いつもありがとうございます。
心理カウンセラーの近藤あきとしです。
●仕事の成功が第一の彼との恋愛を成功させるには(2)~上昇志向が強い彼の弱さを受け止めるために~
前回の続きをお届けしますね↓

前回のブログでお話ししたのは、上昇志向の強い自立男性の特徴と背景となる心理でした。
じつは、今日までの間に何人かの読者の皆さんから感想をいただきました。
「彼はいつも仕事を優先しているんですが、その理由が少し分かった気がします」
「彼からモノ扱いされている気分になったことがあります」
などなど、こういったタイプの男性とつきあっている女性ならではのお悩みが書いてありました。
男女問わず、自立的なタイプは感情表現が「ものすごく苦手」です。感情を表現することにも「ものすごく臆病」だったりします。
前回の記事でも、
「過去の依存時代に嫌な思いをして、傷ついた人ほど、二度とあんな目にあいたくないと心に誓って「超自立」するんです。」
と書きましたが、傷ついた経験をきっかけに自立した人は「感情」という、繊細で、脆くて、デリケートなものを嫌って、抑圧したくなるんです。
「心(感情)なんて弱いモノがあるから傷ついたんだ!」
「感情を無くしてしまえば、二度とあんな思いを繰り返えさなくて済むはずだ!」
できるだけ感情表現はしたくないんです。だから超自立男性が話すときは、気持ち(感情的)ではなく論理的で、理屈っぽい言い方になることが多いんですね。
心がオープンになったり、感情が動くようなことにならないよう、心を固めて思考優位になることで自分を守ろうとしているんです。
超自立タイプは「もし自分が感情的になったら、抑え込んだ感情が爆発してしまうんじゃないか?コントロールが効かなくなって、周りの人たちを傷つけてしまうんじゃないか?」ということを、とても心配しているんです。
その恐れから、さらに感情を抑圧するという悪循環に陥ってしまうんです。
※超自立男性の心理はこちらから↓
\恋愛に役立つ男性心理を分かりやすく解説します/

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特に超自立タイプの頑張り屋さんは、自分で自分を止めることができません。
なので、そんな人が自分を見つめ直したり、過去を振り返ったり、生き方を変えようと思うのは、自分がまるで足元から崩れるかのような「大きな出来事」があってからだったりするんです。
たとえば、
・大病をした
・事故を起こした(まきこまれた)
・仕事での大きな失敗
・将来の出世への道が閉ざされた
・事業の失敗、破産、倒産
・家族、子供の病気や亡くなった時
・信頼していた人に騙された
・上司や部下の裏切り
など、こういった不測の事態やアクシデントが起きた時、
「今までの人生は何だったんだ・・・」
と自分が崩れていくような挫折感、失敗感、敗北感を感じてしまうんです。
人生最悪の出来事だと思ってしまいますが、それによって、ようやく過去を振り返るきっかけを得ることが出来るのです。こういう状態を心理学では「自立の最終地点」【デッドゾーン】と呼んでいます。
有名人の中にも、こうした体験をしたことで、その後の生き方が180度変わったという話をしている人がいますよね。
人は失敗や挫折、大きな痛みを体験すると、それを二度と繰り返さないように正反対の道に行こうとします。
しかし、過去を振り返り、痛みと向き合い癒すということを避けてしまうと、正反対の人生に用意されている別の罠にハマってしまうんです。
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受け入れたくない自分の一部(今回のテーマで言えば、傷ついた自分・弱さなど)を、心理学では「自分の中の心の影(シャドウ)」と言います。
このシャドウと向き合うことで、「あの時、なぜ自分はあんなにも傷ついたんだろう?」「当時の自分では気づけなかった背景があったかもしれない」など、過去と向き合っていくことができます。
そして、傷つきの裏側に「本当はこうしたかった」という願いを見つけたり、自分の心の痛みが「誰かの痛みや苦しみ」と重なっていることに気づいて、その誰かを理解したかったという自分の思いと出会ったり。
未完了だった感情を感じてみること。今の自分の視点から過去の体験に意味や価値を見つけていくこと。
そうした取り組みによって、かつては見たくもなかった過去の自分を少しずつ見つめ直せるようになり、徐々に受け入れられるようになると、ようやく自分の一部になっていくんです。
切り捨てて無かったことにしてきた自分ともう一度出会い、あの頃とは違う見方・感じ方・捉え方が出来ていくんですね。
過去の痛みを癒すことで、どちらの人生にも罠もギフトもあることがわかり、どちらの豊かさも受け取ることができるのです。
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すっかり前段の話が長くなってしまいました。やっと、ここからが今日の本題です。
前回の記事でこんなことを書きました。
このタイプの超自立男性にとって、一番重要なことは「だれにもバカにされないような人間になること」だったりします。過去に味わった惨めな思いを、金輪際感じなくて済むような人間になることなんです。
その結果、こんなモノを手に入れたくなります。
・肉体的な強さ
・高学歴
・社会的地位
・高収入
・家、車、ブランドなどの持ち物
その理由は、今の自分に自信がないからです。
みんなが認める価値のあるモノを手に入れることで、自分の価値を高めたいという欲求からなんです。すべては自分に無いと感じている不足分を埋め合わせるための補償行為だと言えます。
とは言え、こういたモノを手に入れなくても良いと言いたいわけではありません。
大切なのは、その動機です。何を動機として、手に入れたいと思ったのか?そこが重要なのです。
典型的には、今回のテーマのコンプレックスを克服したいがために頑張る「上昇志向が強い自立男性」は、バカにされたくない、周りを見返したい、劣等感を隠したいなどの動機であることが、とても多いのです。
すると「強さ・家や車・仕事の実績・役職=自分の価値」だと感じるようになりやすく、いわゆる物質主義に陥りがちな傾向があります。
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ただ、彼らが本当に手に入れたいのは高級品でも高い年収でも、強い肉体でもないんです。
心から欲しいのは「愛と承認」なんです。本当は彼らが切り捨ててきたはずの「感情的なもの」が一番欲しいのです。
それを得るために、一生懸命に強さや物質的なモノ、みんなが認める価値あるモノを目指して頑張っているわけです。
ところが彼らの生き方のせいで、周りが自分を愛そうとしてくれるのか?それとも自分の持っているモノを狙って近づいてきているのかが分からないんですね。
そして誰も信頼できずに、心に大きな孤独感を抱えていたりします。
上昇志向が強い自立男性たちの本当に欲しいモノは、自分の弱さを見せても離れていかずに受け止めてくれるような大きな愛です。
今日は、こんな風にパートナーを見てあげてください。
彼が心の中に隠しているのはどんなどんな弱さだろうか?どんな心の痛みを抱えてきたんだろうか?
その弱さ、痛みを受け止めてあげられるくらい、大きな存在になりたいと思ってください。
そして、彼の感情の不自由で不器用なところを笑い飛ばせるくらい、どんな感情も自分に許せるくらいの自由なあなたになってください。
そのままの彼を受け止めてあげた時に、同じものが彼から返ってきますからね。
それでは皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。
心理カウンセラー
近藤あきとし
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