■無料相談コーナー■ 『特定のタイプへの嫉妬・恐怖から卒業したいです』~2015年6月15日受付分より~

いつもありがとうございます。
心理カウンセラーの近藤あきとしです。

なぜか自分をイライラさせたり、ムカムカさせる人がいなくならない。
そばにいたくないと思うのに、場所や時間や組織が変わっても
別の相手がまた現れて同じことになってしまう、ということはないでしょうか?

そこには嫉妬という感情のもたらす罠があるとしたら、
そしてその裏には、本当は受け取ってもいいご褒美が隠れているとしたら、
あなたが受け取っていない分だけ、嫉妬を感じさせる人たちは、
何度でも現れてくるのかもしれません。

————————————–

6月15日に【無料相談コーナー】へお寄せいただいたご相談への近藤からの回答です。
みなさんの今の問題と向き合うためのヒントになれば幸いです。

今回のご相談

「特定のタイプへの嫉妬・恐怖から卒業したいです」 : ジャンル(心や性格・自己啓発)

(回答本文は以下をご覧ください。※スマートフォンでご覧の方は画面を横向きにすると読み易くなります)

タイトル
特定のタイプへの嫉妬・恐怖から卒業したいです
相談者名
たま
こんにちは。私は30代半ば既婚女性です。
可愛く愛嬌があり人の悪口を言わず老若男女から愛されるタイプの女性が苦手で仕方ありません。職場などで時々そういった存在が現れるとぐっと胸が押さえられるような恐怖を感じます。それをよしとする周りの人も憎いくらいに感じます。
私は2人姉妹の長女で、妹が幼い頃からとても可愛く愛されるタイプでした。学校でも評判になるほど無条件で愛された妹と、条件付きで話題に出される姉(進学や結婚したとか)で親戚から比較されることが実際に多く、記憶を辿っても大袈裟ではないなと感じます。子どもの頃は、拗ねて部屋で本を読む機会が多かったです。
今の自分の嫉妬のような反応は、そういった経験が原因なのだろうと考えています。
姉妹仲は元々よく、妹も妹なりに苦労も多かったようですし、今となってはそう卑屈になる機会もなくなりました。
嫌いな同タイプの女性たちを冷静に考えても、その人自身には何も罪はないと分かっているんです。なのに出会うと決まって憎々しい気分になります。何もされていないのに不幸になればいいと思うこともあります。当人不在時に、周囲の人が話題に出してくるだけでも逃げ出したい気分になるんです。
先日それがあまりにひどく過呼吸になりました。
なぜ、原因が分かっていることなのに、いつまでも同じ感情に苦しめられるのでしょうか。もう無駄な嫉妬や恐怖を感じたくないです。
カウンセラー
近藤あきとし
たまさん はじめまして。
カウンセラーの近藤あきとしと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

本当に苦しい状況なんだなということが伝わってきます。
大切にされなかった、愛されなかった、価値を見てもらえなかった。
そんな辛い経験が重なって、すっかり心が冷え切ってしまったような
感覚ではないでしょうか?

寂しさや、虚無感、怒り、表現しきれないいろいろな感情が
たまさんの心の中でドロドロに混ざりあっていて、
自分でもどう扱ったらいいのか分からないのかもしれません。

今回いただいたメールに書いてくださっているように
たまさんの今の問題は「嫉妬」の感情に関するものだと思います。

そして、これも気づいてらっしゃると思いますが
明らかに妹さんへの「競争意識」が強くありますよね。。

「妹はあんなにたくさんもらっているのに」
「私はどうしてこれだけしかもらえないの?」

という比較をしてしまうのが、競争していることの現われなのですが
基本的に自分が劣っている部分・出来ていないと感じている要素を
心のどこかで意識をしていればいる分だけ、私たちはそのジャンルで
相手と比較をして競争し、負けて嫉妬を感じるんですね。

まさにたまさんが経験してきたように、
私たちが嫉妬を初めて感じるのが家族関係なんです。

私たちが子ども時代に感じる一番シンプルな欲求といえば

・お父さんに最も愛されたい
・お母さんに最も愛されたい
・そして両親に最も愛されたい

という3つになります。

この中の「最も」という部分は「誰よりも」「自分が一番に」ということです。

この「自分が一番に」というものが「特別意識」という
嫉妬の感情の元を生み出しているんです。

もし子供が女の子一人の家族であれば、父親を独占したいと思うと
母親が邪魔になるので、競争相手として意識しますが、
たまさんの家族のように兄弟姉妹がいると、それが強力なライバルに
なってくるわけです。

ここに大きな罠があるのですが、
妹さんが可愛くとても愛されていたと書いてありますよね。

たまさんが妹さんに嫉妬を感じていた分だけ、
当然自分から遠ざけたいと思うので、たまさんの中の
「可愛がられる・愛される」という側面も否定してしまい
受け取れなくなってしまうんです。

ただ、その裏には「羨ましいなあ」という感情が隠れているのですが
それを認めるのはなかなか難しいものだと思います。

なぜなら、負けを認めるような気持ちがするんですよね。
すでに自分が劣っていることを感じさせられたのに、
さらにそのうえ「負けました」と認めるのは、
お姉ちゃんという立場も含めて、悔しすぎるものでしょうね。

また、妹さん以外であっても、「可愛がられる、愛される」という要素を
感じさせる人たちが傍にいるだけで気分が悪くなったり
怒りを感じるのも当たり前なんですよ。

なぜなら、そういった人たちの笑顔や楽しそうな様子が
たまさんにとっては痛みをピンポイントで直撃されてるようなものでしょうからね。

そうなると、ますます甘える自分が許せなくなりますし、
とても自分に厳しくなって、誰にも頼らなくなったり、
なんでも自分で解決するような、すごく自立した人になることが多いんです。

もしかしたら、たまさんもとっても自分に厳しい人ではないですか?
(そんなことない、と思ってしまうかもしれないですが)
それだけに自分を責めてしまう度合いも大きいのかなと思います

妹さんとの関係を見直すことはもちろん大切ですけれど、
ちょっと今はしんどいかな?とも感じます。
それより、自己攻撃をやめることが先かと思いますよ。

長い間たくさん気持ちを抑えて、我慢してきたでしょうから、
心もぱんぱんに張り詰めてしまっているのではないですか?
いったいどんな気持ちを溜め込んできたのか?
それと向き合いながら、解放していくことも必要だと思います。

しんどい気持ちは、誰かに共感してもらいながら聴いてもらうことが
楽になるための早道ですので、カウンセリングなど利用してみてくださいね。

今は苦しみにずっと追いかけられるような気がしてしまうかもしれませんね。

でも、妹さんが愛されてきたのは、お姉ちゃんがいてくれたから、
という見方もあっていいと思うんですよ。
お姉ちゃんが守ってくれたから、自分らしくいられたのかもしれないし、
お姉ちゃんが頼りになったから、安心していられたのかもしれないって。

もし妹さんがそのことを理解していたとするなら、
今度はお姉ちゃんがみんなに愛されることを、誰よりも望んでいるのは、
妹さんですよね。
お姉ちゃんが幸せになる番がきてもイイですよね。

たまさんが自分らしい生き方で幸せになれる日がくることを祈っています。

今回はご相談ありがとうございました。

近藤あきとし

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