心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。
6月17日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。
●「いつも幸せから逃げてしまうパターン」を変えるために(2)
彼との関係がうまくいっているのに、幸せが近づいてくるのを感じると、自分から壊してしまう。
あるいは、パートナーが出世したり、成功を掴んでさらに上のステージへ行くのを感じると、なぜか自分から別れを切り出したり、離れていこうとしてしまう。
そんな「いつも幸せから逃げてしまう」恋愛パターンを変えるためにはどうしたらいいか?についてお話ししました。
特に、誰かを助けたり、支えたり、癒したり、援助するような仕事をしている人などは、幸せが目の前にくるとなぜか暗い思いが出てきてしまうことが多いようです。
「私がいたらきっと彼の迷惑になってしまう・・・」
「彼には私よりももっと素敵でふさわしい女性がいるはずだから・・・」
「私はきっと彼の邪魔になってしまう・・・」
こうした罪悪感(自分は悪い存在という思い)から、ようやく訪れた幸せのチャンスを自らダメにしてしまうのです。
こうした悩みを抱える彼女たちのパートナーの多くは、
まだ才能が開花する前の彼だったり、
大きな挫折から立ち直ろうとする彼もいますし、
あるいは夢を叶えるために頑張っている彼
の場合もあります。
彼女たちの献身的なサポートによって、彼らが夢を叶え大きな成功を掴んでいく道のりを一緒に歩んできたのに、いざ彼らからプロポーズされたとたんに、
「こんな私が、成功した彼の傍にいたら、きっと彼の足を引っ張ってしまうに決まっている」
といった考えが心を占めてしまい、結婚や彼の奥さんになることを受けとれなくなってしまうんです。
(中には愛人や浮気相手のポジションに入り続けてしまう人もいます)
みんな頭では「素晴らしいパートナーが欲しい」と思っています。でも本当に素晴らしい人が目の前に現れると、潜在意識に隠れていた罪悪感、そして自己嫌悪が刺激されてしまうからです。
すると「こんな私では、素晴らしい彼には見合わないに決まっている」という気持ちで、居たたまれなくなってしまうんですね。
さて今回は、なぜこんな一見矛盾するような感覚になってしまうのか?について解説していきます。
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カウンセリングで最も多いと感じるのは、「誰かを助けられなかった罪悪感」を抱えているケースです。
たとえば典型的な事例では、両親が何らかの問題(不仲、借金、病気、親戚関係など)を抱えていて、それらを何とかするのに手いっぱいになっていた場合。
子供は両親をよく見ている分だけ、素直に甘えられずいつも自分を抑えて遠慮しがちになります。
こうした状況では子供らしい欲求を我慢してしまうのは当然ながら、それ以上に強く抱えるのが「お父さんとお母さんが困っているのを何とかしなきゃ!」という思いです。
両親の仲をとりもとうとしたり、親を困らせて負担にならないように親の手助けをしようとしたりします。
すると子供の心には、「自分がここにいることが迷惑なんだ」「生まれてきたことが間違いだった」といった罪悪感を感じやすくなってしまうんです。
たとえば、
「お母さんが自分を妊娠したから仕方なく結婚した。」
「両親は本当は離婚したかったのに。自分がいたから別れられずにいた。」
「自分がいなければ家がお金に困らなかったのに・・・」
そんな風に自分がとても悪いモノのように思えてしまいます。
すると「私がいたから両親が困っているんだ」「私が存在していることが迷惑なんじゃないか?」と感じてしまうんですね。
(ただ、ここには大きな誤解があるのです。子供の力では大人の事情に介入していけないのは当然ですからね。でも子供心には「自分が失敗した」と感じてしまうんです。)
こうした体験のある子供が成長して、大切な人ができると「相手に迷惑をかけないこと=愛すること」というパターンが無意識に出てきてしまいます。
さらに、「私がいると迷惑になるから、自分からいなくなるのが一番いいんだ」とも感じるので、相手のことを大切に思っている分だけ、差し出された幸せから逃げ出してしまいたくなるのです。
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恋愛では、パートナーとの関係がうまくいっていて、一定以上の親密感を感じた時や、パートナーが一定以上の愛情を注いできた時に、なぜか居心地が悪くなり、逃げ出したくなってしまうわけです。
その理由は先ほどの通り、彼女たちにとっては「彼に迷惑をかけないこと、負担にならないこと」が愛する方法になっているからです。
なので彼を助けているときは問題ないんです。
なぜなら相手の迷惑になっていないからです。むしろ彼を支えて応援しているときは、自分が迷惑なんじゃないか?という罪悪感を感じなくて済むので、サポートする側でいると気持ちが楽で安定していられるわけです。
でも愛が差し出された時、それを受けとるときには「彼は本当は迷惑に思ってないかな?」「無理しているんじゃないかな?」「私、負担になってないかな?」と感じてしまい、うまく受けとれないんですね。
こうしたタイプの女性(もちろん男性にもいますが)は、子供時代に自分のことは横へ置いて、家族の為に頑張ってきたり、親を助けようとしてきた人ばかりです。
でも「思い通りに助けられなかった」「役に立てなかった」という痛みが心の奥に残っているために、自分が幸せを受けとることを許可できずにいるのです。
そして、助けられなかった痛み、役に立てなかった悲しさ、負担になってしまったと感じた時の落胆を感じたくない分だけ、パートナーの愛を拒絶して叩き落してしまうんです。
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もし読者の中に、自分も同じテーマがあるかもしれないと感じる人がいたとしたら、
あなたはおそらく「自分一人が良い思いをすることに、ものすごく抵抗を感じる」人ではないでしょうか?
「私が一番最初に幸せになってはいけない」そんな感覚があったりはしないでしょうか?
周りのみんながどれだけ「あなたからどうぞ」と勧めてくれたとしても、あなたはかえって固辞してしまい、そこから逃げ出したくなったりはしないでしょうか?
そして、「周りのみんなが幸せになった後だったら、私も遠慮なく幸せを受けとれるんだけどな・・・」なんて考えてしまいませんか?
それは先ほどの「助けられなかった誰か」が、あなたの心の中にいて、その誰かに気を使って遠慮をしているからです。
まだその誰かが幸せでないことに罪悪感を感じてしまうからなんですね。
そんなあなたは、思い出さなければならない大切なことが二つあります。
一つ目は、あなたは家族の誰よりも家族みんなの幸せを願っている人だということ。誰よりも家族を愛そうとしてきた人だということです。
罪悪感を背負ってしまうくらい、頑張ってきた人なんです。
今日は、あなたが家族の為に頑張ってきたことを一つ一つ振り返って、あの時の自分がどれほどの愛情を持っていたのかを思い出してみましょう。
二つ目は、あなたが助けたかった家族は、はたして自分たちに遠慮してあなたが幸せにならないことを望んでいるのでしょうか?ということ。
自分たちがうまく与えられなかった愛情や、たどり着けなかった幸せを、あなたが全部受けとってくれて、自分たち以上に幸せになってほしい。それが家族の本当の願いのはずです。
もしかしたら、あなたは幸せにならないことで家族との絆にしようとしてきたのかもしれません。「私も一緒だよ」と言いたかったのかもしれません。
でも今日は、家族の本当の想いを受けとろうと思ってみてください。
それは罪悪感を抱え続けるのが、受けとることではないと気づけるはずです。あなたの幸せな姿を見せてあげることが、家族みんなが笑顔を取り戻す最高の方法なんです。
受けとることは与えること。
そんな言葉がカウンセリングの世界にはあります。
もしあなたの心にも「そんな誰か」がいるとしたら、最高に幸せになったあなたを見てクシャクシャに泣きながら喜んでいるその人の笑顔を想像してみてくださいね。
きっと子供の頃のあなたが本当に見たかったその人の笑顔がそこに見えるはずですよ。
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最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。
それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。