いつもありがとうございます。
心理カウンセラーの近藤あきとしです。
2014年2月11日に開催されました、東京カウンセラーズ・フェスタで講演させていただいた『最高の恋愛は最高の癒し(ヒーリング)』の内容を5回(4月17日~21日)にわたってお送りしたいと思います。
この講演では、私の友人の女性のエピソードを紹介しながら「母子癒着」について、そして恋愛を通して乗り越えていったことをお話をさせていただきました。
今回が第1回になります。
-------
今日お話しさせていただくことは、知らず知らずのうちに自分の気持ちよりも、他の誰か(主にお母さん)の気持ちを優先させて、背負い込んで、生きてきた女性の物語です。
恋愛を通してお母さんとの関係に向き合い、過去の痛み・人生の罠を乗り越え、「本来の自分自身」を取り戻していくプロセスを、その女性のエピソードを通してお伝えできればと思います。
そしてお話のキーワードになるのが「癒着」というものです。
私は自分のブログに「もしもあなたに世界が救えるなら」という、心理学シリーズを連載しています。
ちょうど今「癒着」というテーマについて、第21回・22回と2回記事を書いたところでした。
宜しければ、今日お帰りになってからでも記事をお読みいただけたらと思います。
「癒着」と聞くと良くイメージされるのが官僚と企業との癒着とか、外科手術で患部の内臓と血管が癒着していたとか、そういう例が連想されるかもしれません。
要は何かと何かがくっついているという状態のことを差します。
今日これからお話しする癒着についても同じです。
じゃあ何がくっついているかというと「誰かと誰かが心理的にくっついている」という状態の話になります。
実を言うと人と人だけが癒着するのではなくて、例えばみなさんが仕事と癒着すればワーカホリックになるという場合もあるのですが、そこまで話を広げると時間が足りませんので、今日は一番典型的な母と娘の間で
起きる「母子癒着」を例にとってお話をしようと思います。
◇:—-:◇:—-:◇
癒着が起きるとどうなるかというと、背中と背中でくっついたような状態になるんですね。
するとくっついてますから、ドコからが自分の感情でドコからが相手の感情なのか、境界線が曖昧になってしまうこともあります。
お母さん側からすれば、子供の失敗を自分の失敗のように感じたり、子供の成功を自分の成功とダブらせて感じてしまって、子供の動向一つ一つに口をはさんだり、コントロールしてしまうことがあるんです。
すると子供の側はどうなるかというと、自分の言葉や態度や行動が、お母さんの感情に直結していることを感じるので、常に親の顔色を伺うようになったり、徐々に自分の自発的な意思を持つことや、自分の考えや意見に、価値や重要さを感じることが難しくなるのです。
つまり好きなこと、やりたいことを素直に言えなくなってしまうんですね。
徐々に何が好きなのかも分からなくなることも多くあります。
また大人になるにつれて自分の意思を表現しなければいけない場面になると、自分がどうしたいのかが分からないことに苦しむこともあるでしょう。
そして、例えお母さんと一緒ではないときでも、常に違和感や、とまどい、自分自身への否定的な感情を持ってしまうことも少なくありません。
要するに自信が持てなくなってしまうんですね。
-------
次回に続きます。