パートナーに感情をぶつけたくなる時(2)~もう一度、痛みではなく愛でつながりたい~

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心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。


10月9日に【アメブロ】恋愛テクニックに掲載した記事をご紹介いたします。

●パートナーに感情をぶつけたくなる時(2)~もう一度、痛みではなく愛でつながりたい~

前回から、私たちが「恋愛の初期~関係に少し慣れてきた頃」に私たちがつい引っかかってしまう恋の罠について解説しています。

前回のブログでは↓
2021/9/25「パートナーに感情をぶつけたくなる時(1)」


「私たちは、ずっと前に両親や過去の恋人から貰えなかった(と感じている)愛情を、今のパートナーから貰おうとしてしまうことがあります。

すると、今のパートナーにかつての両親や恋人の姿を重ねて見てしまう分だけ、「あなたなら私に欲しいものをくれるわよね!」と、まるで請求書を叩きつけるような求め方をしてしまったり、

または、過去の当事者への不平不満が解消されていないと、怒りや不安をぶつけてしまうこともあるのです。」

ということをお話しましたね。今日はその続きをお届けします。

この恋の罠にハマったままだと、パートナーがどれだけ愛情や優しさを送ってくれても、素直に受け取れないことって良くあるんですね。

過去に「自分のモノのはずだったのに貰えなかった」気持ちがある分だけ「取り戻さないと!」と感じたり、恨みつらみで心がいっぱいの為どれだけ貰っても十分じゃない感覚がするからです。
「今さら!遅いのよ!」という気持ちが出てくることもあります)

前回ではこのパターンを癒すために、「過去の近しい人たちが与えてくれていた愛情にもう一度気づいて受けとる」ことを提案しました。

ですが人によっては、貰っていたはずの愛を思い出そうとすると苦しくなったり、抵抗を感じて先へ進めない感覚が出てくることもあります。

他にも、この種のテーマの記事を読んだり、カウンセリングやセミナーで過去の人間関係で抱えた感情について扱おうとすると、胸のあたりがモヤモヤと気持ち悪くなったり、時には悲しくなったり、あるいは怒りたくなる気持ちが出てくることがあります。

なぜかというと、ふだんは心の奥にしまわれている過去の「心の痛み」が浮上してくるからです。

二度と感じたくないと思って潜在意識の中へ抑圧した心の傷に、私たちの意識が気づいてしまうからなんです。当時の悲しみ・寂しさ・怒りなどが蘇ってくる感じがするからです。

ただ、見方を変えると、この痛みと傷の向こう側に「愛」があることに気づきそうになったからとも言えます。

「とても愛されたかった。でも叶わなかった(と感じている)。」という痛みが強い分だけ、その痛みを隠して無かったことにしたくなります。すると、あなたの中の愛を感じたい気持ちも一緒に封印されてしまうんです。

その状態で愛を感じようとすると、どうしても心の痛みの封印を解いて、そこを通り抜けないと、愛を感じたい気持ちへ到達できないんですね。

ですので、前回今回の記事を読んで抵抗感のある人や、モヤモヤとした気持ちになっている人は、「今、私はかつて愛を感じることを止めた場所の手前まで来ているんだな」と思ってみてください。

これはもう一度、愛に向かおうとしているからこその感覚なんです。

パートナーに感情をぶつけてしまうパターンを越えるには、この痛みのパターンを越えていく必要があります。

私たちはパートナーシップ以外にも、家族親戚、友人、ビジネスなどあらゆる人間関係で上手くいかない問題の下には、必ずと言っていいほど「心の痛み」が隠れているからです。

具体的な話をした方が分かりやすいと思うので、例えばこんな人がいたと想像してみてください。

了承をいただいた、ある女性クライアントの事例です。

カウンセリングの中で、彼女のお父さんとの関係を扱っていた時、ある痛みが彼女の心に浮上してきました。

詳しく話を聞いてみると、彼女はお父さんが大好きだったので、いつものように遊ぼうと思い、近づいてふざけようとしたら「あっちへ行ってなさい!」と言われてしまった時があったとのこと。

大好きなお父さんに拒絶された記憶が封印されていたことに気づいたのです。その時に彼女はとても傷ついてしまったようでした。

その影響か、彼女は恋愛以前に、対人関係でいつも拒絶されるんじゃないか?嫌われるんじゃないか?という不安がついて回っていたんですね。

またそういう感情に気づきたくないので、自ら親密な関係になるのを遠ざけてしまうところがありました。

「もう二度とこんな悲しみを感じたくない」

彼女が痛みの記憶を封印したのは、それくらいお父さんのことが大好きだったからです。

逆に言えば、それまでのお父さんはどこまでも受け入れてくれて、めいっぱいの愛情で抱きしめてくれた体験があったからこそ、なんですね。でなければ人はそこまで傷つくことはないからです。

だとすれば、どうしてお父さんはその日、彼女を遠ざけようとしたのでしょうか?

ちょっと想像して欲しいのですが、私たちは良い気分の時には、わざわざ誰かを嫌おうとはしませんよね。もし宝くじで1000万円が当たったら、直後に電車内で誰かに足を踏まれてもきっと笑顔で許せてしまいそうじゃないですか?

じゃあ逆に、大切な人のことでも受け入れられない時、そんな時はいったいどんな気持ちがしている時だと思いますか?

さらに掘り下げて話を伺うと、お父さんはこの当時、会社を辞めて独立するための準備で大忙しだったそうです。

退職のための引継ぎと、独立のための準備で寝る間もないくらい働き通しだったことに加えて、

今ほど個人が起業することが一般的でなかった時代のことですから、自分で決めたこととは言え、先行きの分からない不安でパンパンに張り詰めていたことは想像できそうです。

(後日、彼女がお母さんに当時のことを聞いてみたところ、「あんなに余裕のない様子のお父さんは見たことがなかった」と話してくれたそうです)

この世で一番大切な娘が笑いながら駆け寄ってきた時、「あっちへ行ってなさい!」と言わなくてはいけなかったお父さん。その心はどんな気持ちでいっぱいだったのでしょうか?

いつものように、かわいい娘を抱き上げてギューっとしてあげたいのに、できなかったお父さんは、その日どんなにつらかったでしょうか?

じつはこの時の、『娘を抱き締められなかった父親の痛み』と、『お父さんの胸に飛び込んでいけなかった彼女の痛み』の度合は、まったく一緒なんですね。

本当は『愛で繋がりたかった』のに、そうできなかった度合だけ、『痛みで繋がっている』ということなんです

彼女とのカウンセリングは、まずはお父さんの痛みを理解すること。そこから本当はどれくらい愛したかったのかを受け入れていくことで、お父さんとの間で感じた痛みを癒していきました。

彼女に限らず、私たちは数えきれないほどの思い込みや誤解を抱えています。

それが心の中の過去の痛みを、痛みのままにしてしまうことで、同じような問題のパターンが繰り返されてしまうのです。

例えば他にも、父(母)親には怒られた体験ばかりだったとか、厳しいばかりで優しくしてもらえたことがなかった、といった思い出しかないように感じられる場合でも、親にはそんな形でしか愛情を表現できない事情があったのかもしれません。

しかし、あなたがもっと愛情を表現して欲しい!と願う気持ちと同じだけ、父(母)親の中に「上手に愛してあげられない痛み」があるのかもしれないと思ってみてください。

上に書いたように、本当は愛で繋がりたいのに、それができない時、たとえ痛みでもつながりたいと思うくらい、私たちは両親のことを愛しているようです。

それくらい、私たちにとって大切な人と繋がりたいと願う気持ちは強いものなんです。

たとえ痛みであっても繋がりたい。でもそこには『愛がある』と知っているから『痛みでも繋がれる』ということなのでしょう。

問題を作っている痛みの下にある愛を感じることができたら、もう一度愛で繋がり直すことができるし、もともと繋がっていたことを思い出すこともできるんです。

皆さん一人ひとりが必ず持っている愛のストーリーを見つけることで、パートナーシップを『痛みのパターン』から『愛のパターン』へ変えることができますからね。

参考記事です↓こちらもどうぞ
2018/12/9「寂しさに振り回されてうまくいかない恋愛ばかりしてきた私の癒し方」

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。次回もお楽しみに。

それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごされますように。

心理カウンセラー
近藤あきとし

★近藤の執筆したアメブロ【恋愛テクニック】のバックナンバーです。

★【好評です】超自立タイプの男性との恋愛シリーズ

★【保存版】パートナーシップの3つのプロセスを徹底解説!

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