前回の記事「怒りのパターン1」では、
自分の中の些細な怒りに気づくことが大事というお話をしました。
大きな怒りは気づきやすいですが、些細な怒りはなかなか気づきずらく怒っていることに気づかないうちに飲み込んでしまいがちなのです。
いつの間にか溜め込んだ怒りで心が一杯になり、限界を越えて一気に爆発という最悪の事態になる前に、早めに対処しましょうということでした。
今回は、その次には何をすればいいのか?ということについて考えていきたいと思います。
怒りは二次的な感情と言われていて、その下には本当に伝えたいことや解って欲しいことが隠れているんですね。
些細な怒りに気づくことに慣れていくと、徐々にその下にある「怒り以外の感情」に気づけるようになるのです。
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怒りを感じる主な場面というと、
・相手に何かを期待したのに、それが叶わず裏切られた時
・相手から愛情が欲しかったのに、それが満たしてもらえなかった時
・誰かから突然攻撃されて、反撃しようとした時
などが考えられると思います。
その場面で、心が本当に感じていることはいったい何だったのかと考えると、
「がっかりした」「寂しかった」「怖かった」
という気持ちが読み取れるのではないでしょうか。
ある意味、怒りを感じている時というのは、これらの気持ちを素直に言えない時なのかもしれません。
これらの感情は、できればあまり感じたくはないモノばかりですし、伝えても受け入れてもらえなかった時にまた傷つくのではないかと思ってしまうので、その上に怒りでフタをして隠しているんですね。
本当に感じていた感情を表現する代わりに、私たちは「怒りを使って」コミュニケーションをしようとしてしまうのです。そして大抵の場合それが上手くいかないことは、みなさんも経験済みかもしれませんね。
怒りを使ってコミュニケーションをすると「あなたは私のこの怒りを鎮める為に、不満を満たすように努力をしなさい」というメッセージを相手に突き付けてしまうので、相手は強力にコントロールされたと感じて、とても嫌な思いをしまうのからなのです。
怒りを感じた時には、その下に隠れている感情に気づいて、本当に伝えたい気持ちをきちんと見つめることができれば、怒りに飲み込まれたり振り回されたりすることなく、上手なつきあい方を学んでいけるでしょう。
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ここで参考までに、いくつかの怒りの表現についてみてみましょう。
細かく分類するとかなりの数になると思われますが、代表的なものは以下の3つになると考えられています。
1.直接相手を攻撃する
2.受動的に攻撃する(正面からモノを言うのでなく、嫌味や不機嫌な態度で回りくどく表現する。また本人には怒っている自覚がないこともある)
3.ひきこもる(何にも反応しなくなりなり、背中で“こうなったのはお前のせいだ” と訴えて相手を責める)
この中で対人関係で問題が出てくることが多い怒りの出し方となると、
2.の受動的攻撃があげられるでしょう。
例えば、夫に手を上げられた妻が常に不機嫌な態度で自分が傷ついていることをアピールしようとしたり、あるいは職場で折り合いの悪い上司に注意されたので、
わざとミスをして困らせようとする場合などは、直接行動に出たのは相手でも心理的にはお互いが攻撃し合っている、というケースとしてよく見られます。
どうして私は攻撃されることが多いんだろうと思った人は、ひょっとして自分も相手に受動的に攻撃をしていなかったか、振り返って考えてみても良いかもしれませんね。
そこから相手との関係を改善していくヒントが見つかるかもしれません。
手を出したのは相手の方でも、そうなる土壌を作ったのはお互いの心かもしれない、という考え方は対人関係の問題の解消を図るうえでは、とても大切なコトなんですね。
自分はどんな時に怒りを感じやすいのか、どんな怒り方で表現をしているのか、誰に対して感じやすいのかなど、セルフチェックしてみると、自分の持っている「怒りのパターン」に気づきやすくなるんですね。
あなた自身の心のありよう・心の姿勢を見直して、対処していくことは相手を思い通りに変えようとすることに比べれば、成功する可能性はずっと高いですし、何より心の成長に繋がっていくものです。
チャレンジしてみるだけの価値はあると思いますよ。
次回、『怒りのパターン3』へ続きます。