心理カウンセラーの近藤あきとしです。
いつもありがとうございます。
皆さんの周りに「この人は、できる人だな~」って感じる人はいますか?
私はかつて会社員をしていた頃(もしかしたら子ども時代から)は、周りからそう言われたくてすごく頑張っていたんです。
ひたすら努力し続けて「できる人」になろうとしていました。
たとえば、仕事が速い・仕事の質が高い・常に高いレベルの実績を出せる、そんな人になれば周りから認められるし、尊敬されるはず。そう信じて頑張っていました。
周りとの比較にはすごく敏感になっていました。「この人よりはできるけど、あの人ほどはできてないな」と、誰かと比べて自分を追い立てては「もっと頑張らないと」と思ってました。
優秀な人になりたかったんですよね。すごく。
ご存知の方もいるかと思いますが、昔の私は超自立した生き方をしていましたので、自分の弱さや劣等感を周りには一切見せたくなかったんです。
※こちらを読んでいただくと当時の超自立ぶりが分かると思います↓
●近藤あきとしのプロフィール
●超自立男性との恋愛シリーズ
今ふり返ると「ダメな自分を知られたくない」という不安でいっぱいでした。
「ダメな自分を隠さなければ、そして優秀な自分でいなければ誰も認めてくれない。愛されない。」
そんな不安に怯えながら、何ともない振りをして仕事をして、人と関わり、一日の終わりに「今日はバレなかったぞ」と少しだけホッとする。そんな毎日だったように思い出します。
と言っても、頑張ることがダメだと言いたいわけではありません。
今の時代は自分のキャリアを自分で構築していけるので、仕事ができるというのはとても大事なことですからね。
ただ、あまりにも「自分が“優秀”でありたい」とか、「自分の“能力”で何とかしたい」部分にストイックになりすぎると誰かに甘えたり、お願いすることが、依存的で弱いように感じてしまうことがあります。
もう「自力」しか頼るものがなくなっている状態です。
そして自分の中の依存性や弱さを受け入れたくない分だけ、自分にも他人にも厳しくしてしまうんです(誰かの依存を見ると自分の弱さを見せられている気がするので)。
すると、
・変にプライドが高くなって、人を頼ることができなかったり
・ギリギリのピンチになっても、助けを求める謙虚さをもてなかったり
「自力頼み」だけになってしまい、どこかで行き詰まってくるんです。優秀であるがゆえの壁というか、「できる人」の限界を迎える時が来てしまいます。
まさに、かつての私自身がそうなっていました(私ができる人になれていたかどうかはさておき)。
その一方、「あの人は、できた人だね~」と感じる人もいますよね。
気遣いが細やかとか、人望があるとか、尊敬されているとか、徳が高いなんて言われるような人間性のある人が、いわゆる「できた人」でしょうか。さらに言えば、
・周りを当てにできる(助けを求めることができる)
・誰にでも教えを乞うことができる
・お互いさまの気持ちを持っている、など
自分のできない部分や、劣等感、つまり「弱さ」をさらけ出せるところが、むしろその人の魅力や愛嬌になっている気がします。
『本当に強い人は、弱さを隠すのではなく「弱さの中に入れる人」』という言葉があります。
それができた時、自分の弱さはそのまま相手の強さになりますから、人の本当の強さは周りに助けられる「他力」を呼び込めることを言うのかもしれません。
つまり「できた人」というのは、自分の弱さを表現することができて、周りに弱さを愛してもらえる人のこと、なのでしょうね(能力が高い人ほど勇気がいりますね)。
能力に秀でる「できる人」になるには、自力を磨き、自立を目指すことが必要です。
一方、「できた人」になるには、能力や優秀さの限界の向こう側へ行くことが必要のようです。そして、ここは人としての在り方を見つめ直す機会にできますね。
心理学的な心の成長モデルで言うなら【自立⇒相互依存】のプロセスがここに当たりそうです。
※このテーマは心理学講座に詳しく書いたことがあります
周りの助けと応援を受けとれた時に、私たちは初めて「自力(自立)」で生きるステージから、「他力(相互依存)」のステージへ飛び込んでいくための勇気を、自分の中に見つけられるのかもしれません。
私自身がずっと取り組んできたテーマですが、私のカウンセリングを受けてくださるお客さまは、自立しすぎている人がとても多いので、
もしかしたら読者の皆さんの中にも、同じようなところで行き詰まりを感じている方がいるかもしれませんね。
何とかしたいと思われたら、まずはカウンセリングという「他力」に頼ってみてください。
皆さんの新しい生き方へのチャレンジを心から応援させていただきます。
それでは、皆さんが健康で、心穏やかに、いい時を過ごせますように。