心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。
11月20日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。
●彼が不機嫌な時には、どんなコミュニケーションをすれば良いのか?を心理分析してみた
パートナーシップのカウンセリングの中で、最も多く寄せられるご相談と言えば【コミュニケーションに関わる問題】かもしれません。
つきあい始めなど2人の仲がとても良好な時期は、コミュニケーションが問題になることはほとんどないと言っていいでしょう。
ただ、パートナーとのケンカが増えてきたり、連絡が取りづらくなってきたり、反応が薄くなってきた時などは、何らかのコミュニケーションのテーマが隠れていると思って間違いないはずです。
たとえば
・「私のこと好き?」「次はいつ会えそう?」「将来のことどう考えてる?」などの問いかけをしても、彼からの返事は「うーん・・・分からない」
・彼から嫌われている訳じゃなさそうだけど、前よりも受け身なことが多く、一人になりたがる
・約束を忘れたり、デートのドタキャンを何度も繰り返す
などのお悩みは、クライアントさんからお聞きする機会がとても多いですね。
いずれのケースでも、パートナーのとる態度に共通しているのは「なぜか分からないけど、彼が不機嫌そうに見える」ことなんですよね。
ここから伺えるのは、私たち日本人がよくやりがちなコミュニケーションのやり方なんです。
それは『コミュニケーションしない』というコミュニケーションの方法です。と言っても、これだけではちょっとよく意味が分からないですよね。
じつは心理学には【受動的な攻撃】という言葉があるのですが、これは怒りの表現の一形態と言われています。
せっかくなので代表的な怒りの表現方法について、まずは解説していきましょう。
*
1、『直接的に怒りを表現する』
大声で怒鳴る、身体で怒りを表す、人によっては暴力的になることもあります。要は誰が見てもこの人は怒っているんだなと分かる表現方法だということです。
非常に感情に素直な人がとる表現方法ですが、私たち日本人には少数派になります。ただ、とても分かりやすいコミュニケーションのやり方ですね。
2、『「ひきこもる(内面にこもる)」ことで怒りを表現する』
日本人が最も得意とする方法かもしれません。ただし、やっている本人は自分が怒っていることにまったく気づいていないのが特徴ですね。
わざわざ部屋の隅っこで壁を向いて体育座りをしている人をイメージしてみると分かりやすそうです。そして背中には「あなたのせいで、私はとても傷つきました」という文字が書かれているような雰囲気を漂わせている・・・
自分の身体を使って怒りを表現することで、相手に罪悪感を感じさせることによって攻撃する方法です。「私はあなたにこんなに傷つけられたんですよ」と言葉にしない表現で相手を嫌な気持ちにさせるのです。
3、『【受動的な攻撃】(言うことを聞かない・反応しないこと)で怒りを表現する』
この3番目が今回のテーマとなる怒りの表現です。
たとえば、あなたの彼がデートをドタキャンしたとしましょう。あなたは最初は仕方ないと思うかもしれませんが、何度も続くとさすがに怒りますよね。
彼に「どういうことよ!」と言ったら、彼はさすがに言い訳をするわけにもいかずに「ゴメン…もうしないから」と謝りました。
ところが次もまたドタキャンなのです。あなたは「今度と言う今度は許さん!」という勢いで怒りをぶつけますよね。
彼は平謝りしつつも、あなたに怒られたことで怒りを抱えていますから何か一言言いたげにしますが、原因は自分の落ち度なのでグッと抑えこみます。
そうしてどうなるかとういと、次もまたドタキャンをするのです。なぜかというと、彼にとってドタキャンすることが怒りの表現になってしまっているからです。
「君の言うことはもっともだけど、言うことは聞きません」という態度で自分の怒りを表現しているのです。ここでは彼を責めるあなたと、ドタキャンを繰り返す彼の双方の怒りがぶつかり合っているケンカの状態になっているんですね。
*
皆さんは、子供の頃におもちゃを買ってもらえなくて駄々をこねたことがありませんでしたか?
私たちは両親に怒られて有無を言わさず従わされた時、唯一の反抗方法(怒りの表現)は、『言うことを聞かない』ことだったりします。
こんな形でしか親に反抗できなかったというパターンが、成長して大人になっても出てきてしまうんですね。
だとすると、彼がとっている不機嫌な態度や、何度も同じ過ちを繰り返してる行動は、じつはあなたに怒っているからなのかもしれません。
ハッキリ言って、彼のとっている態度は子供っぽいんです。「オレは悪くないんだよ」「悪いのは君!分かってないのはお前!」とでも言いたげなわけですから。
何をして欲しいかを言葉にせず、あなたを困らせることで罪悪感を感じさせて自分の方に気を引こうとしているのだとすれば、すごく分かりにくい形であなたをコントロールしようとしてるとも受け取れますからね。
そんな目にあっている、あなたの方の感情のケアももちろん大切です。でも、もしあなたがこの状況から2人の関係を立て直してくことを願うのであれば、「なぜ彼はあんな態度をとってしまうのか?」に意識を向けてみて欲しいのです。
なぜなら、私たちはけっこうこの手の怒りの表現を、自分でも気づかないうちに周りに対してやってしまっているからです。
家族、友人、同僚などに理解をしてもらえなくて、急に無反応になったり不機嫌になって無視してしまったことって、皆さんも経験があるのではないでしょうか?
パートナーの怒りに怒りで対抗してしまうと、余計に2人の関係が悪い方へ向かってしまうことはお分かりいただけると思います。
パートナーが間違いを犯したときに、怒りをぶつける代わりにどんなコミュニケーションができるだろう?というところに心を使ってみて欲しいんですね。
すると、今までとは違うコミュニケーション方法を見つけられるのと同時に、自分の方が【受動的な攻撃】をしていることにも気づけるようになるからです。
実際にカウンセリングの現場では、「私も彼と同じことをしていたかもしれない」と気づくクライアントさんも多いんですよ。
誰もがパートナーには愛情や理解を求めたくなるはずなのに、彼が怒りをあなたに表現しているということは、何かに絶望を感じているはずなんですね。(あなたに対してかもしれませんし、まったく別の問題に対してかもしれません)
一つ覚えておいていただきたいのは、受動的な攻撃で怒りを表現するタイプの人の特徴は、自分の間違いを自分で責め過ぎてしまうということです。
もしかしたら、あなたが思う以上に彼は自分で自分の過ちを責めているのかもしれないんです(とてもそうは見えないと思いますが)。
その場合、彼はあなたの怒りから逃げることばかり考えてしまいます。
向き合って話そうとしても、のらりくらり答えなかったり話題を変えたり、「もういいから!」と言って無理やり話を終わらせようとしたり、まったく無反応を決め込んだりするでしょう。
そして結果的にあなたの怒りをもっと増幅してしまうことになります。
*
ここで、先ほど言ったように、怒りをぶつける代わりにできるコミュニケーションを見つけていく意欲を持っていただきたいのです。
パートナーが同じ間違いを繰り返してしまったり、パートナーの態度があまりにもあなたの怒りを刺激しすぎる時、本当はパートナーはあなたに怒られたいのではなく、あなたに助けを求めているのかもしれません。
もし、パートナーに手を差し伸べる代わりに、怒りをぶつけてしまうと、あなたのパートナーの悪い部分をさらに強化してしまうことになります。
いま必要なことは、間違いを犯してしまったパートナーに怒る代わりに、どうしたらパートナーを援助できるか?という発想です。
おそらく、あなたがこうした気持ちに切り替えられたとしても、すぐに彼が「何に怒っているか」とか「どこを助けて欲しいか」などを打ち明けてくれることは、ほとんどないと思います。
再び怒りを向けられてしまうこともあり得るでしょう。でも、そこであなたが怒りに巻き込まれてしまうと、きっと望まない方向へ進んでしまいますから、一度距離を取るなどして客観的な眼差しを持ってみようとしてくださいね。
こうした状況では、つい不満や寂しさが募って感情をぶつけたくなりがちですが、それをしてしまうとお互いに怒りをぶつけあってしまい出口が見えなくなり、関係が悪くなる一方です。
「私はあなたのことを想っているよ」
「困っていることがあるなら、解決できるように一緒に頑張るよ」
というメッセージが彼に届くにはどうすれば良いか?を考えながら関わっていく姿勢がポイントになります。
こんな想像をしてみてください。
あなたが何か大きな失敗をしたとします。自分をたくさん責めて罪悪感でいっぱいな自分に対して、パートナーが失敗を責めてきたり、罰を与えようとしてくるのでなく、援助の手を差し伸べてくれたなら、
攻撃でも罰でもなく、愛情と理解を差し出してくれたなら、
きっと、そんなパートナーを失いたくはないと感じるでしょう。
場合によっては長期的な取り組みになることもありますので、周りや専門家のサポートを得ることも考えてみてくださいね。
参考記事です↓こちらもどうぞ
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。
それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。