こんにちは、心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。
「分かっちゃいるけど、できない」
よく聞く言葉ですよね。意外と、私たちの悩みの根っこってここにあるんじゃないかなと思っています。
なぜなら、この言葉を言いたくなるとき、心の中には「感じたくない感情」が潜んでいることが多いからです。
先日のカウンセリングで出てきた話を紹介しながら、少し解説してみますね(掲載の許可はいただいています)。
その男性クライアントは、普段は仕事やキャリアなど、ビジネスのご相談が多い方です。ただ、この日は奥さんとの関係についての話でした。
奥さんは専業主婦で、お子さんは5歳と2歳の二人。彼はベンチャー企業の役員で、帰りが遅くなることも多いそうです。
「仕事から家に帰ると、ほとんど毎日、妻が延々と話しかけてくるので疲れてしまうんです」
「でも、ちゃんと聞かないと不機嫌になるので、アドバイスはせずに聞いたり、共感したり、自分なりに頑張って聞いてるんですが…ただでさえ仕事で疲れているので、けっこうしんどくて。疲れない聴き方ってありますか?」
読んでいる方の中には、今まさに同じ気持ちの男性もいるでしょうし、奥さん側に共感する女性もいるかもしれません。「そこじゃないんだよね。ホントに男は全然分かってないね」なんて声も聞こえてきそうです。
さて、こういうとき、心の中にはどんな感情が潜んでいるんでしょうか。
まず、奥さんがどんな話を延々とするのか、彼に詳しく聞いてみました。家のこと、子どものこと、ご近所の方のこと。彼がいない間にあったことを、休憩なしで話し続けるのだそうです。
あなたも、延々と話してしまったり、同じ話を何度も繰り返してしまったこと、ありませんか?
そういうとき、どんな心理状態だったと思いますか?
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(考え中)
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多くの場合は、「分かってほしい何か」を抱えているときなんです。
奥さんが話している内容は、分かってほしい何かを伝えるための手段で、本質はその「分かってほしい何か」のほうにあります。
夫である彼が気づいてくれたら、話はそこで終わるんですよね。「気づいてくれた、分かってもらえた」と安心できればいいので。
逆に気づいてもらえないと、気づいてくれるまで話し続けることになります。これは彼の奥さんに限らず、私たちの誰もがやっていることだと思います。
彼の奥さんが分かってほしかったのは、「私はあなたがいない間、一人でこれだけ頑張っているのよ」という気持ちでした。
家のことも子どものこともご近所のことも、全部この気持ちを伝えるための話だったんですね。
ここまで見えてくると、今度は彼のほうが避けたかった感情も見えてきます。
それは、「なかなか家にいられなくて、家族の時間も持てなくて、家のことをすべて君に任せっきりでゴメン」という申し訳なさ、罪悪感でした。
彼は申し訳ないと思っていたから、話は延々と聞かなきゃいけないと思っていたし、だからこそ「聴き方」を大事にしたいと思っていたわけです。
でも奥さんが欲しかったのは、たぶんそこじゃなくて、毎日子どもたちを抱えて一人で奮闘していることをねぎらってもらうこと、感謝を伝えてもらうことでした。「ちゃんと気づいているよ、分かっているよ」という気持ちを表現してもらうこと。
「僕がなかなか家にいられなくて、君にばかり負担をかけてゴメン」
「いつも家族のために頑張ってくれて、ありがとう」
こう言えていたら、二人の関係はだいぶ違っていたかもしれません。
彼にそういう言葉を伝えているか聞いてみると、「それは、ちょっと言えてないですね」とバツが悪そうでした。
彼も、大切な人に「大切に思っている」と伝えることが大事だというのは分かっているんですよね。
でも「大事だとは分かっているけど、できていなかった」。心を開いて気持ちを伝えるのが恥ずかしかったからです。この恥ずかしさも、できるだけ感じたくない感情のひとつですね。
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じつは、彼にはもうひとつ課題がありました。
ベンチャー企業の役員として、毎日のように社長から降りてくる仕事をこなしているのに、なかなか社長に認めてもらえないという不満です。
どれだけ頑張ったら認めてもらえるのか。必死に仕事に打ち込めば打ち込むほど、帰宅時間は遅くなっていました。
「自分だけが頑張っている」
「こんなに必死なのに、誰も見てくれていない」
そんな思いを、カウンセリングの場で打ち明けてくれることもありました。
そこで、私は彼にこう聞いてみたんです。
「あなたは『自分はこんなにも頑張っていることを、ちゃんと分かってくれてるのかな?』と不安になるほど、さらに頑張ってきましたよね。」
「もしかしたら、社長に分かってもらえるまで延々と頑張り続けようとしていませんか?それは、奥さんもまったく同じ気持ちなのかもしれませんよ」
「もし社長が『君がいるおかげで、会社も僕もすごく助けられているよ。いつもありがとう』と伝えてくれたら、どんな気持ちになりますか?」
「奥さんをずっと待たせてきたんだとしたら、何をすればいいか、もう分かってますよね?」
彼はしばらくカウンセリングルームの天井を見上げて、「そういうことか…」と呟いていました。
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「あなたがいるおかげで助かってます」と思って生きるのか、「あなたがいるせいで迷惑している(嫌な気持ちになる)」と思って生きるのか。
気持ちの違いは小さなものかもしれませんが、どんな人生になるかは大きく変わってきそうです。
誰かに不満を感じているときは、自分しか見ていない自分目線になっていて、誰かに愛を感じているときは、他人目線になっている。そんな気がします。
だとすると、「愛せないな」「自分の中にはもう愛がないよ」と思うときは、自分目線にハマっているときなんでしょうね。
不満を感じているとき、もしかしたら「もうこれ以上、あなたを愛せません」と宣言したいのかもしれません。
心のどこかで「自分の愛情の限界はここまでだ」と感じているんだと思います。
ただ、自分の限界を突きつけられるのは、誰だっていい気分じゃないですよね。自分が悪いと言われているような気がしますから、つい「私じゃなくて相手が悪いんだ」と、目の前の相手を責めたくなってしまう。
もし今あなたがそんな気持ちに捉われているなら、ちょっと立ち止まって、ゆっくり深呼吸してみてください。
「ここが自分の愛の限界なんだな」
ただ認めることができたら、すこし心が軽くなる気がします。余計な力が抜けていくのを感じてみてください。
そこからが新しい選択です。愛の限界の先に行ってみようと自分の器を広げるのか、限界を素直に受け入れて、肩ひじ張らずに今の自分を認めるのか。そこに正解も間違いもありません。
ただ、今感じた自分のままで、目線を自分から相手へ移してみます。
この人がいてくれるから助けられていること、支えてもらっていること、この人が自分の人生に現れたときに「持ってきてくれた良いモノ」は何だったか、もう一度思い返してみてください。
そして、何を伝えていなかったのか。それを自分なりに伝えてみてくださいね。
一生懸命生きるのも、自然体で生きるのも、自分を認めて受け入れながら生きている人は、みんな魅力的だと私は思います。
ただ、今日お伝えしたかったのは、目の前の大切な誰かが「伝えたい何か」に気づいて、分かってあげることができたら、停滞していた人間関係がガラッと変わるかもしれないですよ、ということでした。
今日もありがとうございました。次回を楽しみに待っていただけたら嬉しいです。
皆さんが毎日を健康で、心穏やかに、優しい時間を過ごせますように。心から応援しています。
心理カウンセラー
近藤あきとし

