いつもありがとうございます。
心理カウンセラーの近藤あきとしです。
「カウンセラーさんは色んな人の悩みをずっと聞いていて気が滅入ってきたりしないんですか?大変じゃないんですか?」
「近藤さんが経験したことがないジャンルの相談がきてもカウンセリングできるのはどうしてなんですか?」
こんなことを、クライアントさんから聞かれることがたまにあります。
私は毎週決まった曜日にカウンセリングの時間を決めて予定を立てているのですが、今のところ一日が終わっても疲れ切ってヘトヘトにならずに続けていける、自分なりの適切な仕事量かなと思っています。
この日は面談カウンセリングで、この日が電話で、この時間にブログを書くなど曜日ごとに何をする日か、何をする時間か決めてしまっているんですよね。
すると基本的な一週間の流れが作れて、その通りに行動することで良いリズムができるので精神が安定してくるんです。
イチローが実行しているルーティンと同じようなモノですね。
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もちろん体力的には疲れるので、好きなものを食べたり、マッサージに行ったり身体をケアする機会も作ったりしますし、
気持ちの面では、仕事とそれ以外のプライベートの時間にメリハリをつけて、目の前の楽しいコト(美味しい珈琲をもとめてカフェ巡りをしたり、映画や舞台を観たり、友だちとお酒を飲んだりとか)に夢中になるようにして切り替えを意識してます。
なかでも私なりに一番大事にしているのは、仕事と仕事の間に「余白」をとる時間を確保することですね。
何もしないときもあれば、興味を持った人に会いに行ったり、
買っておいたままの本や漫画をひたすら読んだり、
心理学と全然関係がないインプットをたくさん体験しておくと、ある時カウンセリングやブログ執筆の場面で良いアウトプットにつながることが多い気がします。
そのあたりの自己管理のやり方は人それぞれで、自分に負荷をかけ続けてひたすら限界値を伸ばしていくのが良いパフォーマンスにつながるという人もいたりしますが、
私がそのやり方をすると、間違いなく心に濁りが出てきて疲れてしまい、アウトプットの質とパフォーマンスがガタ落ちになるのは必至です。
どんなリズムで生活すると楽で、安定して良いパフォーマンスが出せるかをトライ&エラーを繰り返してようやく掴めてきたかな?というところですね。
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自分が経験していないジャンルの相談に関しては、色んなお話を聞かせていただくだけに、中には状況を想像してもクライアントさんの気持ちに近づくことがすぐには難しい場合もあります。
ただ、それでもカウンセリングができるのは二つ理由が考えられます。
一つは、ボランティアでカウンセリングをしていた頃からの蓄積されたカウンセリング経験があるということ。
10年ちょっとで約7000件くらいのご相談を受けていることが大きいと思います。
もう一つは、自分の問題を通じて、人の心が成長・変化していくパターンと型を知っていることです。
私自身のケースで言えば、うつ病になったことがこれまでの人生で最大の問題だったのですが、その状態を例えるなら、
「一筋の光もない真っ暗で冷え切った闇の中で満足に身体を動かすこともできず、たった一人でただうずくまっていることしか出来ない孤独感」を感じながら、強烈な自己嫌悪が寝ていても起きていてもずっと続いている。
と言えば10分の1くらいは表現できているかなという感じです。
ですが、その苦しみの坩堝から浮上してきたときに、じつはそのプロセスこそが、古い自分から新しい自分への変容のために起こっていたことが分かってきたんです。
新しい自分を創造するために病気になったとも言えますし、別の表現をすると、
「うつを治すのではなくて、うつに自分を治してもらう」
というプロセスであったとも言えます。
それが終結した時に、病床から起き上がると同時に感じた「心の深い部分で触れた核心」と、自分の通ってきた道のりが描かれた「心のロードマップ」を手にできたんですね。
その体験が、人を受け入れ、理解する心を育ててくれたように実感しています。
だからこそ問題の表面的な事情は違っていても、同じようなプロセスにいるクライアントさんが新しい自分を発見しようとする道のりを歩もうとする時には、ガイドとして役に立つサポートを提供できるというわけです。
だいぶ昔に、本で読んだか誰かに聞いたかは忘れましたが、
『一度井戸を深く掘った人は、何度でも深く掘ることができる』
という言葉を聞いたことがあります。
今はその意味がとても良く理解できる気がします。
おそらく対人援助のプロという人たちなら、それぞれに必ずくぐり抜けてきている部分だと思います。
また、その道のプロならではのやり方で、さらに何度も深く井戸を掘り下げることで自分のクオリティを高めているでしょう。
そんなわけで、私は「すべての人」に通用する普遍的な問題解決の法則は持っていませんが、「多くの人」の役に立てるであろうプロセスは体験しくぐり抜けてきているので、私自身が経験したことのないお悩みでもカウンセリングができるのだと思います。
それでは、今日があなたにとって素晴らしい日でありますように!
心理カウンセラー
近藤あきとし