを好みます。
なので、お願いをする時には「○○をしたいので、コレとコレとコレをお願い」というように、最初に全部を伝えておくと、後は夫の方で最も効率の良いやり方で叶えてくれるはずです。
実際にそれ以来、夫は彼女のお願いを受けとると張り切って動くようになり、しかも楽しそうに結果を持ってくるようになったそうです。
カウンセリングでは、こうしたボタンの掛け違いで、2人の思いがすれ違ってしまい別れの危機を迎えてしまうことが少なくないと実感しています。
ですが、別れの危機が今まで気づいていなかった部分に光をあてる機会になり、また親子関係での未解決の感情に気づかせてくれる機会にもなり得るのです。
そう考えると、別れの危機は一見パートナーシップのピンチのようですが、その反面2人の絆より強くしてくれる機会と捉えると、じつは大きなチャンスが来ているサインなのかもしれませんね。
この記事が皆さんの幸せなパートナーシップのお役に立てたら嬉しいです
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。
それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。
心理カウンセラー
近藤あきとし
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