こんにちは。心理カウンセラーの近藤あきとしです。
今回、私の詳しいプロフィールをあらためて書き起こしてみました。
初めてお越しいただいた方にも、すでにお馴染みの方にも、私がどんなことを経験してきて、なぜ心理の世界に入ったのかを知っていただけると、近藤ってどんなカウンセラーなのかを理解する一助になるかと思います。
いざ書き始めてみると、次々に思い出が沸いてきて、最初に想定していたよりもずっと長くなってしまったので、全6回に分けてシリーズでお送りいたします。
どうぞご覧ください。
1,~ハードワーカーが働けなくなるまで~
私の人生は傍目から見ると何の問題も無いようにに見えたかもしれません。
それなりに勉強も出来て大学卒業後は地元の優良企業に入れましたし、上司や同僚からも評価されてきました。
立場以上の仕事を任され、やり甲斐も緊張感もあり周りから頼られることを自信に感じていました。
一見順調に見えていたはずです。あとはパートナーを見つけて結婚をして、という自然な流れには、何ら疑問を挟む余地は無かったと思います。
しかし、本当はそうではありませんでした。
私の心の中は順調どころか、常に何かに追い立てられているようで、
「絶対に失敗できない、弱みを見せてはいけない、人より優秀でなくてはいけない」
という焦りと、上手くいかなかった時にいったいどんな罰が待っているのかという恐怖で、未来に希望も目標も無くただ人生という階段の眼の前の一段をひらすら脚を止めず毎日駆け昇り続けているだけでした。
その当時は仕事中毒でハードワークに無自覚に浸りきっていたと思います。
自分は人より劣っているという思い込みがあったので、人の2倍3倍働いてようやく人並みになれると感じていました。
頼まれる仕事は一切断らず全て受けていましたし、完ぺき主義で妥協が出来ないので、自分の納得いくまでは、絶対に誰にも仕事を渡すことはありませんでした。
夜中まで残業し休日出勤は当たり前で、当時の残業時間は200時間を軽く超えていたと思います。
会社の経営会議の資料には、特に残業の多い社員が所属部署名で(「経理課/男性:200時間」 というように)載せられていて、私はランキング上位の常連で入社して5年で残業時間はトップになっていました。
今思うと本当にオカシイのですが、私はそれをどこかで誇らしく感じていたんですね。自分を認められない分、数字が頑張った証のように感じていたのかもしれません。
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こんな働き方をしていれば身体を壊してもおかしくないのですが、それまで不思議と大病をしたことは無く、健康診断でも何の異常も出ていませんでした。
でも今思うと、それは単に感情をバッサリ切っていたことで心が鈍感になって異常があっても何も感じられなくなっていただけのような気がします。
しんどいと感じるとそこで自分が保てなくなって、仕事が出来なくなってしまうので、「感情が無ければ24時間ずっと働き続けられるのになあ」なんて本気で考えていました。
今振り返るとそれは実はすごく怖いことだったと思います。さながらブレーキの壊れたトラックが、積載量オーバーの荷台にさらに荷物を山盛りに積み込み続けながら暴走するようなもの。
考えるまでもなく自滅するのは時間の問題でした。
そしてほどなくして、それは現実のものとなってしまいました。数年経った頃から少しずつ身体に異変が起こり始めていたのです。
最初は原因不明の突発性難聴でした。次にウイルス性の内臓疾患に立て続けにかかり、さらに胃潰瘍と腸潰瘍が同時にできて人生初の入院をしました。
その後に車で単独事故を起こし(車は廃車になりましたが私は奇跡的に無傷)、最後はなぜか朝早く目が覚める(早期覚醒・・・うつの初期症状といわれています)ことが起きました。
早起きのどこが異変かというと、私は寝坊してギリギリに出社することはあっても早く起きてしまうなんてことは、子供時代から一度も無かったのに突然朝早く起きてしまい、しかもそこから二度寝が出来ないのです。
普通でないとしか思えないのですが、それなのに・・・
今思い出しても本当にオカシイと思うのですが、その時の私は「じゃあ早く会社に行って仕事すればいいや」と考えて、朝早く誰もいない事務所で働いていたんです。
結果さらに仕事を増やしていたのですから、どうにかならないハズがないですよね。
1年ほどの間にこれだけのことが起きても、何か変だなとは思いつつも特に自分を振り返りもせずにいたんです。しかしそれが実は行き止まりに向かってアクセルを踏んで突っ走っていたのだということに気づいたのは、ここからほんの少し後のことでした。
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ゴールデンウィークに久しぶりのドライブに出かけてみたものの、何か落ち着かない感じがして、胸騒ぎのようなドキドキした感じが止まらずしばらく走ったところで車を止めてしまいました。
仕方なく引き返して家に帰ってテレビを見ても本を読んでも辛くなってしまい、何をしても楽しくないのです。
結局連休中はどこへも行けず、ずっと部屋に籠りっきりで過ごしただけでした。
そして休み明けの出勤日のこと、朝目が覚めるとそれまで感じたことの無い、表現しがたい焦りと不安感に襲われ、身体は固まったように動かず、どうしても布団から出ることができません。
その日は風邪ということにして休みをもらったものの、一日寝ていても調子は戻らず、一睡も出来ずに次の朝を迎えることになりました。
その日もやはり布団から出られませんでしたが、遅刻をしながらもお昼過ぎにやっとの思いで出社をしました。
そして自分の机に座ろうとすると、なぜかどうしても座ることが出来ないのです。
磁石が反発するように、身体が見えない力で押し退けてられているように感じて、椅子の横でしばらく悩みながら立っていました。
どうにか無理やり座ってみると、今度は正面を向くことが出来ません。どうしても顔がうつむいて下を向いてしまうのです。
まるで頭に100キロの重しを載せられ上から抑えつけられたかのようでした。
そんな状態なので、とても仕事をするどころではなく何も手につきません。周りの目にも私のただごとでない様子は伝わっていたと思います。
その日は終業時間まで給湯室でじっとして過ごすほかありませんでした。
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自分はどうなってしまったんだと、胸を叩き続ける不安に襲われながら、インターネットで片っ端から思い当たることを調べていたところ、不意に「うつ病」の文字が画面から目に飛び込んできたのです。
それが気になって様々な関連サイトで調べたり、簡易セルフチェックを試してみたりしました。(結果は常に90%以上の確率でうつと出ていました)
当時は今と違って、うつ病が誰でもかかる病気と言う認識はほとんどなく、私も最初は自分が精神病のはずがない、と決めつけていました。
別の問題があるに違いないと思うようにしていたのですが、やはり心のどこかで、もしかしたらという疑いが消えなかったんですね。
そして忘れもしない5月9日、意を決して近くの大学病院の精神科へ診察を受けに行くことにしたのです。
…(その2)に続きます。