寂しがりなのに自分から好きになれない人が抱える『命がけのテーマ』

パートナーシップのカウンセリングをしていると、ときどきクライアントさんからこんな質問をされることがあります。

「愛するって、どういうことなんでしょう?」
「どうしたら、人を愛することができるでしょうか?」

こう聞いてくる人や悩んでいる人は、人を好きになったり愛したりできないわけではないんです。本当は「全身全霊で誰かを愛したい」という大きな愛情を持っているのに、それがとっても怖いんですよね。

こういうタイプの人は、たとえばこんなことで悩んでいることが多いです。

・本当はすっごく寂しがりで甘えん坊なのに、人には「寂しい」とは絶対に言いたくない。
・パートナーができて甘えてもいい状況になっても、いざとなると全然平気という態度をとってしまう。
・甘える自分がみっともなく思えたり、そんな姿を見せたら笑われたり引かれたりするんじゃないかと心配になってしまう。
・だから寂しい思いを抱えていても、自分から人を好きになれない。
・好意を持ってくれる人が現れても、わざとクールにふるまったり、相手の欠点ばかり見つけてウンザリしたりすることも。
・相手の好意を素直に受けとれないし、そもそも信じられない。自分には「人を愛する能力」が決定的に欠けているんじゃないかと本気で悩んでいる。

そして、どうしたら人を愛せるのか、どうしたら相手の好意を信じて自分からも表現できるのかと、ずっと考え続けているんですね。

過去に愛情にまつわる出来事で傷ついたことがある人は、誰だって愛することが怖くなります。

その恐れを通り抜けて誰かを愛するのは本当に勇気のいることで、逆に言えば、それくらいの恐れを乗り越えてでも誰かを愛したい、幸せになりたいという思いがとても強い人だということです。

これまでのカウンセリングの経験からいうと、そういう人にとって誰かを愛するというのは、まさに命がけというか、人生をかけるようなテーマになっていることが多いです。

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私がカウンセリングをしてきた中で、パートナーシップにこうした恐れが出てくる人には、こんな体験をした人が多いですね。

1.自分の結婚に両親の期待がとてもかかっている。たとえば女の子ばかりの家で自分は長女、家を残すために養子をもらわないといけない、など。
2.両親が離婚していて、母親(父親)が一生懸命苦労しながら私を育ててくれた。その恩返しに、絶対に幸せな結婚をして安心させたい。
3.以前付き合っていた人が大好きだったのに、別れることになってしまった(失恋や離婚だけでなく、死別の場合もあります)。あんなに愛していたのにうまくいかなかったのだから、次に大好きな人と出会っても、私は本当にその人を愛せるんだろうか、幸せにできるんだろうか、と思っている。

こういう体験があると、新しい男女関係や結婚が、それだけのものではなくなってしまいます。

両親への思いや期待、愛、過去のパートナーにしてあげられなかった後悔、不安といったものがいろいろ積み重なって心の中に残っていて、それが恋愛や結婚へのプレッシャーになっているんです。

そんな重圧を感じているときに「人生をかけて、この決断をしなくては」と決意したら、それが結婚でも仕事でも社会貢献でも、誰だって怖くなると思いませんか。

意識のうえでは「この結婚に、本当に人生をかけてもいいんだろうか?」と、相手が本物かどうかを不安に感じています。

でももう一つ深い意識のレベルでは、「私は、本当にこの結婚に人生をかけて飛び込めるんだろうか? やり遂げられるだろうか?」「私は、パートナーにふさわしい女性(男性)だろうか?」と、自分に対して不安になっていて、そこには自信のなさも入り混じっているんです。

パートナーに批判的な目を向けてしまう人のほとんどは、実は自分への信頼が持てていません。誰かや何かを信頼できないとき、私たちは自分自身への不信感を感じているんですね。

別の言い方をすれば、それだけ真剣に、誰かを愛すること、最後まで愛情のある関係にコミットして与えることを考えているとも言えます。

そんな状態にいたら誰だって失敗が怖くなりますから、不安を感じるのは健全な心の状態だと思います。

私たちは、どうでもいいことには恐れたり不安になったりしません。

自分にとっても、自分の大切な人にとっても、大きな変化やインパクトになるようなことをしようとするほど、怖くなるものです。

それだけ大切な想いや愛が深くて、心から望んでいることでもあるからです。

そんなときは、「自分の中にはこれだけの愛情があるんだな」「自分はこんなにも人を愛したいと思っているんだな」と、自分がどれほど大きな愛情を持っている人間なのか、それを受け入れようとしてみてください。

そのうえで、自分にこう聞いてみてほしいんです。

「不安や怖さはあるけれど、誰かを愛して、共に生きて、自分もパートナーも、大切な人たちも含めて、私は幸せな人生を生きたいだろうか?」

直感でYesなら、不安を抱えたままでかまいません。そのままの自分で、あなたが目指す幸せに進んでいきましょう。

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幸せへの道のりには、いろいろな出来事が起こります。

嬉しいこともあれば悲しいこともあって、悲しいことが起きたときには、「こんなことしなければよかった」「誰かを好きになるんじゃなかった」と感じることもあるでしょう。多くの人は、そうやって失敗して心が傷つくと、そこで引き返したり諦めたりしてしまいます。

そんなときも、さっきの質問に戻ってみてください。「これだけの不安や恐れはあるけれど、誰かを愛し、共に生きて、自分もパートナーも、大切な人たちも含めて、私は幸せな人生を生きたいだろうか?」と。

私たちが幸せになるのは誰かのためではないし、誰かに幸せにしてもらうものでもありません。

自分が幸せになりたいから、自分で幸せになるんです。

パートナーができたら、二人の幸せに向かって二人で歩いていくことになります。それが結果的に、自分やパートナー、大切な人たちと分かち合える「幸せの形」に磨かれていくんだと思います。

私は、人生で起こるすべての出来事を判断せずに受け止めたとき、自分にとっての幸せの形に気づけるんじゃないかと思っています。

パートナーシップというのは、パートナーを愛して、パートナーから愛されることで「幸せ」を思い出していくプロセスのような気がします。「私が欲しかったのはこれだったんだ!」という感じに。

二人で見つけた幸せは何ものにも代えがたい人生の宝物になりますし、結婚相手や恋愛相手という枠を越えていきます。「共に生きる、本当の意味での人生のパートナー」というレベルでパートナーシップを組んでいく人たちを、私は間近でたくさん見てきました。

このプロセスを歩み始めたカップルは、ただ一緒にいるだけで周りにいる人も豊かな気持ちになれるんです。二人が磨いてきた関係性の本質が、雰囲気として周りにも伝わるんでしょうね。

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もし、あなたが今回のお話と同じような悩みを抱えているなら、今、無理やり愛そうとしなくても大丈夫です。それよりも先にやることがあるので。

まずは、自分がなぜこんなにも誰かを愛するのが怖いのかを知って、それから、心の深いところにしまい込んできた不安や恐れ、痛みを癒してあげることです。そうすると無意識のブレーキが外れて、あなたが本来持っている愛情が自然と外に向かって表現されるようになりますから。

では、ここで3つの問いに答えてみてください。思い当たることを、実際に紙に書いてみてくださいね。

1.どうして私は、誰かを愛することに無意識にブレーキをかけてしまうんだろう?
2.それは過去のどんな体験からきているんだろう?(過去の恋愛、家族関係、他の体験など、思いつくことをすべて書いてください)
3.いろいろあったけれど、私は本当はどうしたいんだろう?そのために自分を変えたいと思っているだろうか?変えたいとしたら、どんな自分に変わりたい?

時間がかかってもいいので、すべての問いに答えてくださいね。書き終わったら、3つの答えをもう一度読み返してみてください。

次に、無意識のブレーキのきっかけになった体験をしたときに感じた感情と、そのときに決めたことを、別の紙に書いてください。たとえばこんなふうに。

【感情】:絶望、悲しみ、孤独感・・・など
【決めたこと】:もう自分からは告白しない。簡単には信じない。誰も好きにならない・・・など

今日は、これからの人生で、この【感情】と【決めたこと】を今までどおり守って生きていくのか、それとも手放すのか、決めてみましょう。

手放すと決めたなら、リストアップした感情を感じながら、こう言ってみてください。

そう言って、【感情】と【決めたこと】を書いた紙を、感謝の気持ちをこめて破って捨てます。このプロセスの中で出てくる感情は、ただ感じてみてください。エクササイズが終わったあと、自分がどんな気持ちになるのかも感じてみてくださいね。

注意がひとつあります。このエクササイズは、無理やりやらない方がいいです。

紙を破るときや手放すときに「さっさと破るぞ!」「手放すぞ!」と気合が入ってしまうなら、まだ手放す準備ができていないサインです(力ずくで手放そうとすると、かえって痛みが強くなることがあります)。

もしそんな自分に気づいたら、焦らずに、まず今の自分を受け止めてあげてください。

リストアップした感情を見つめながら、今もあなたの心の中にある感情やその時の痛みを、感じてあげてほしいんです。そして、自分にこう言ってあげてください。

誰かを愛する勇気と、今の自分を受け止める勇気。この2つがあれば、幸せの道は開けていきますからね。

今日もありがとうございました。次回を楽しみに待っていただけたら嬉しいです。

皆さんが毎日を健康で、心穏やかに、優しい時間を過ごせますように。心から応援しています。

心理カウンセラー
近藤あきとし

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