《チャンクダウン》
①まず講演内容を伝えたい主題を決めた後で、
・講演の最後で何をお客さまに感じてもらいたいか、
・どんな声や前向きな感想が聞けたら自分が嬉しいか、
・その為にお話したいエピソードや紹介したい理論は何か?
・逆にお客さまからどんな不安な感情や感想が出てきそうか、
・その不安を和らげる為に、さらに必要な話は何か?
など、事前に考えておきたいポイントを書き出し、分類していきます。
《ベイビーステップ》
②分類したポイントごとに、「感じて欲しいこと」「主題に関わってくる具体的なエピソード」「心理的な側面を支える理論」などを、話す順番などは考えずにバラバラに付せん1枚につき1つずつ書き出していきます。
(この段階では単なるワード一言だけでもOK、思いついたことをとりあえずアウトプットしていきます)
そして、
③講演の展開を考えながら順番に並び替え、内容を掘り下げて、推敲し、全体の流れを作りつつ纏めていく、といやり方で原稿を作ります。
このやり方を試してみて感じたのですが、アイデアをバラバラに出していけるのでとりあえず思いついたコトを書き出してストックしておけば良いですし、編集は後で出来るのでとても楽でした。
今までは、いきなり講演の冒頭から締めまで順番に書き始めていたので、内容と各エピソードを関連付けながら書き、同時に展開を考えながら、文章を編集をしていたのでずいぶん労力をつかうやり方でしたね。
加えて、全体が見えてからでないと書き出せなかったことも多かったので、頭の中でアイデアが浮かんでは消えて、手は動いていないという状況に陥ってきたことにも気づきました。
心理学者のレナード・ズーニンさんという方が『初動4分の法則』という理論を発表しています。
それはどういうモノかと言うと・・・
「人は最初に行動を起こすときが一番気が重たいが、最初の動き出しの4分を過ぎると行動にかけるエネルギーはどんどん少なくて済むようになる。」という理論なんですね。
少なくとも私の経験では、チャンクダウンとベイビーステップを心がけて実践していると、それだけで4分はいつの間にか過ぎてしまいました。
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ここまで色々お話しましたたが、それでも新しいこと・初めてのチャレンジというは二の足を踏んでしまうこともありますよね。
次の一歩を出すためには、どうしたらその足が軽く感じられるのでしょう?
新しいチャレンジをしようとするとき、先ほどお話したように、誰でも「今のままでいよう」という自分が出てくるので、違和感を感じます。
なんかムズムズして居心地が悪かったりするんです。
今の段階でやるべきことが見えているという人は、すでにそのムズムズを感じているかもしれませんが、それで良いんですね。
その違和感こそが、一歩を踏み出す手前に来ているということですから、「違和感を感じながら進んでみよう」と思ってほしいんです。
私たちが自信をつけるために必要なことというのは成功を積み重ねることではないんですね。それは「チャレンジを積み重ねる」ということで身に付いていきます。
結果うまくいくかどうか、望んだ出口に出るかどうかは、やってみるまで誰にも分かりません。ただ、どこかの出口には間違いなく出るでしょう。
もしかしたら目指している目標の出口に至るための出口の一つかもしれないですし、もしかしたらぜんぜん見当違いの場所かもしれません。
ただ見当違いだったとしても、これは上手くいかないという確実な自信が手に入ります。
今日できたことが、今日のあなたのベストということになります。
「今日はドコまで来れたのか?」この視点を持つことがとても大切なんですね。
また別の見方をするなら、
新しいことへのチャレンジや初めての経験への恐れとは、未知への警戒心ともいえます。
「ちゃんと対策をとらないと危ないよ」と、心理的抵抗を感じることで自分を守っているわけです
ただ、同じパターンの繰り返しで同じ失敗をしていたり、何らかの偏りが自分にあることに気づいて、このままだと良くないなと気づいたとき。
それは自分の世界を広げることや、今の自分から成長していくことが求められているときなんですね。
例えば、あなたが「他人に甘えることを禁止して、誰にも頼らずに生きてきた」としたら、「甘えたり頼ったり出来る自分」はまるで別の世界にいるようなものかもしれません。
でも、今のままではどこかに無理が出たり、今いる世界に歪みが生じることもあり得ます。
すると、世界を広げるため、成長を促すために「自分ひとりだけではどうにもできない状況」のほうが、人生を通して、問題となってあなたの前に送り込まれてきたりするんですね。
だとすると実は、目の前に見えている問題を乗り越えるのが本題ではなく、あなたが今の世界(他人に頼らない)から新しい自分のいる世界(他人に甘えられる頼れる)に、心理的抵抗を乗り越えて入っていくことこそ、問題を乗り越えていくことの本質なのかもしれません。
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たとえ知識を10覚えても、その後で何もしなかったら積み上げられる結果は0にしかなりませんが、もし1覚えたことを1実行出来たら積み上げられる結果は1です。
1覚えたこと⇒1実行できるひとは、2覚えたこと⇒2実行できるし、いずれ10覚えたことは⇒10実行できる人になれるんですね。
ただ誤解しないでほしいのは、先ほども言ったとおり「上手くいくかどうか」が自信になるのでないんです。
自信になるのは「チャレンジの積み重ね」ですからね。
もし行動できてない自分がいても、そのときには「そんな私も可愛いよね」と自分に言ってあげてください。
その場合、自分を責めずに、今のまま受け入れてあげることがあなたにとって最初の一歩になります。
その後で、「でも今のままも嫌だよね?」と自分に聞いてみましょう。
そして、「だから・・・ 本当はどうしたい?」に続く答えを問い続けてみてくださいね。
最後に、今回の講演をみなさんにとって「知識・ノウハウを得るため」ではなく、現実を変えていくための「行動するきっかけ」にしていただけたら、とても嬉しく思います。
ありがとうございました。