いつもありがとうございます。
今日は前回からの続きをお届けします。
2017/8/19『彼の元カノへの未練が気になるとき(1)』
>>https://kondouakitoshi.jp/archives/65923938.html
つきあっている彼の心の中に、まだ未練を残している元カノの存在を見つけてしまった時。
「やっぱり元カノのほうが良いんだ」
と無力感・無価値感を感じてしまう人もいるかもしれません。また
「今つきあっているのは私でしょ」
と、そんな彼に対して怒りを感じて、その気持ちを彼にぶつけてしまいまくなることもあるでしょう。
そんな彼女の彼に対する
「いつまで引きずっているの!」という怒りと、
彼が彼女に対して抱える
「そこまで言わなくてもいいだろう!」
という怒りのやりとりについて前回は詳しくお話しました。
そしてこんなことを最後にお伝えしましたね。
>一つは、怒りを抱えている人(この場合は彼)は、その感情の下に「分かってほしい」「助けて欲しい」「愛して欲しい」という気持ちが隠れていると言われます。
>彼の態度があまりにも彼女にとって怒りを煽るものであるなら、彼の本心では怒りではなくもっと他に感じているモノがあるはずです。
今日考えていきたいのは、もし彼の心に本当は怒りではない何かがあるとしたらそれはいったいどんな感情なのでしょう?ということ。
*
元カノへの未練がある、それは多くの場合「元カノとの間でやり残したこと、上手くできなかったこと」への自分の無力さを、今も抱えていることです。
元カノへ受けとってもらいたかった想いがあったけど伝わらなかった。
自分の力で元カノを守りたかったけど上手くできなかった。などなど・・・
事情は人によってそれぞれでしょうけど、共通するのはそこに届けたい愛情があったにもかかわらず、届かなかったという無念さと無力さ、そして自分のふがいなさに対する強烈な自己嫌悪があります。
また、そんな中途半端な想いを抱えながら、今の彼女とつきあっている(こんな自分に彼女をつきあわせている)ことへの罪悪感もあるでしょう。
「ちゃんと今の彼女と向き合わないと」と思いながら、前向きになれていない自分を感じて、するとそれを隠そうとして、また「彼女を愛さないと」と思い直したり・・・
心の中でこんな引っ張り合いが起こっていることも多くあります。
ですから、こういった心境の彼とつきあう彼女もなかなかしんどいんですね。
どれだけ彼を愛そうとしても受けとってもらえなかったり、遠ざけられたり、時には拒否されたり。ハートがどんどんすり減っていきますし、心がやせ細ったフラフラの状態でカウンセリングに来られる女性クライアントも少なくないのです。
そんな場合、最初は彼との関係よりも彼女側の心のケアが中心になったりしますね。
*
さて、彼に話を戻すと、
過去の恋愛に思い残しがあるということは「全力で愛したかったけど、愛し切れなかった」と自分の愛情に自信がもてないでいるのです。
彼には本当は全力で「人を愛したい」という気持ちがあるのに、
失敗してしまったことで自分の愛情にダメ出しをしているんですね。それゆえ100%自分の愛情を出し切ることができないわけです。
しかし、これは見方を変えると「人を愛すること」にこれほどの苦悩をかかえて自分の愛情にダメ出しをしてしまうということは、
本来の彼の持っている愛情の大きさがどれほどか、ということも想像できるのではないでしょうか?
だとすれば、人を愛したいという大きな愛情を持ちながら、過去の挫折から自分にダメ出しをし、無力感・罪悪感から全力で今のパートナーと向き合うことに躊躇している彼に対して、彼女からはどんなことができるのでしょうか?
そこで出てくるのが前回お伝えしたもう1つのヒントです。
>二つ目は、そんな彼に怒りをぶつけるかわりに、どんなコミュニケーションができるでしょうか?
*
「いつまで元カノを引きずっているの!」
と彼に怒りをぶつけても、前回のようなやりとりになってしまうとしたら、怒りをぶつければぶつけるほど、彼は挫折した経験の痛みをさらに強めてしまうかもしれません。
そのかわりに、どうしたら彼が救われるか?また前を向くことができるか?という視点を持ってみることが大切なんですね。
(おそらくそんな見方ができるのも、今の彼女であるあなただけかもしれません。)
それは、彼が中途半端な態度になっていることを責めるよりも、そうしてしまう大元にある「彼の愛情の大きさとその価値を認めてあげること」ではないでしょうか。
自分の愛にダメ出しをして自信を失い、さらに元々もっている誠実さゆえに自分をひどく責めてしまっている。
そして本当に真剣に人を愛したいという想いが強い度合だけ、彼は自分をひどく罰しています。
この彼の罪悪感を癒せるのは、一番愛したいと思っている人、つまり今のパートナーであるあなたからの許しなのです。
もしあなたが、
「未練が断ち切れないのは、人一倍愛情が強い証拠なんだよね。あなたは本当に真剣に人を愛したい人なんだね。」
と、彼の愛の大きさをとその価値を認めてあげられたとしたら、彼はあなたをどんな目で見るでしょうか?
心の奥でくすぶっている思いを前向きに受け止めてもらえたら、彼は、
「やっぱり自分は思う存分、大切な彼女を愛しても大丈夫なのかもしれない」
という想いとともに、愛することへの自信やエネルギーが復活していくでしょう。
挫折しそれを未だに悔やんでいる自分、今の彼女を全力で愛せていない自分を、パートナーが責めるでも罰するのでもなく、救いの手を差し伸べてくれたとしたら、そんな女性を失いたいとは決して思わないでしょう。
とは言え、実践するのはなかなか簡単ではないですよね。
しかし彼の罪悪感を癒してあなたと100%の愛情で向き合うエネルギーを取り戻すためにチャレンジするだけの価値は十分あるはずです。
パートナーシップでは一方が何らかの働きかけをはじめると、どちらの感情も揺り動かされ移り変わっていきます。
私たちカウンセラーはその変化に寄り添いながらしっかりサポートしていきますので、ぜひチャレンジの際には頼りにしていただければと思います。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
次回もお楽しみに。
それでは、今日があなたにとって素晴らしい日でありますように!
心理カウンセラー
近藤あきとし
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